ありがとう

今日、バイト先で。

ジャージにサンダル姿、
見た目はご近所さん的なノリの
カジュアルなおばさまがやってきて。

話を聞かせてもらうと、

福島から来て、
ふらりとひとり旅を楽しんでいる
という。

福島のどちらからですか？

と聞いたら。

郡山です。

とおばさま。

震災のあと、郡山にボランティアに
行かせてもらいました。

当時は避難されていましたか？

と聞くと、

ご自身には大きな被害はなくて、
避難することはなかったけれど、
原発事故で、今も家に帰れない方々がいること、
新しい土地で暮らしはじめた方々のこと、

当時は先生をされていたそうで、
浜に住んでいた教え子を亡くされたこと、

を、話してくださった。

わたしは涙が堪えられなくなり、
おばさまも同じ気持ちで、
一緒に泣いた。

今日、この場所で、
わたしもそのおばさまも
このような話をすることになって、
はじめましての人と一緒に泣くなんて、
一ミリも思わなかった、、、と思う。
福島から九州へふらりとひとり旅の最中に。

わたしは今はもう何もできていないんです、
郡山もその一度行かせてもらっただけなんです。

と言うと、

気持ちがうれしい、ありがとう。
本当にたくさんの方々の支援をいただいた。

やっぱり伝えていかなきゃね。

と。

わたしは、そのとき、
うまく言えなかったのだけど。

まだまだまだまだ
そんなこと思わなくていいです。

大きな大きな悲しみを癒してください。

という気持ちでいっぱいだった。

最後は、握手をさせてもらい、

会えてよかったです。

と言うと、　

お互いにがんばろうね。

という言葉をかけてくれた。

福島はその一度だけだったけれど、
岩手にも友人に誘ってもらい、
何度かボランティアに行かせてもらった。

現地で被災した方々と
触れあい、お話させていただいたあの時間、
本当にありがたかったと思う。

わたしはわたしが今いる場所で、
毎日を生きることがわたしのできること。

大切な出会いが与えられた
今日という日も、ああ、生きたー！

有機物も、無機物も、
そこに宿るいのちが大好きです。
ありがとう。