mast Advent Calendar 2021:作品作ったことない人への一助(になったらなぁ)

この記事はmast Advent Calendar 2021 #mastAdC の4日目の記事です。
2日目はmatchさんの記事『mast随一の意識低い系が博士課程に進んじゃった話』でした。

どうも、アドベントカレンダー4日目担当、四年生の佃です。

これまで作品を作ったことなかったけど、せっかくメ創に入ったから作品を作ってみたい!と思う人は少なくないでしょう。僕も入学当初にそう思い、自分なりに色々作ってきました。同級生や下級生にも「作品を作りたい」と言ってる人が多かったです。しかし、最初に何をしたらいいかわからず作品を作れない、何を作ったらいいかわからない、といった悩みを持っている人も多く、作品を作らないまま他の道に進む人もいました。

そこで!恐れ多いですが、今日の記事は、メ創で作品制作をしたいけどなにをしたらいいかわからない!と言う人向けに記事を書いていこうと思います。

※メ創に限らず、面白い作品を作ってる人はいっぱいるので、そういう人に直接聞くのが吉だと思いますが、この記事が制作活動を始める一助になってくれれば幸いです。芸術制作系の授業取るのが多分最適解

なぜ作品が作れないのか?

なぜ作品を作りたいけど手が進まないのか?について自分の活動も通じて説明していきます。まず、参考までに自分の制作段階を書き出します。

(普段から作品アイデアのアンテナを張っておく)

ビビッとくるアイデアが思いつく
ex:)セミに電気流したら鳴き声制御できるんじゃね?

実装してみる
ex:)実際にセミに電気を流してみる

試行錯誤フェイズ
ex:)適切に制御できる電圧や波形を調べる。

試作品を作って、修正点を見つけ出す。
ex:)実際に録音して、聞き取りやすいようにマイクの位置や動画を修正する。

作品を完成させる
ex:)録音、編集しなおし動画を完成させる。

コンセプトを考える
ex:)作品を作る中で感じたことや、鑑賞体験によって得られることを言語化する。

(コンセプトが合わなければ作り直し)

こんな具合です。作品を普段から作る人と作ったことのない人とも決定的な差は、この一段階目の(普段から作品アイデアのアンテナを張っておく)というフェーズであると思ってます。

一回でも作品を作ったことのある人は、過去の自分の作品を軸に作家としての自分のキャラクター性を見出せます。大なり小なりあるでしょうが、自分の場合は、「昆虫を電気で制御する」というキャラクター性を見出すことができました。逆に言えば、作品を作ったことがない人は、自分のキャラクター性を知らないから作品を作れないのではないか?ということです。まとめると「作家は過去の自分を参照して作品を作るが、非作家は参照先がないので作品が作れない。」これが、作品を作ったことがない人が作品を作れずうじうじしてしまう原因であると、自分は考えています。もっとロジカルな議論は下の記事に書いてあるので、気になった人は読んでいただけると嬉しいです。

作品制作で陥りがちな罠

このセクションでは、作品を作ったことない人が作品を作ろうとする際によく陥りがちであり、個人的にはあまりお勧めできない事例をいくつか紹介しようと思います。

・難しい思想書を読む
・コンセプトをひたすら練る
・良い作品を作ろうとする

・難しい思想書を読む
普段から難しい本を読む人は関係ないですが、作品を作ろうとする際に背伸びして哲学書や思想書を読む人はちらほらいます。はい、僕です。自分の思想や独自の視点がある場合、難しい本を読んで直接的に作品のインスピレーションになることはあると思います。しかし、作品を作れない=自分の思想がない人が難しい本を読んでも直接的な作品のインスピレーションを受けられることは少ないでしょう。もっとも、作品を作ろうとして(答えを探そうとして)本を読んでも自分の望む答えはあまり得られない、と言うのが僕の経験則です。

・コンセプトをひたすら練る
コンセプトを練ることは重要だと思います。しかし、コンセプトだけを机の上でウンウン練ることはあまり得策ではないと思っています。そのコンセプトは経験からくる独自の観点がなく、ありきたりでつまらない、その割に入り組んでいてわかりにくいものになることが多いからです。

・良い作品を作ろうとする
これは、無意識的なものなのでどうすることもできないですが、良い作品を作ろうとしすぎないことが重要です。最初から完璧を目指しすぎると、未熟な自分が嫌になり作品制作が手から離れてしまう人が多いです。ある程度適当に作品を作れる方が気が楽に制作できる気がします。(手を抜くとは別の意味)

三つのオススメできない事例を紹介しました。
じゃあ、オススメを教えろよ!!!って?
その前に作家とは三タイプに分類できることを説明させてください。その後にようやくオヌヌメを紹介させていただきます。

作家性御三家

作家性は三つのタイプに分類できる、というのが持論です。

・岡本太郎派
・メタゲーム派
・社会批評派

この三つに分類できます。自分の完成を爆発させてオリジナリティある世界観を展開させる岡本太郎派。クリティカルなメッセージによって社会に問題を提起する社会批評派。アートとは?と問いかけることでその定義を変えていくメタゲーム派。詳しくは下のブログを読んでください🙏

自分は、岡本太郎派に属します。自分の世界観を作品に落とし込んでいます。なぜ、この作家性御三家を紹介したかと言うと、自分のオヌヌメ作品制作法は岡本太郎派の作品を作る人にしか当てはまりそうにないからです。

なので、他の二派が好きな人は他の人にアドバイスを求めてみてください。お役に立てずすみません。

オヌヌメ作品制作法

このセクションでは、実際に作品を作るにはどうしたらいいか?を書いていきます。オヌヌメ手法は二つあります。

・既存作品の追実装
・ゴミを作る

・既存作品の追実装
これは、既存の作品や研究をとりあえず真似して実装してみる、と言うものです。それによって、今の時代だから加えられるオリジナリティやより便利な実装方法、ちょっとしたいたずら心が生まれます。これは、過去の作品の文脈を現代にアップデートする行為でもあり比較的作品強度もあります。何より先人を参考にできるので実装方法が確立されているのが良いことですよね。自分の場合は、ゴキブリをラジコンにする論文を見つけその研究を追実装していくなかで「他の動物で試したい」というアイデアが生まれ今に至ります。過去の事例は、美術手帖やGoogle Scholarを参考にすると良いと思います。あとはArtpedia?

・ゴミを作る
二つ目はゴミを作るです。初めからゴミを作るつもりで作品を作ってください。手を抜くと言う意味ではありません。ふざけたテーマで作品を作ると言うことです。「良い作品を作ろう」という肩肘張った考えが抜けて、柔軟に考えられると思います。自分もコンセプトに詰まった時はお酒を飲んで理性を0にしてもう一度作品を考え直しています。

最後に

コロナウイルスによって上下のつながりがほとんどなくなってしまい悲しいです。かといって上級生の自分が交流の機会を設けなかったことを反省しております。コロナ以前は学内展示などが年に何度かあり、そこにきてくれた下級生が作品制作に興味を持つと言うことが多かった気がします。今からでも良いので作品制作に興味ある方は連絡ください。できる限りのアドバイスとか、もし要望が多ければ自由参加の学内展示会とかも企画しようかなと考えています。


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