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潮騒ぎな釣りロック【断腸亭非POPLIFE】上半期

◉2020年1月某日:「Died in the Cecum
なんでスイミングプールにわざわざマイカーで送迎せないかんのやて、歩きかチャリ(かバスか電車)で自分で行かせろてっ!危険とか笑わせんなやこの街のどこが危険でどこで事故に遭うんか。バカも休み休み言えっっつー、スイミングスクールが数件しかない田舎なら解るがここ東京ばい。大人が完全に感覚麻痺トチ狂っとるごたぁ。はぁー付き合いきれんばい。毒つきながら子供たちを待ってる小1,2時間、甲州街道沿いのクラシックカーショップを覗き込むと、ブフぇこのMG見たことなかねぇ、かっこよかぁーと見惚れてしまう。洒落こけた眼鏡のおっさんにどうぞ中へと誘われたが身分も人徳も低い今の自分はガラス越しが精一杯。だしMG多分買わん。
尻尾巻いてどうにも好きになれない独特の臭いを噴射してる顔なじみの古着屋へ。トムペティTシャツに2万5千円の値札を付けた店長とは偶に酒を飲む間柄。「羊たちの沈黙であの娘が歌ってた<アメリカンガール>バッチリやんねぇー」「あの場面はアメリカンガール以外ないですよねぇぇー」などどうしょうもない会話が続き「俺がTシャツ作ったろか?1万で売ってよ」もともとギンギラの瞳孔をかっぴらげた店長「本物で2,5万なんです。本物で」げな。トムペティに2.5万払う日本人がおるかって。
その店長に教えてもらった古本屋へ移動。サブカルチャー系を探す性分はとっくに消え失せ小難しくなくさくっと読める小説ないやろかと思惑した最中そやん!「新宿鮫」読んでなかった。警察が主人公てだけで鼻につくがサクサクっと初刊を読み終え~シリーズ5巻の半分ぐらい読了。

このnoteは「本」を読むことが極端に減った自分は「長文を書くことができないのでは?」と自問したのがキッカケで鍛錬し今の自分の力量を確認することが目的。昔より確実に映画を見なくなった。美術館とかアート展など最後に行った事すら覚えてない。愛車は直列6気筒エンジン手放してセレナ。文化的なものへの興味が廃れてる己の五感を少しづつキョンキョンに尖らすという刻にピッタリな小説。特にシリーズ2「毒猿」が痛快。命乞いする悪党共の頭をカチ割り、目ん玉引っこ抜き、全身木っ端みじんにさせる強烈な敵キャラの死因はなんと盲腸だった...(シリーズ三、四も読み応え充分)

◉2020年2月某日:「Young man returning from China
2019年12月頭に中国転勤を終え帰国した仕事仲間と渋谷でランチ。
「コロナやべぇーぞ、センター街行ったか?人ガラガラでビビったぜ、あのセンター街やぞ」
「マジヤバい感じになってきましたよね、どうなるんでしょう不安っすね」
「ところでお前中国はどこにいたの?」
「え?上田さん言ってませんでしたっけ?」
「知らんなぁ、どこ?」
「え、えっと、えーーーと、あのう。。。」
「あ?お前まさか」
「武漢です」
「ざけんな!てめぇ会社くんじゃねーよ!さっさと帰れ!(冗談ぽく)」
窓が開かない4畳のシェアオフィス内で咳が止まらず自宅療養&自宅ワークするメンバーが続々出現するなか彼はピンピンしていた。発症してもピンピンしてる若者が多いという事実はこの時誰も知らない。

◉2020年4月某日:「addiction FORTNITE Fat Corona
子供たちは学校に行けない。一歩も外に出れない。友達にも会えない。長男は言う事一切聞かず一日中フォートナイトをやり続けるかフォートナイトyoutube見てるかの立派な中毒で現代子供病。2019年フォートナイト世界チャンピオンは16歳、優勝賞金3億円とか。病気で片づけていいものか解らん。大人も嵌ってるyoutubeを子供に禁止なぞ俺にはあり得ない考え方。だがしかし野放しにはでけん。近所の公園に釣れだし、友人集めてストリートサッカー、バスケ、スケボー、そして釣り。普段は三浦半島の葉山付近まで行くが、県外に実質外出禁止令が出て「世田谷」ナンバーなぞ石投げつけられガソリン巻かれ丸焼きにされるという出鱈目話が浮上し東京で遊ぶしかない。誰も居ないお台場や羽田近辺の公園で。人が居ないのに全く釣れない。

自宅のすごそばの公園で全力疾走鬼ごっこ後心臓バクバク一で一服してるとき「●●ちゃんのお父さんですよね?●●の父です」
と声を掛けられ話してると「コロナ嫌ですねぇ。私コロナで劇太ってしまい…」「え!コロナで太ります?俺なんて家で10歩ぐらいしか歩かないから昼腹減らないし、日中テレワーク入るので気づいたら15時,16時とかあるので昼飯抜きっすよ。つまり1日2食。ぜってー俺痩せてますよ、体重計ないんで知らんけど」
「あと、僕なんというか鬱病っぽいんです、家に籠りっぱなしで」
なんとまぁ情けないお父さんだこと。
「●●ちゃんのお父さんさぁ、あんたコロナにかかったら?その鬱一発で治るよ。子供たちの前でくだらねーこと言ってないで大人が元気出して子供たちの不安払しょくさせずにどーすんすか。大人をちゃんと見てますよ子供たち。俺のことよーく見てるからパパみたいなクズにはならんと言うのが長女。パパだってクズだからいいじゃんが長男」
肩を落とした●●ちゃんのお父さん。タバコの煙を空に吐き「ありがとうございます、なんか気が晴れました。●●ちゃんのお父さんかっこいいっす!」なんて言ってくれたので「そうありたいので努力してますよ」とぴしゃっと放つ。口からデマカセばっか。

◉2020年6月某日:「Once Upon a Time in...
何が起きてもあまり驚かない質と思っているが、仕事であり得ない事件が起きマジビビった。怒り狂い黙って引き下がれるかと訴訟手前まで準備したがある晩クエンティンタランティーノ最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観てどーでもよくなった。薄汚れたヒッピーみたいになるとこやった危ないなぁ。

終盤主人公の二人がイタリアからパナムで帰国したシーンがカッコよすぎる上にストーンズの「Out of Time」がかかり今の俺にドンピシャ過ぎて泣きそうになった。
※Out of time=時代遅れで自分が賢いと思ってる救いようのない女への唄。
※俺が泣いたのはそんな女の事ではなく(顔すら忘れた)日々使い物にならなくなってる自分を受け入れるのに必死だから
フローズンマルガリータを行きつけのBAR(中目黒)で必ず頼み作り方を教わり自宅で毎晩1リットル弱飲むのもこの映画のせい。なんせアルコール40度の酒を80m入れシェイクするので家飲みでめちゃくちゃハイテンションになるか撃沈するかだがとても気に入ってる。

パルプフィクションを超えてオールタイムベストワン映画かもしれない。字幕と吹き替え併せて15回ぐらい観た筈でそういやあれ以降映画は1作(鬼滅の刃無限列車編。しかも上映2日目。上映2日目に映画みたの人生初)しか観てないことが今解りまたまたビビった。
次回10作目で映画監督を引退すると言うクエンティン。ラスト映画も腹抱えて笑わせてくれるはず。
リリックプロモ

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