海外での演奏のススメ

※2011年2月11日にmixiに書いた日記をリライト

まぁ、そんな大層なことは書けないですけど、海外で演奏してみることについて書いてみます。

もし時間とお金が許すなら、1 ヶ月でも良いので楽器を担いで海外に出てみることを強くお勧めします。

僕の場合はジャズ、ファンク、ボサノバなどの演奏をしていたので、自然とアメリカに向かいましたが、ロックであればイギリスかもしれないし、サルサであればプエルトリコやキューバかもしれません。

ま、海外ならどこでも良いと思います。もちろん出来るだけ自分が関心があるところがいいだろうけど。

完全にアウェイな状況の中に身を置いて、音楽だけでコミュニケーションを取ってみましょう。上手いとか下手とかなんて全く関係なく、とにかく物凄い刺激になるし、貴重な人生経験になります。

僕はハーレムのジャムセッションでボロッボロにされて、泣きながら帰ったことありますが、それでもチャレンジして良かったと思っています。やらないで格好つけるより、やって失敗して痛い目に合う方が学ぶことは多いです。なにより、MCのネタが増えるじゃないですか!(笑)

僕の場合は初めての海外旅行がアメリカへの移住という極端なものだったんですが(笑)移住しないまでも2 週間から1 ヶ月の滞在でも十分色々経験できます。

必要なものは

1. 度胸
2. 滞在に必要なお金
3. ある程度の語学力

の三つです。

言葉に関してですが、例えば僕はアメリカ生活二年目まで全く英語が話せなかったんですね。それでも、知らない土地でもミュージシャンの仲間は出来て、演奏の仕事にもありつけた。そして、泊まるところにも困らなかった(笑)

そういう人もいるにはいますが、ある程度話せたほうが絶対に良いと思うので勉強してきてください。

どうしても、何か新しい事を始める時ってネガティブなことばかり頭に浮かんできて、前に進めなくなってしまいがちです。日本人にとっては海外というのは文字通り海の向こう側だし、外国人に対するコンプレックスもきっとあるでしょう。ポピュラー音楽に関して言えば、向こうは本場でこっちは真似といった意識は刷り込まれてるから引け目を感じやすい。

これって、自分が勝手に感じてるだけなんですよ。相手はそんな風に考えてないですから。

なんていうか、、、、

「海外へのススメ」ていうのは「やっぱり本場でやると全然違うからおススメ!」みたいな話ではなくて、音楽と言う不確かだけど大切なことを拠り所にして海を渡り、現地の人達と演奏するという行動を通して、今まで拘わってきた事が些細な事と感じられたり、日本の良さを再発見できたり、といった自分の意識の変革のきっかけになるよ、というお話しなんですよ。

音楽家にとって自由な思考を持つという事はとても大事。自分の好きな音、自分の感じるグルーヴをそのまま演奏することが理想なのだから、変なこだわりや固定観念にとらわれるのは勿体ない。思考と感覚の自由を奪ってはいけないんです。

日本にいるとどうしても「~すべき」「~が正しい」みたいな思考になりがちですよね。ポピュラー音楽を演奏している筈なのに様式美ばっかり追いかけて、まるで伝統芸能みたくなったりする。それはそれで楽しいんだけど、好きなものを素直に好きって言える感覚はあんまり重要視されていないと感じます。

本当は他人がどう評価するなんて気にする必要無いのに、気になって仕方がなくなる(笑)

だから、一度でいいから外国と言う完全にアウェーな状況で自分を表現してみて欲しい。必ず何かが変わる。

中には日本を出なくてもそれが出来るブレない感性を持った人もいるんですよね。僕はアメリカに来て初めてわかったんですが。

何て言うかバークリーに留学するだけが全てじゃない、と結構声を大にして言いたいんですよ(笑)

留学ってお金もかかるし、滞在中に合法的に仕事も出来ないから結構キツイ。だったら、休みにバイトしてまとまったお金作って一ヶ月くらい海外行ってガンガンセッションしてくる方が良いかもしれない。そこで友達出来たり、色々コネクションが広がったら二回目からは気楽に行けるようになるしね。

いつも思っているのだけど、日本で常識とか当たり前とされてることって、他の国では当たり前でもなんでも無い事も多い。外側の基準に合わせに行く事に疲れ果てて、自分の内側にある本当に大事なものを蔑ろにするなんて勿体無さ過ぎるんですよ。

遠回りに思えるかもしれないけど、無駄なことほど楽しいものだし、ストイックに考え過ぎずに海を渡ってみたら良いよ、と思う。アメリカでも安く長期滞在できる宿は結構沢山あるし、マンハッタンにだって安宿はある。セッション出来るところは勿論沢山あるし、事前に現地のミュージシャンと知り合えるならそれに越したこと無いし。自分がその気になれば何でも出来る時代になっている。

日本から出ずに、誰かが勝手に決めた価値観に惑わされてコンプレックスを抱えながら演奏していても全然楽しくないですよ。人間って顔も名前もわからない人の事は想像も出来ないけど、一回一緒に音を出してしまえば彼らだっが同じ人間なんだ!と腹で分かるものです。意識が寄り添えるって言うか、ね。

ちょっと海外に出ることで自由に好きな音楽を演奏できるようになるんなら、一生ものだし安いもんだと思う。で、本当に気に入ったら引っ越せば良い。そのくらいの気楽さでどんどん動いて良いんじゃないかな、と思います。

今まで遠いと思っていたところが近く感じると、なんか自由になれる気がするのです。

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