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墨田区横川・株式会社ムラカミ スクリーン印刷

私は、大学の授業で墨田区について学んだ。そして、墨田区にある製造業についてリサーチを行った。それぞれに割り振られた地区の中からより印象に残った企業を詳しく調べるという課題において、私は横川という地域をリサーチすることになった。

私は、墨田区といえばスカイツリーのイメージしかなく、それ以外は下町っぽいところという印象だった。なので、墨田区内の地名はほぼ知らず、今回リサーチした横川は全く知らない土地であった。そんな横川は、墨田区の中央付近に存在する。

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横川には、合計31の製造会社があるが、私が特に気になったのは、株式会社ムラカミである。この会社は、スクリーン印刷製版業を行っている。

私は、もともと、墨田区の製造会社はあまり大きい企業ではなく、少人数で働いているというイメージがあった。しかし、株式会社ムラカミはシンガポール、アメリカ、中国、韓国、台湾など世界中に子会社を持っている。このことを知り、私の中で、墨田区の製造会社のイメージは変わった。

ムラカミは早くから海外に目を向け、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国のお客様へスクリーンマスク、感光材、スクリーン印刷用資機材を提供してきました。 近年では精度と短納期を要求される電子部品、太陽電池パネル、タッチパネル向けの事業を強化しており、お客様の近くでスクリーンマスクを製造し、提供することで、お客様が抱える多様な課題をともに解決し、量産化をサポートするグローバルな対応力を磨いてきました。
海外に生産拠点を設けるお客様が、母国の工場で生産するのと同様の感覚で材料を調達できるように――ムラカミはこれからも海外展開を推進するお客様の強力なパートナーとして、皆様の期待にお応えしていきます。

ムラカミ


株式会社ムラカミは、1965年に千葉県船橋市に村上精版株式会社として設立された。その後、1973年に東京都墨田区に本社および東京工場を移転している。これは、今の株式会社ムラカミがある位置である。


スクリーン印刷とは?

そもそも、スクリーン印刷とは何なのか。

スクリーン印刷は、ポリエステルなどの合成繊維やステンレスなどの金属繊維で織った「スクリーンメッシュ」を用いた版(スクリーンマスク)を使用する印刷方法です。スクリーンマスクの網目にインキを通過させ、対象物へ印刷する「孔版印刷」の一種で、印刷可能な対象物の多様さから、「水」と「空気」以外のあらゆる素材に印刷できるとさえ言われています。近年では、高細線な印刷を可能にするための開発が進み、超微細な加工(印刷)が求められるエレクトロニクス分野での応用に注目が集まっています。

この、あらゆるものに印刷をすることができるという特徴を活かしてわたしたちの生活に欠かせないものにスクリーン印刷が使用されている。

例えば、Tシャツや自動販売機、看板などの私たちの身の回りのものから、電子デバイスや自動車にまで使用されている。私が特に驚いたのは、太陽電池やスマートフォンにも使用されているという点だ。

使用するインキは様々な粘度のインキを使用することができ、凹凸のある電子回路の基材にも精緻な配線などを描くことができるため、小型化・高密度化が進む電子デバイスの進化にも貢献しています。たとえば、スマートフォンのタッチパネルや太陽電池の電極形成などにも、スクリーン印刷の技術が使われています。
「どんな素材にも印刷できる」スクリーン印刷は、メーターやリヤウィンドウに張り巡らされた熱線、エンジン内部のピストンの潤滑コーティングなど、さまざまな自動車部品に活用されています。


井上春成賞

そして、その高い技術力をもった株式会社ムラカミは、井上春成賞を受賞している。

「井上春成賞」は、新技術開発事業団の創立15周年を記念して、工業技術庁初代長官でもあった井上春成氏が日本の科学技術の発展に貢献された業績に鑑み、昭和50年に創設された賞です。
 賞の対象は大学、研究機関などの独創的な研究成果をもとにして企業が開発、企業化した技術で、かつわが国の科学技術の進展に寄与し、経済の発展、福祉の向上に貢献したもののなかからとくに優れたものについて研究者および企業が表彰されます。
ムラカミは、1985年に「PVA-SBQ系感光性樹脂(高精度スクリーン印刷用感光材料)の開発とその企業化」に成功したとして、第10回井上春成賞を受賞しました。
当時、スクリーン印刷用感光材料は重クロム酸、ジアゾ樹脂などが主流でしたが、これら感光材はポットライフが短く、二液性で販売する以外ありませんでした。一方、工業技術院(現産業技術総合研究所)で開発されたPVA-SBQ系感光材料のポットライフが長いことに着眼し、その特徴を活かした一液型感光乳剤の製品化に成功し、お客様で感光材を混ぜるという煩わしさがなくなりました。また、重クロム酸、ジアゾ樹脂と比べて露光時間が大幅に短縮できるなどの優れた性能を有するなど、画期的な感光材料として、世界中のスクリーン印刷業界から高く評価されました。


ムラカミは、創業当時は感光材製造のみであったが、感光材開発、スクリーンマスク製造、スクリーン印刷用資機材販売へと販売アイテムを増やし、化学メーカーとして、製版メーカーとして成長してきた。

高い技術力をつかって今の社会に適応した製品を作り、海外展開、貿易業務で得たグローバル機能やネットワークを駆使して、世界でも活躍する株式会社ムラカミの今後のさらなる活躍に期待したい。

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