つなぐ食堂に込めた思い

つなぐ食堂に込めた思い vol.2 ~世代をつなぐ編~

「つなぐ食堂に込めた思い」全三回に分けて連載していきます。
第二回は「世代をつなぐ」です。
前回はオープンな場づくりについて書きました。
今回は、フラットなコミュニティが必要だよねという話です。

つなぐ食堂は誰もが主体になれるフラットな場

 地域には、お年寄りが集まるサロンがあったり、子どもが集まる児童クラブがあったりします。子育てママのコミュニティもあるし地域のおばちゃんたちの活動団体もある。

 だけど、それらはいずれも年齢や性別、住んでいる場所などといった特定の枠組みの中に存在します。

 そういった枠組みを全部取っ払ってごちゃまぜにしたコミュニティをつくりたいと思いました。同時にその必要性も感じていました。

 枠組みを取っ払ったとき、みんなの集合場所となる場が必要になります。その集合場所としてつなぐ食堂は機能しています。

 現在、つなぐ食堂は0歳のあかちゃんから80代のお年寄りまで様々な年代が集うコミュニティになっています。そしてこの場では年齢とか性別とか地域とか関係なく誰もが主体になれます。

 料理が得意なおばちゃんたちは毎月メニューを決めるところから主体的に関わってくれます。読み聞かせが得意なひとは絵本や紙芝居を、音楽が好きな人は歌を、といった具合にそれぞれが好きなコトや得意なコトで主体的に関わります。子どもたちが主体となって綿菓子屋さんをしたこともあります。ご飯の時間が近づくと子どもから大人までみんなで準備をはじめます。

 何かやりたいと手を挙げれば「いいね!」「やろう!」とすぐに動き出します。(ピザ窯ができたり、夏に簡易プールができたり)

 そこには強制はありません。何かしてもいいししなくてもいい。良い意味でとってもフラットな場となっています。

多世代の共創から生まれるナナメの関係

 最初、私たちがどういうことをやりたいか漠然としていたころ、手探りながらも子ども食堂のようなことをやりたいねということで「ふれあい子ども食堂」という企画を町の社会福祉協議会のサポートのもと2回開催しました。この活動は続けたいという思いで自主運営に切り替わるとき「つなぐ食堂」という名称に変更しました。子ども食堂という名称だと世代の枠組みを作ってしまうと思ったからです。

 もちろん子ども食堂という名称でも多様な世代が参加できるのですが、自分たちがやりたいのは食堂ではなく、食堂を軸とした地域コミュニティの再構築だと気づきました。

 多様な世代が集うことで親と子ども、教師と生徒といった「タテの関係」や友だち同士の「ヨコの関係」だけでなく、地域に住んでいるおじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃんとの関係や地域外の大学生との関係といった「ナナメの関係」が生まれています。

 地域に頼れる先輩がたくさんいるって素敵なことですよね。「タテの関係」は必要なものですし「ヨコの関係」だってもちろん大事です。けどそれだけでは埋まらない部分があるんじゃないでしょうか。だからこそこの「ナナメの関係」も大切にしていきたいと思います。

 まとめると、「世代をつなぐ」とは、地域内外の多様な世代との接点づくりであり、枠組みを越えて主体になれるフラットな場づくりです。つなぐ食堂はみんなの集合場所になりたいと思っています。

「つなぐ食堂に込めた思い」VOL.2 世代をつなぐ編を読んでいただきありがとうございます。次回、最終回となるVOL.3は未来へつなぐ編です。

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テキスト / 廣畑
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