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友人の初恋の男を確認しに行くオタク


友人の初恋を奪った犬探偵の映画を見に行ってきました。
名探偵ホームズといいます。
タイトル自体はとても有名だし名前とちょとしたビジュは知ってたけどそれ以外の知識はゼロで観に行きました。

上映形式も知らないし、上映時間も知らない。
声優も事前情報なしで行きました。
今思えばもうちょっと調べろよと思いましたが、フレッシュな感想は何も知らないからこそ生まれる事も有るだろうと思わなくもないので最適解だったとしておきます。

なんか、娯楽映画を見にいくって言う感覚じゃなくて、友人の初恋の男とやらを友人代表として見極めに行くめんどくさい女の気持ちでした。

会場の中は男女比半々くらいで、子供もちらほらいる感じ。
お父さんお母さんの幼少期の思い出を一緒に見ようぜっていう感じなのかな?って思って眺めてたし、実際そんな感じなのかなと思います。

大人だけの人は若干年齢層高めかなと言う感じでした。
私がルパン三世カリオストロの城のリバイバル上映を見に行くたびに「おじさんばっかやな…」と感じるあの感覚にちょっと似ていました。とはいえ女性の比率はカリ城より高い印象。



上映が始まって最初に思ったのは、「あ、トムスか!」でした。私はルパン三世のオタクなのでトムスのサイトを見る機会は多めなのですが、その時にホームズがラインナップされてるのは見たことがあったのでそれだけは知っていたんですよ。むしろそれが唯一の知識だったわけです。
なので記憶喪失も大概にしろよという気分になりました。
ガチで何の知識もないし、なにもわかんなーーーい。と、ぼんやりしていたらトムスだったことすら忘れていました。忘れるな。

なので映像が始まって序盤の印象は「わ〜トムスっぽい!」って言う感じだったし、でも多分それはトムスっていうか、宮崎駿っぽいってことで、要はカリオストロの城っぽいって事です。何かを表現するときに別の何かを引き合いに出すのは上手な表現とは言えませんが、私はルパンの女なのでそこは正直にカリ城だ!!と思いました。まぁ序盤なので。

そして肝心のホームズです。
話の内容なども大事ですが、今回の私の使命は友人の初恋の男を確認することなので、大変厳しくホームズという男を観察し、評価を下す必要があります。
内容よりもホームズというキャラの掘り下げが重要ということです。

まずビジュですが、大変いいですね。
優しそうで、何かあっても守り導いてくれる大人の男の雰囲気を感じます。大事なのは対象視聴層から見て大人の男であることです。

また別の何かを引き合いに出しますが、かの有名な忍術学園の教師、土井半助を思い出させると感じました。

土井先生も幼女の初恋キラーとして有名だし、きっと同じ枠なんだろうなニヤニヤが止まりません。
余談ですが、私はきり丸派でしたの土井先生にガチ恋はしませんでした。

次に声です。優良なビジュに相応しく幼女の心を掴む声なのかどうかはとても大事です。ビジュが良くても相応しい声帯でないと流石の幼女も興醒めでしょう。


大変よろしい。


甘めの声でらっしゃいますね。
優しい雰囲気に良く合って、低めのトーンでゆっくり喋るのがとても耳心地がいいです。
声優が数人いるのかなんかそういうのを小耳に挟んだんですが、私は今回の映画しかみていないので今回の情報のみで全てお送りしておりますので悪しからず。


ビジュは良くて声もいいので、後は性格。
キャラクター性ですが、最初の話に出てくるきり丸ボイスの女児に対し、子供相手のムーブをしながらもしっかりレディーとして扱い、その二つを無理なく共存させて対応する所など本当に素晴らしいと思いました。
今回は女児の初恋キラーとしてのホームズを見ている側面が強いのでそのムーブがあるかないかはとても大事です。
当然視聴層の女児は同じ女児に感情移入するはずなので、だとしたら「私もホームズにこうやって声を掛けられたい」と思うのは無理もない事でしょう。

まぁ私は大人の女なのでそれだけではガチ恋になどなりませんので安心してください。

大人の女はかっこいいだけの男では満足できませんよね。

一見完璧に見える男、しかしそういう男は完璧であるが故に逆に歪で不完全ではないでしょうか?
どういうことかというと、少しくらい付け入る隙がないとダメだということです。
完璧ではなく少しの隙がある状態、それこそがむしろ完全であり、その隙、行動の甘さのようなものがあってこそ大人の女性の求める完璧にいい男と言えるでしょう。
女には男のちょっとダメな部分も必要なのです。
この辺りは完全に女児対応の目線からはズレますが、そういった視点も厳しく採点する為には当然必要なので私は取りこぼしません。

なぜなら私は大人の女であり、友人代表としてホームズを厳しく判断する任務を仰せつかっているからです。
あと、友人も当然大人ですが、その友人は恐らく今でもホームズガチ恋の側面があるっぽいので、大人としての評価も必要と判断しました。

さて、では話を戻して前項の問題に対してホームズはどうか。

颯爽と乗っていた車はぐちゃぐちゃ。10点。
なんかちょっとだらしない気がする。5点。
別に運動神経がめちゃくちゃいいというわけではない。10点。
割とミスもする。20点。
魚雷は躱わせない。5億点。

どうやら加点ポイントはキリがありませんね。

ではここまでの話を考慮してホームズの評価をしていきましょう。

ビジュがよく、そのビジュに相応しい声帯を持ち、女児にすら完璧な紳士的振る舞いを見せ、その完璧さの中に少しの隙を見せる。

ハドソン夫人と一つ屋根の下()に暮らしていることが若干気になるところではありますが、当のハドソン夫人がおそらく作中で最も強くてかっこいいキャラクターなのでそこはノーカウントといたしました。
ハドソン夫人には別の宗派の教義がありそうな気配を感じましたのでそこには触れません。

以上の項目を考慮してホームズをどう判断するか?
……彼ににガチ恋する女が量産されるのは仕方がないと判断致しました。

あ、私は性癖の問題でホームズは一番好きなキャラクターではないですのでご安心ください。
私に刺さるのはモリアーティ。
推し被りによる凄惨な事故は無事防がれました。


本編を全て見終わり会場の電気がついた時に、会場中の女性客が「ホームズほんまにかっこいい…」「どう?かっこよくなかった?」などと口々に言い始め、尋常じゃないざわつきに驚きました。
公開初日のガンダムSEEDの映画を見終わった時くらいのざわつきがあって面白かったです。
まぁSEEDは20年待ったとして、ホームズは40年ですもんね。面構えも違うでしょう。

この会場で今熱いリビドーを炸裂させているレディー達はきっと40年前に初恋を奪われた当時の幼女達なんでしょうね。

私がざっと見てわかるほどに大量の女性が初恋の大事な心を奪われ過ぎていて、「この名探偵はあまりにも大泥棒やな…」と、あまりにもトムスな感想を抱いたのでした。



この感想は友人Hに捧ぐ。

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