見出し画像

【No.4】あなたの移動時間どこまでスピードアップできる?~生き方と未来を考える"進路note"~

1 "変化"する移動・通信時間

◼️あなたの”通信手段”は?

みなさんは、誰かに何かを伝えたいとき、どんな手段を使いますか?
恋人(遠距離恋愛中の方もいますね)、親戚、お世話になった方等々さまざまなパターンがあると思います。

昭和時代に存在した黒電話

例えば、「メール(LINE)」ですか?、「電話(通話)」ですか?、「手紙」で”渡し”ますか?それとも「手紙」を”送り”ますか?

もちろん伝えたい相手によって手段は異なるとは思いますが、どの方法を選ぶかは、相手へ届くスピードが異なります


江戸時代…人々が手紙を渡したい時は、徒歩(川を渡る手段・小舟)という手段でした。昔は、新幹線や飛行機もエンジン付の車も存在しない時代でした。(船は少しずつ発展してきましたが…)『想い』を届けるには、「直接会って伝える」か「手紙(書状)を出す」かだったのではないでしょうか。しかし、「飛脚」という人がいたことを知っていますか?昔の郵便屋さんのような人です。

飛脚のイメージ

東京から大阪まで会いに行こうとしたら徒歩で2週間程かかるところ、この「飛脚」を使うと、最短3日程度で届けることができたそうです。(おそらく相当に身体が鍛えられていたのでしょう。)

他にも「狼煙(のろし・火をたいて煙で警報を伝える方法)」や「矢文(やぶみ・矢に文書を結び付けて射て飛ばす方法)」という手段もあったと伝えられています。荷物を運ぶ不便さを解消するために、手押し車、今でいうリアカーのようなものくらいはあったでしょう。余談ですが、「郵便」が人々の暮らしに必要だと考えられ、公的な事業としてははじまったのは、江戸時代も明治維新によって文明の開化がはじまった明治4年です。


◼️移動手段の歴史

大河ドラマなどを見ることのある人々が複数人で御輿に偉い人を担いで運ぶ姿は、今では高級な車に乗せて目的地へ連れていく手段へと変わっています。

かつて…ほぼ人力(人力車含む)で過ごしていた「手段」は、時代の流れとともに自動車が登場してきました。これは、エンジンが搭載され長距離の移動が相当スピードアップしました。そして、電車・新幹線・飛行機と…よりスピーディーになってきました。

技術の進歩でスピードアップ!
さらに現代では、人が移動しなくともメールで瞬時に相手に「メッセージ」や「文書」を送る手段が登場しています。インターネットの発展で、さらにスピーディーに人とつながる手段が増えてきています。通話、テレビ電話のようにリアルタイムにオンラインで通信する手段も浸透してきています。

かつて、「大型船(黒船)」の存在が知れ渡り、外国との科学技術の差を知り驚愕していた”江戸時代”…当時の人が、さらに進化した現代を知ったら信じられないくらい驚愕したことでしょう

このように、時が流れとともに、「通信」・「移動」の手段も進化してきました。今回は、「クルマ」の技術進歩を例について触れながら、「これからの未来」について考えいきたいと思います。



2 かつて…クルマの技術革新が「社会問題」

エンジンを搭載した「自動車」が普及しはじめた高度経済成長期(昭和時代)。便利な世の中になってきた反面、あらたな社会課題が生まれました。

当時ディーゼルエンジンという不完全燃焼した排気ガスから大量の汚染物質が排出され、「大気汚染」を発生させていました。当時の日本では、工場がたくさん作られ排煙で大気汚染が公害として認定されるほど社会問題となっていました。

■ ”環境に配慮した”エンジンの登場

そんな中、「ホンダ」がcvccという”環境に配慮したエンジン”を開発しました。日本の会社はそれに続き”環境に配慮したクルマ”を開発してきました。そして、大気汚染対策の厳しい基準をクリアした日本の自動車は、1973年オイルショック後アメリカで飛ぶように売れました。しかも燃費もよいという一石二鳥…

自動車の排気ガスから、私たちの現在の健康水準を保てていることは、このような技術革新のおかげもあります。現代では、さらに環境にやさしくなるために、「電気自動車」も登場しています。


技術の進歩がなかったら…今を生きるわたしったいの社会はどのような状況だったのでしょうか?またそこには技術を進歩させている人がいることを忘れてはいけません。



3 最新の車両技術の話

■自動運転技術の進歩はここまできている

自動車の「自動運転レベル」は、「レベル0から2まで」は、”ドライバー”主体、「レベル3」から”システム主体”となるレベルがあります。レベルが上がるにつれてドライバーが前方から目を離すことができ、ドライバーが不在になっていきます。

『自動運転のレベル』は、「レベル0」から「レベル5」までの段階に別れています。アメリカの自動車技術者協会が設定した0から5のレベル分けがあります。
【 ★レベル0・1】
ドライバーがすべて運転操作を行う状態。
【 ★レベル2 】
前後・左右の
運転操作の一部をシステムが行う。(自動ブレーキ(衝突軽減ブレーキ)や前方の車の速度に合わせて車間距離を維持するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、車線の中央付近を走るように指示する車線維持支援システムなどが搭載されている段階
【 ★レベル3 】
緊急時以外の運転操作をシステムが運転作業をしてくれる段階
【 ★レベル4 】
ドライバー不在でも運転可能なシステム(無人自動運転)
【 ★レベル5 】
条件なしに、場所を問わず「システム」が”すべての運転作業”を行う
→「空飛ぶクルマ」の登場か???

日本では、2020年の法改正にともない、現在「レベル3」での走行が可能になっています。現在、多くの自動車メーカーの実用段階がこのレベルなようです。


■ 自動で車が走る時代が到来

自動運転についてもイメージは、「車が自動で動くなんて大丈夫?」、「運転しなくていいから便利」など、さまざま想像することがあると思います。しかし、自動運転技術の進展は、世の中の安全性を高める可能性も秘めていることも忘れてはなりません。

▼ 無人自動運転化の実用例
東京の新橋-豊洲間を運行している「ゆりかもめ」はすでに無人で走行しています。 1995年の開通から実際に重大事故は起きていないようです。すでに「飛行機」では自動化されており、 離着陸以外がほとんど自動操縦です。

見方を変えると、自動運転技術の精度が上がると、心身に不調をきたす可能がある「人間」が運転する方が安全性に不安が残るでしょう。

▼ 近い未来「空飛ぶクルマ」も登場する?
このような状況が進むと…「よくこんな危険なものを、人が運転してたな…」と思う人が増える日が来ると思います。さらなる将来は、ドラえもんで見たことのある「空飛ぶクルマ」が登場する時代がやってくるかもしれあませんね。



4.これからの時代は、さらなる科学技術の進展が求められる

特に、超高齢化が進む日本では、高齢ドライバーの死亡事故が課題がとなっています。


交通事故による死者数
年々、交通事故による死亡者数は減少しているとはいえ、いまだ少ないとは言い難い状況です。しかも、事故が起きた際の致死率は増加しています。


■ 高齢ドライバーによる死亡事故
人口10万人当たりの高齢者及び非高齢者の交通事故死者数の推移をみると高齢ドライバーによる死亡者数が多いことがわかります。

このような高齢ドライバー課題は、超高齢社会に突入している現在、このままではより深刻化することが予測できます。だからこそ、進化している科学技術を今以上に積極的に取り入れることはとても有効な手段になるでしょう。


■そもそも高齢者は「免許返納」すべき?

個々の高齢者の個人差ももちろんあるが、加齢とともに身体の衰えが生じることはいなめません。ある一定の年齢や身体機能のレベルになれば免許を返納をしてもらうことも可能性としてもあるでしょう。

しかし、通院も増えたり、買い物やお出かけもしたいと思っています。おじいさんがおばあさんの送り迎えをする際に事故にあってしまったというケースも少なくありません。生活する上でやはり便利な自動車はかかせないようです。また、身体機能の衰えを感じる認知機能も低下しているので、技術を過信してしまうことも否めません。

昨今の社会課題である高齢者ドライバー問題は、「免許を返納すればよい!」と簡単にかたずけることが難しい部分もありそうです。


◼️ 「移動ツール」や「通信」に関わる”しごと”はどう変化する?

超高齢社会が到来するこれからの移動手段や通信手段は、より安全性利便性が増すものが求められてきます。今後、みなさんの”しごと選び”のヒントになればと思っています。

▼ 情報通信の加速化
「○G」というのは、ネットワーク上の通信速度のことで、現在の通信速度は「4G」が主流でほんの少し「5G」が進んでいるという状況です。5Gとは、4Gの通信速度から”100倍の速度”に上がるということです。そして、2030年頃には、さらに「5G」の”10~100倍の速さ”になり、”同時接続機器1000万台”となる『6G』が予測されています。


▼ 自動運転技術は、必要不可欠!!

上述したように、心身に不調をきたす可能性は、高齢になればなるほど上がります。自動運転技術の精度が上がると、「人間」が運転する方が安全性に不安が残るようになります。

自動運転技術の精度が上げたり、運転をしなくてもよい通信技術を利用したりすることができるような、高齢者の「移動」や「通信」を助ける仕組みづくりが、高齢者以外の人々の安全性や安心して生活できる仕組みにつながると考えています。科学技術の進展は、このような課題への手助けとなりうるでしょう。


▼ そもそもわざわざ遠くに移動しなくとも事足りる現代?

現代は、通信技術がとても発展しているで、ネットスーパーオンラインでのコミュニケーションが可能なので、わざわざ移動せずともできることもが増えています。通信の世界は今後さらにスピディーになっていきます。配達ですらドローンが行ってくれる時代もくるかもしれません。


高齢者の「通院」も、これからオンライン診療がさらに進展すれば車を乗る機会を減らすことができます。(『医療の変化』については、【No.3】をぜひ読んでね!)


■ そもそもネットワーク使いこなせない問題…

高齢者の最新技術の利用にはサポートはつきもの
経験の蓄積から新しいことを受け入れることも心理的に難しい段階です。社会の変化に柔軟に合わせて生活していくこともまた難しいです。


個人がどう感じているかはさておき…変化する社会に取り残されそうになってしまうことが現実です。NTTドコモは高齢者向けのスマホ講習を有料で実施しています。このような高齢者サポート事業は、超高齢社会が進みさらなる科学技術が進展する「今後の社会」ではますます求められてくることでしょう。



【※引用文献-参考文献】

『人工知能と友だちになれる?』(新井紀子/監、成文堂新光社)
『池上彰の「経済学」講義』(池上彰/著、KADOKAWA)
『10年後の仕事図鑑』(落合陽一・堀江貴文/著、SBクリエイティブ株式会社)
『今はない仕事図鑑100』(澤井智毅/監修・上村彰子他/構成,文、講談社)
『2040年の未来予測』(成毛眞/著、日経BP)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?