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テレワークに必要なこと

 私が転職して13年が経過しました。その間私はほとんどを「Web会議」の製品(プロダクト)にかかわっています。
正直、当時はほとんどだれも使っていなくて、私一人で十分さばける仕事量しかありませんでした。ところが昨今の世界情勢によってテレワークは(できる職種であれば)なくてはならないものとなり、導入していない企業にとっては、早急に導入しなければならないもの、になっています。

正直、当時の私はこんな形でWeb会議が普及するとは(そして私の担当してきた製品も爆発的に利用されております)思ってもみませんでした。

ところで、この「テレワーク」(主に在宅勤務でしょうか)を導入しようと考える企業さん、いろいろなパターンがあります。

①とにかく導入してしまってからいろいろ考える
②情報漏洩などいろいろ考えてから導入する
③ITリテラシーの高い部門から徐々に導入して広げていく

ベンチャー系だと①でしょうか。昔ながらの(と言ってしまっては失礼かもしれませんが)大企業だと②ですね。長年やってきた私としては、正解は③だと思います。使ってみないと何もわからない(かつ、だれもかれもがいきなり使えてしまうとまずい)

と、これは企業側から見た視点です。

個人で「よし、テレワークしよう!」といきなり家で仕事を始めようとすると失敗します。それは何故か。

①家は仕事をする場所として整備されていないから

 会社の場合、基本的には生産性を高めるための環境として設備ができています。つまり、何の準備もなく在宅勤務をしようとすると同じ生産性(効率)にはなりません。例えば、会社でノートパソコンを利用していて、それを家に持ち帰ってくれば同じ作業ができる…あれ、サブディスプレイないな…設計者見ながらプログラム書けない…とかなったりします。
 じゃあ家のパソコンで作業しよう…あ、ゲーム入ってるちょっとだけ遊んじゃおう…となります。ディスプレイなのか椅子なのか、スタンディングデスクなのか、人によりますがおそらくプラスアルファで何らかのアイテムを用意しないとおそらく仕事はできない(=著しく効率は下がる)。
だれが負担するの?っていうのは別の話です…さーせん…

②時間の管理がうまくできない

外的要因が一切排除される(部屋に引きこもるとかそういう意味)ため、時間の管理ができなくなります。これは例えば本来8時間勤務の業務を家でやると実働時間が4時間とか極端に減ったり、逆に16時間とか極端に増えたりします。マネージメントが難しくなるため「裁量労働」になります。とくに、出社時より実労働時間が増えてしまう人の場合、鬱になる可能性があるので対策を講じる必要があります。

③スキルが不足して何もできなくなる

新人さんや無能な上司の場合、これが起こりえます。やはり周りに人がいると質問がしやすい、とかありますし、仕事に対するスキルが不足していると正直一人だと何やっていいかわからなくなります。

さて、テレワークがうまくいかない場合、解決策を講じる必要があります。これは個人でできることもありますが、やはり企業側が努力をする必要もあります。たとえば、「家のテレワーク環境を整えるためサブディスプレイを支給する(会社のやつを貸し出すとかでもいいと思いますが)」とかですね。ですが、ここでは個人でできる対策について記載しておきます。当たり前のことも多いと思いますが、私見のほかに機関によって実証されている内容もありますので参考にいただければと思います。

仕事をする部屋を確保する

よく「東大生の受験勉強方法」とかで紹介されるのが「勉強部屋ではなくリビングで勉強する」というのがあります。仕事の場合は逆です。仕事専用部屋を用意する必要があります。書斎ならOKかな。自分専用部屋があるなら、それを仕事専用部屋に変えましょう。ぬいぐるみやプラモぐらいなら置いておいてもいいかもしれませんが、ゲームとかは置いてはいけません。
 また、この部屋は窓が開けられる必要があります。二酸化炭素濃度が上がると脳の機能が低下して頭が回らなくなります。また、カギを掛けられるのがベストです。このような部屋が家にない場合はアパホテルや東横インの日帰りテレワーク応援プランを使いましょう。

食事のバランスに気を付ける

2つ理由があって、一つは家で仕事をすると、食事はどうしても炭水化物に偏ります。普段以上に心がけましょう。栄養云々の前にメンタルの崩壊を助けます。

家族の理解を得ること

「家にいるが、仕事をしているんだ」ということについて家族の理解を得ましょう。「部屋には入ってこないように」と。そうしないと仕事中に突然割り込み(Intercept)が発生します。これは作業効率に恐ろしく悪い影響を及ぼします。上記に「部屋にカギを…」と書いたのもこれが理由です。とにかく仕事をしているので家族には「出社しているのと同じように扱ってほしい」ということを説明しましょう。
厳しい場合は「自分から休憩時に部屋を出て家族と話す」というのがよい回避策かなと思います。

時間の管理をいつもより厳密化に

一番悪いのはTODO(Trello)などでやるべきことをまとめて順番にさばいていくやつです。これは過労働になる可能性(と、まとめただけで満足して怠惰になるやつ)がたかいです。
できればカレンダーやOutlookといった「何時から何時まで○○」といった予定表機能を利用しましょう。15分単位ぐらいで予定をぶっこむのです。
それと「休憩時間」と「終了時間」は最初のうちは厳密に決めたほうがいいです。19時で終わるってきめたら終わる。50分で10分インターバル取る。

WebカメラはONにする必要はない

もしZoomなどでチームメンバー全員ビデオを映して作業をしましょう…みたいな文化があるのであればすぐにやめるべきです。

出社しているとき、メンバーの顔見ながら作業してた?

してないでしょ普通。顔を見ながら何かするのは会議だけです。その会議も本当に必要な時に必要な人(発表担当とか)だけONにすればいい。どんな会議システムもクラウドサーバーを経由しているはずなので無駄なリソースは使わないように。
 IM(チャット)、音声(これもしゃべっていない人はこまめにミュートする)、画面共有で十分です。

というわけで自分や友人に聞いた話からいろいろまとめてみました。
とにかく、無策でテレワークを開始すると絶対に鬱になるか何もできずに1日が終わります。「環境を整えて」「時間管理」「健康管理」をしっかりしましょう。




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