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子どもが可愛いからこそ今の世の中に産み出したくない

最近職場に小さな子供が来ていて、すごーーーく癒されました。
目が合うとにこーっとしてくれたのがすごく可愛くて。
物心のついてくる年頃の子供は得意じゃないけど、ごく小さな子供は本当に可愛くて天使みたいです。


 
子供がすごく可愛いからこそ、私は子供を産みたくないのです。
綺麗事を言っていたら生きていけないような、まじめな人や優しい人が損をするような、こんな世界に連れて来たくないのです。


 
ついこないだ、大阪の松井一郎市長の発言に私は小さな諦めを感じました。
大阪市内の小学校の校長先生が、子供たちの学習環境や教育現場の現状に関する意見書を松井市長に送付。
それに対して松井市長の回答の一部がこちら。

「今の時代、子どもたちはすごいスピード感で競争社会の中を生き抜いていかないといけない」
「世の中いい人ばかりで、もっと競争するよりもみんながすべての人を許容して、そういう社会の中で子供が生きていけばそれは理想。校長は現実が分かっていない。社会人として外に出たことがあるんですかね」
 
これが日本で2番目の都市のトップの言うことなんですよ。


『みんながすべての人を許容できる社会』を目指すのが政治家さんの仕事だと思うんですけどね、私は。
生まれたら嫌でも競争社会にエントリーさせられ、なんらかのきっかけで競争から外れてしまったら自己責任にされてしまうのが現実。


頑張りたい人は思い切り頑張れる。
疲れたらレールから外れてみる。
レールに戻りたくなったら戻ればいい。
レールから外れても、まあぼちぼち生きていける。

競争社会をサバイブせよと尻を叩くよりも、全員がそれぞれに合ったペースでぼちぼち生きていける、そんな社会であってほしいと望むのは理想的すぎるのでしょうか。

 
私は色んな場所を転々とする人生を送っているので、競争から外れた人がどうやって過ごしているか、浅いなりにも垣間見ることがあります。

派遣労働でカツカツで暮らす人、
風俗店で働かざるをえない人、
障害で判断力が乏しいために悪徳業者に騙され借金を背負ってしまった人、
生きるために犯罪に手を染めてしまった人、
頑張りすぎて心や体が壊れてしまった人…
自死した人もいます。
 
私が前に働いていた企業は、繁忙期になると派遣の方が大勢働きに来るところだったのですが、派遣スタッフの中にはお昼にカップ麺か菓子パンしか食べていない人が一定数いました。
派遣スタッフ同士で「昼ごはんの予算は100円だよね」と話していているのが聞こえてきて私は「まじか…」と思ったものです。
競争社会で勝ち抜いた人が富み、そうじゃない人はギリギリで暮らす現実。


 
 
たまに近所の小学校の校庭を眺めていると思うのです。

ここにいる子供たち、全員の未来があかるいものであってほしい。でもそれは難しいよな、と。
将来、何人が夜の世界に来るのだろう、何人がブラック労働を強いられるのだろう、何人がワーキングプアになるのだろう、何人が犯罪に手を染めるのだろう、何人が希死念慮を抱くのだろう…と。

 

やっぱり全員が確実にしあわせになれない今の世の中に子どもはつれてくるべきではないと私は思うのです。


※大阪市立木川南小学校・久保校長の「提言」全文  https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASP5N6KWMP5NPTIL00R.html%3Fusqp%3Dmq331AQFKAGwASA%253D
※松井一郎市長 オンライン学習めぐり批判書面送付の校長に言及 https://news.yahoo.co.jp/articles/e17e8419469b59f5902461447fd1a5f8d18f60a2