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替え玉

 月とともに今日が明日へ逃げていく。始発電車が来れば、今後いっしょにここへ来ることはないだろう。少し不機嫌そうな可愛い横顔をながめながら、ぬるくなったらーめんのスープに、替え玉を注文した。具もなく味気なかったが、できるだけゆっくり食べ続けた。

千龍平「京都未明月」より


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