Global Innovative Leadership Programに参加した

2月の中旬にシリコンバレーで活躍する起業家でありインキュベーターである堀江愛利氏のHito Instituteが主催するGlobal Innovative Leadership Program(以下GILP)にしてきたので感想を書いておきたいと思う。

堀江氏はアメリカの大学を卒業後に米IBMに勤務、その後にスタートアップを起業、現在は女性起業家を支援(アクセラレーション)するWomen's Startup LabのFounder兼CEOでCNNの「10 Visionary Women」にも選出された人物だ。

GILPの意図

は下記の通り。

「新しいものを生み出す」ためにモノを作るだけでは無く、それを育て、人を集め、変化をもたらしながら「続ける力を持つリーダー」が必要であり、そういうリーダー達が新しい市場や革命を起こすのだと考え、女性起業家だけではなく、全ての人をとりまく環境を変え、より多くの人が「ゲームチェンジャー」として活躍出来るように(会社に属していても、起業家でも)「個人の改革をしてみたい」という人を対象にこのGILPというプログラムを作成、運営。(ウェブサイトより抜粋、多少編集していますが大意は合っている筈)

正直、この説明を読んだ時は「あぁ、いかにもシリコンバレーらしいなぁ」と思っただけで、そこまで興味が沸かなかった。この地には様々なセミナー、ワークショップがあり大体がマインドセットの変革の必要性を訴えている。正直、それがセミナーに出たくらいで変わるものだとも思えないのだ。

では、なぜ参加したのか?

結局、人の心を動かすのは人しかないよなぁ、と普段から思っているのだけど、この場合も正にそうだった。尊敬してやまないTakeoff Pointの石川洋人氏から「僕はこのセミナーを受けてみてスッキリしたし、色々とクリアになったよ」と。(本当はもっと色々聞いたけどセミナーの内容にも関わるので書くのは控えておく)2020年になり、僕は考える事も多く確かに混沌の最中にいて何かヒントを探していた時だったから、石川氏、いやヒロさんの言葉がやけにすーっと入ってきて、翌日には申し込みをする事にしたのだった。

実際に参加してみて思った事

このプログラムの特徴として、シリコンバレーにある一軒の邸宅に参加者全員が4泊5日泊まり込みで合宿(のような)生活をする、という事がある。参加者は事前に申込書、面接でセレクションされていて、目的、意識等々が乖離した人はいない。そうは言っても、各々皆個性があり、性格も生活もバラバラな訳で、中年をむかえたタイミングでの「合宿生活」に抵抗や違和感を覚える方もいると思う。実際、僕も抵抗はあったのだが、その抵抗よりも「違う世界を覗いてみたい」という好奇心が勝ったので参加をした。

そして、その選択は少なくともの今の自分にとっては間違っていなかったな、と思う。という事で、卒業時に書いたエッセイに加筆修正したものを共有し、GILPについての感想を共有できればと思う。

卒業時のエッセイ

GILPに参加した事で得たモノはシリコンバレーで常に問われる質問 “Why you?”に対する答えを自分の中に持つ勇気を得られたことかもしれない。

プログラム参加前、自分は他人と比べて特別で違う人間である筈だし、そうでありたいと強く思っていた。(それはプログラムを通して、過酷な経験をした自分の人生を肯定するために、強迫観念的に思っていたものだと知ることになるのだが)

プログラムでは常にDoing「何をするか」ではなくBeing「どうありたいか」について考えた。実は自分ほどこれまでの人生でBeingを重視して生きて来た人間はいないのでは?と思っていた。実際、這い上がるために辛い日々を送っていた時に、その場を乗り切るためには強靭で柔軟性のある「人間性が強く求められた」し、状況に応じて求められるBeingに完璧に合わせてきたという自負があった。言わばサバイバルの毎日の中でのBeingは「そうあるべき」「そうあらねばならぬ」人格に終始していた。

しかし、このBeingに集中(一日8時間ほどのセッションと、空き時間に参加者同士で行われる壁打ちの時間)した時間は、僕が自覚していた以上に不安を抱えており、外部からの影響に強く左右されてきたのだ、という事を気付かせてくれた。腹に落ちるというやつだ。戦いの中で生き残るために、周りに合わせに行くという典型的なサバイバーのBeingだったという事実。もうちょっと能動的に選択して生きていた、と思っていたのだが。

それ以外にも幾つかの気付きはあったのだが、それらを受けて現時点での私のビジョンがクリアになった気がする。言語化すると「どのような状況も受け入れる事が出来、且つ動じない強さを持つ人」といったところか。他の参加者からは「風林火山の様な人生で、これからが山だね」と言われたが、案外そんな感じなのかもしれない。(上手い事を言うな、と思ったけど)同時に、そうあるために「常に本質を追求していく」生き方をしたいし、また「誰かと誰かをを繋げてはワクワクする化学反応を起こす触媒でありたい」とも思うに至った。

まぁ、そのような目標を掲げても、急に人格が高尚になる訳もなく、素敵なBeingになる訳でもなく、長い道のりが始まっただけなのは百も承知であって、これからも自分が嫌いなダサい態度や思考もまだまだ出てきてしまうだろうとは思う。しかし、そういった思考が自動的に出てきて、それに囚われた行動をするのでは無く、少なくとも自覚的にそれらと向き合えるようにはなるであろう、と思っている。その上で、どう対処するか?が腕の見せ所であろうし。

余談だが、すぐに「戦いたくなってしまう」という癖を痛感した5日間であったし、「すぐに刀を抜いてしまう」という戦国時代の野武士のような時代錯誤なマインドが露呈して非常に恥ずかしかった。戦わなくても良いのに、である。

最後に、プログラムで印象的だったのは「勇気」について話しあった時間だった。結局、Beingを変えたり、支えたりするのに最も大切な要素は「勇気」なのではないか?と思ったからだ。人間は基本的に安定を求めるし、変化を嫌うものだと思う。それに理想を夢見るが、現実を直視するのは嫌いだ。例えば、自分の言葉としてShouldをWantに変えるという様なシンプルな事ですら勇気がいるものだ。私は比較的強いBravenessを持って人生をSurviveしてきて、中年になり充分に恐怖と不安を知った。そんな私はThrivingな生き方に非常に憧れるし、実際渇望するのだが、そのためには今後はCourageというこれまでとは違う種類の勇気を持って一歩ずつ進んでいく必要があるのだな、と腹の底から思った次第である。

そして、その勇気ある生き様そのものが冒頭の ”Why you?”に対する答えになるのであろう、と考えながら帰路についた。

#GILP #堀江愛利 @WSLJapan



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