ハロー・キティが三角関係で男の子の心をポッキリ折るアプリゲーム「恋するリボン」をやってみた

世は空前のアプリゲームブーム。急速に拡大していく市場にあらゆる企業が競って参入し、最近ではディズニーのパズルゲーム「ツムツム」が人気を博しています。

ディズニーと同じくキャラクター商品を展開するサンリオも、早期からさまざまなアプリゲームをリリースしていました。これがサンリオのゲームなの?というような本格的な音ゲーや、キャラクターが住む町づくりのゲームが話題になっています。

そんな中、特に話題にもなっていない「恋するリボン」というゲームをプレイしてみたら面白かったのでご紹介します。

いかにもキティちゃんらしい可愛いイラストと、女の子好きしそうなデザインが楽しい冒険の始まりを予感させます。さっそくゲームを始めてみましょう。まずは美麗なイラストで描かれるオープニングストーリーが流れます。

まず、よほどのキティファンではない限り、キティがイギリスに住んでいることと、その恋人のダニエルがアフリカにいて、遠距離恋愛をしているという設定に驚いたのではないでしょうか。

しかしこれは公式サイトも記載されている設定。世界のハロー・キティが日本在住じゃないのは少しショックですが、そもそも「キティ」という名前も、「鏡の国のアリス」に出てくるアリスの飼い猫が由来ですから、イギリスに住んでいるという設定も自然かもしれません。

ちなみにダニエルがアフリカに行ったのは、カメラマンをしている父親の仕事の都合というのが公式設定。このあと世界中を回って、最後はニューヨークからイギリスに帰ってくるんだそうです。いけ好かないですね。

「少女の部屋に何者かが侵入しアクセサリーなどを盗み逃走する事案」発生です。その上、犯人は少女のメールアドレスまで調べていて、大切なリボンを囮に呼び出しをかけています。

しかし無垢なキティちゃんは素直にメールの指示に従ってしまいます。これから盗まれたリボンを探す旅が始まるようです。

なぜ唐突に時計台に向かおうと思ったのか、そしていったいこれがどのようなゲームなのかまださっぱりわかりませんが、キーワードとなる「いす」は覚えておいたほうが良さそうです。

これがプレイ画面です。なにやら後ろにネズミがたくさん控えています。彼らと協力してリボンを探すのでしょうか。とりあえず「あつめて!」ボタンを押してみましょう。

よくわからないけどOK!

うん

おい

リボンが集まりました。

キティちゃんなんにもしてない。

というかプレイヤーも何もしてません。

何度も繰り返し提示されたキーワード「いす」は? 謎解きは? ゲーム性は? 

とにかく動かさないといけないので、ネズミたちが集めてきたリボンをタップして回収。すると再びネズミたちはロンドンの街へ走って行き、また新たなリボンを持ってきます。それをまた回収。この繰り返しです。その間、キティはてきとうなことを喋っているだけでした。

キャプチャの画像では「友達にはいつも助けられているの!」と言っていますが、ネコがネズミを脅して仕事をさせているようにしか見えません。

あげく「ダニエルのことで何か聞きたいことある?」と言い出し、「ウチの彼ピッピの話聞きたくない?」とばかりにノロケ連発。なんだんだ。

彼ピッピの話を聞いている間に、ネズミたちが盗まれたリボンを見つけてくれて、次のステージに進めるようになりました。ゲームとしてはずっとこの流れの繰り返しで、ステージが進むごとにネズミがリボンを集めてくるまでの時間が長くなっていきます。

ゲーム終盤、12時間不眠不休でリボンを探しているネズミたちを見て目頭が熱くなりました。

※と、ここまで書いて、iPhoneの本体交換を行ったところ、アプリが消えてしまいました。なんとすでにサービスが終わっていて、再ダウンロードできなかったのです。(こんなに面白いゲームなのに!)残念ながらキャプチャ画像はありませんが、幸いすでにクリアしていたので、覚えている限りその後のストーリーを追ってみることにします


その後のストーリー・オチ

ジャンルとしてはいわゆるアプリゲーム時代になって登場した「待ちゲー」だったわけですが、このゲームが面白いのはそのストーリーでした。

まず先ほどご紹介した最初のステージで、発見したリボンを見たキティは、愛しの彼ピッピとの初めてのデートの時のことを思い出します。こうやってダニエルとの愛をひとつひとつ確認していく物語なのです。

もうこの時点でほとんどの人がわかったと思いますが、リボンを盗んだ犯人はダニエルです。犯行理由はキティを驚かせたかったから。いわゆる恋人によるサプライズだった、というオチでした。しかもリボンを見つけたキティに、すぐに次のリボンの在りかを示すメールがきたことから、どこかで監視しているようです

アフリカから1週間も音信不通の状態を決め込み、部屋に勝手に侵入してリボンを盗み出し、町中にばらまいてそれを探している様子を監視するというのは、もうサプライズの域を超えているように思えます。

そしてダニエルのなによりの誤算は「キティ本人に、自らリボンを探す気がまったく無かった」ということでしょう。おそらくダニエルも、本人たちにしかわからない思い出の場所や、キティだけがちょっと目に止めそうなポイントにリボンを隠し、「恋人同士のちょっとしたサプライズイベント」として成立するレベルの難易度を設定していたはずです。しかしキティが自分の足も頭もまったく使わないため、ネズミたちは痛いカップルのいちゃつきに付き合わされ、何時間も町中を駆けずり回って闇雲にリボンを探す羽目になりました。


あまりに残酷な三角関係

さて、それはそれとして、ステージを進めていくと、物語中盤で新たなキャラクターが登場します。キティの公式サイトでも紹介されているお友達、熊のティッピーです。

キティを助けに来たティッピー(イメージ)


彼は公式サイトで「キティのボーイフレンドをめざしている。」と紹介されている恋するクマの男の子。キティが困っていると聞きつけ「僕も一緒にリボンを探すよ」と言って助けにやってきたのです。

でも教えてあげたい。そのリボン盗難事件は、君の好きな人が彼氏といちゃついてるだけなんだと。君が付き合わされる必要はないんだと。もう痛ましくて見ていられない!

しかしそう言われるとキティもまんざらでもないようで、一応、ティッピーが登場してからの1ステージ分の間は、2人の男の間で心が揺れ動きます。

しかしいざティッピーの助けで発見されたリボンを見ると、またすぐにダニエルとの記憶がよみがえり「やっぱり私、ダニエルのことが好きなの」と言って、ティッピーを振ってしまうのでした。ティッピーに救いがなさすぎるだろこのストーリー。


自分を好いている男が探してくれたリボンで
別の男のことを思い出すキティ(イメージ)


そしてそれをどこかからじっと見つめている(はずの)ダニエル。こんな鬼畜たちがピューロランドで堂々と子供の相手をしていると思うとゾっとします。



ハッピーエンド

そしてネズミたちの数百時間にわたる捜索と、恋する少年のハートをぐしゃぐしゃに砕く展開の末、ようやくダニエルからキティへ、種明かしがされました。

二人の新たな思い出を刻むリボンをプレゼントするダニエルと、「驚いたけど楽しい冒険だった」と言って喜ぶキティ。お前はなんにもしてないけどな。

こうして再び互いの愛を確かめ合い、物語は幕を閉じます。すべてのリボンをコンプリートしたご褒美としてもらった壁紙がこちらです。

すべてを乗り越えた二人

どうせサービスも終了して二度と手に入らない壁紙なので、趣味の悪い方はティッピーの心痛に思いをはせながら、ご自由にご利用ください。

ぜひ一度プレイしてみてくださいと言ってこの記事をしめられないのが非常に残念です。ただ全体的な感想としては、こうして記事にできる程度には面白いゲームでした。

皆さんもたまには、誰もやってなさそうなゲームに手を伸ばしてみてはいかがでしょう。意外な良ゲーに出会えるかもしれません。


(※携帯の本体交換でほとんどのプレイ画像を紛失したのですが、なぜかこの画像だけ、パソコンに保存してありました)

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