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【No.0】"変化"の歴史を知る~生き方と未来を考える"進路note"~

1. "しごと" は変化している


◇ 第1次産業(農林漁業)
明治初期に8割以上、20世紀初頭でも7割を占めていました。少しずつ減少していき、戦後1960年代以降になると急激に減少し、近年はわずか5%という数字になります。

◇ 第2次産業(製造業)
従事者は20世紀初頭で1割強にとどまっていました。その後、1970年代半ばまで増え続けていきます。80年代以降、第3次産業サービスの進出によりわずかに減少していきましたが、3人に1人は製造業に就いています。

◇ 第3次産業(サービス業や小売業)
20世紀初頭2割弱を占めていました。すでに、この時点で第2次産業を上回っていたことになります。その後、順調に割合が増加し続け、6割以上が第3次産業に携わっています。



2.各時代の”しごと”の変化

(1) さかのぼること『江戸時代』

江戸幕府は、農民統制による年貢で税収を得て社会を安定させていました。米が、経済の基盤となっていたため、天候不良による飢餓によって起こると、百姓や町人に、しばしば一揆や打ちこわしが起こるという一般市民にとって不安定な時代でした。

人口の約8割が百姓!

そんな米を基盤とした『江戸時代』、人々の仕事は、84%の人が「百姓」でした。「百姓」といっても、みんなが農業をしていたわけではなく、「農業・林業・漁業等」と…ひっくるめて「百姓」と呼んでいました。ちなみに、村に住んでいる人を「百姓(84%)」といい、町で"職人や商人"をやっている人「町民(6%)」といい、「武士(7%)」の状況でした。


(2)『江戸時代』から『明治時代』

■『明治時代』のはじまり

江戸時代「黒船」でイメージできるように、外国との軍事力に違いがありすぎて勝ち目が無い。さらには、不平等な条約を結ばされ…そんな中、「このままでは異国にのっとられてしまうぜよ」と改革を起こり、明治維新という大きな改革が行われました。

世界が広いことに気づき、外国に負けない国づくりための改革が「明治維新」です。そして、1868年明治元年、「江戸」から「明治」に移り変わります。
明治維新後の日本は、「経済の発展」と「軍事力の強化」によって近代的な国家を目指しました。そのために、行ったのが「富国強兵」と「殖産興業」です。

そして、1890年(明治23年)大日本帝国憲法施行により、「兵役」「納税」「教育」が国民の三大義務とされました。日本を守るために、兵士が必要(兵役)、お金が必要(納税)、思想を広めることが必要(教育)、として政策が行われてきました。人々の暮らしの中では、「田畑を耕し、小麦や米などの作物を育て収穫する」など「農耕」によって、人々が土地に定住する「農耕社会」から、「生産性」を向上させるために「農業から工業」へ社会の構造が変化していきました。

これが「第1次産業」から「第2次産業」への移り変わりです!


(3)戦後から復興~高度経済成長~

明治、大正、昭和と…「経済の発展」のためにますます「軍事力」を強化するようになってきました。そして、1945年終戦、戦争によって疲弊した国土を再建するために、「工業化」は、戦後さらに進みます。技術に習熟した熟練工の需要が増し、企業側は勤続年数に応じた昇給や手厚い福利厚生制度を提供するようになります。

工業を基盤とした社会では、「労働者の多くが同一のインフラに乗り、同じ信念を持ち、同じ方向に成長すること」が、"生産性の効率化とコストの最小化に効果的"でした。ひとつの会社で、同じ社風で、出世競争をしながら生産性を上げることが、当時は、「最適な生き方」とされていきました。

そして、ますます進む工業化は、高度経済成長期に、「家電」や「自動車」が急速に普及し、消費社会が訪れました。そして、「サービス業・小売業」が増加してきます。

これが「第2次産業」から「第3次産業」への移り変わりです!


(4)バブル崩壊から現在の「情報社会」へ

しかし、バブルが崩壊、日本経済は停滞し、高度経済成長の終焉を迎え、現代の「情報化社会」が到来しました。さらに技術革新が進む現代です。

これが「第3次産業」から「第4次産業(情報産業)」への移り変わりです!



3.これから仕事はどうなる?

「各時代の職種別の労働人口の変化」のグラフや「歴史の流れ」見ると…「しごと」の変化の背景には、『社会の状況の変化』が背景として存在しています。

◼️どの時代も”変化”は、人々がを起こしてきた!

どの時代においても、「人々のニーズ」が存在し、それに応えるため「技術を進化」が起こり、社会が発展しました。「工業化の時代」はより多くの人によりスピーディーに、人々に行き渡るように... 人々の仕事のスタンスを「画一化」させ、技術を進展させることで、「生産性」を向上させてきました。むしろ、"変化“を人々が"積極的"に起こしてきたのでしょう。

◼️ さいごに…

今後ますます"変化“は加速化していきます。そんな“未来"に向けて、変化に対して「柔軟に対応する力」が必要なことは明白です。

そして、どの時代の”しごと”も『社会の課題を解決する』という視点が存在しています。"社会課題"を的確に捉え課題解決のために自分の良さを発揮することが、これからの社会の中で個人が活躍できるのだと考えます。

 ©️日本経済団体連合

中高生や若者のみなさんは、好きなことや楽しいこと気がすむまでやってみると充実した時間が過ごせると思います。

その反面、やってみようと思ったことにもたくさん“チャレンジ”して、その中で、『自分が解決したいと思う“社会課題"』を見つけて下さい。好きなことを仕事にする必要はありません…



【おすすめ】※著者が見学してきました!

\ 過去の"変化"が見学できる! /
■江戸東京博物館

江戸時代の様子


明治時代~大正時代


昭和初期~戦時中


昭和中期~高度経済成長~



昭和後期~平成までの様子


【※引用文献-参考文献】

『池上彰の 「日本の教育」がよくわかる本』(池上彰/著、PHP文庫)
『池上彰の「経済学」講義』(池上彰/著、KADOKAWA)
『なぜ僕らは働くのか』(池上彰/監、Gakken)
『日本進化論』(落合陽一/著、SB新書)
『こども「学門のすすめ」』(齊藤孝/著、筑摩書房)
『現代高等保健体育』(和唐正勝、高橋建夫ほか31名、株式会社大修館書店)

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