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潮騒ぎな釣りロック【序文】

「このまま死んでいいのか?」

俺は今年で47歳になるいい歳こいたオッサンで、1年半ほど前に急成長を続ける大企業を辞めて念願の独立を果たした。
「いちいち面倒臭ぇなぁーやっぱ会社やめるんじゃなかったわい」
「うぅぅげぇぇ4月に1000万会社口座にあった金が8万しかない、なんで?」
「は?税金こんな取られるの?しかも一括?どうやって払うのこれ」
「ツイッターのつぶやきてほとんど糞の役にも立たないゴミ意見とゴミ情報ばっかだなぁ。ゴミはちゃんと捨てろよ」「昼飯時TVつけて、何を言ってるんだアホかこいつら、本当のこと知らないし、ダセー奴ばっかだなテレビ出てるやつ」とか、日々人並み以下に仕事し、適当な思考を巡らせ、軽率な行動と発言を繰り返し、唯一至高な刻は聡明で利発な長女と一日の出来事をお互い話して一緒に寝て朝一緒に起きること、そんなオッサンだ。ちなみに長男は手に負えないクソガキでゲーム中毒。どうしたらいいか困っている。が、手に負えないのは人と会う予定がなければ昼間から飲んでる俺自身だ。

民族学者の宮本常一が、一人の石垣積み工の仕事についてこんな話を伝えている。
その工人は、田舎を歩いていてしばしば見事な石の積み方に心を打たれたという。「あとから来たものが他の家の石垣をつくとき、やはり粗末なことはできないものである。前に仕事に来たものがザツな仕事をしておくと、こちらもついザツな仕事をする」。将来、同じ職工の眼に触れた時に恥ずかしくないような仕事をしておきたいというのだ。
「褒められなくても自分の気のすむような仕事をしていたい」「請負仕事なら時に経費の関係で手を抜くこともあるが、そんな工事をすると大雨の振った時は崩れぬはせぬかと夜も心配で眠れぬことがある」とも、語っている。宮本は「誰に命令されるものではなく自らが自らに命令できる尊さを、この人たちは自分の仕事を通じて学び取っているようである」と書き留めた。

仕事とは「生活のために金を得ること」だけではなかろう。俺に課せられた仕事とは何だろう?子供たち、未来の人たちに残す何か?

それは「釣り」と「ロックンロール」だと思う。

「釣り」は勝手に始めていた。4,5歳だったと思うが、前日の親父たちの酒のつまみ=するめを餌に近所の野池でザリガニ釣りに熱狂した。それが原体験。川釣り→池釣り→ブラックバス→海へと進学を果たしていくが今が最も面白い。釣行前日にはタックルとルアーに向き合い、当日ドラグが唸るほどの大物を釣った日にゃ翌日まで手が震えている。寝食を忘れ「夢中」になれるものそれが釣りだ。

「ロックンロール」していない若者を見ると腹が立つ。仕事柄20代や30代の年下と関わることが多いがロックに限らず音楽の話が深くできる人は昔からの友人以外では皆無に近い。新しい音楽のアプローチ、参考になること、あーかっこいいねこの音楽、とかそういったことがない。逆に50歳を超えた実の兄貴だったり、先輩経営者・実業家であったり、人生を謳歌してる人からは絶対に音楽の話がでる。「お前、ボヘミアンラプソディ観たか?」「いや、俺さぁ何が嫌いってブライアンメイのギターのリフが嫌いなこと最近気づいてさーだから多分観ない」「バカ!絶対観ろ!ブライアンメイがどんだけ凄いかわかるぞ!」ってな具合で話が進み、観ないわけにはいかなくなる。これが世間で騒がれてる「中身のないコメントで最高でした!」とかになってくると観ないけど、先輩に言われるとそうもいかなくなる。
音楽は世界中で愛され人々の拠り所になってるはずだ、これじゃいかん。かくして俺は未来の人たちに音楽を伝えなきゃならない。

「これで死んでもいいや」ってなるときまで釣りとロックについて書留とめる。それがこのnoteです。
※いつまで続くやら
※「潮騒」はあの方の作品から取っています。主人公は冒頭デカイ「ヒラメ」を手にしウキウキしてました。なのでヒラメを早く釣りたい。市ヶ谷の自衛隊で自殺だけはしません、それだけは断言できます。

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