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#004:2022/2/10 status:♀

※この文章はフィクションです。

日付ログ:2022/2/10

今日も仕事が疲れた。
周りの空気を読んで動く仕事のせいなのか、誰かを演じ続ける仕事のせいなのか、、、自分をうまく表現できている気がしない。
常に何かのサンプリング曲を流しているDJの気分。

映画の撮影も締めくくりを迎え、舞台も終演を迎えた。
この時期はいつも飲み会が多い。
短期で関わる人との飲み会は疲れない。
お互いの機嫌を取り合う上滑りの会話とも言えるし、向上心のあるペルソナが剥がれることもないからかもしれない。

でも、同じ事務所に所属している人たちは別だ。
芸能事務所とは端的に「何者か」以外はゴミという価値観が全てである。
何者かになることを諦めて群れてる奴らは自称ストイックどもに馬鹿にされるし、自称ストイックどもは「何者か」に慣れない葛藤から苦しそうにもがいて周りに泥をばら撒く。
長くいれば、ある程度の仲間意識や相手の気に食わない部分が出てくる。
向上心というなのペルソナが剥がれて飲み会で他人の人生に口を出して盛り上がることに生を感じている奴らだ。

これも身体が二つあることが原因なのか?
相手のことを全く理解できないとわかっているからこそ、勝手に都合のいいキャラクターとして消費してしまおうという腹なのか?

女優としての私、アーティストとしての僕、身体を二つ持っていて分かり合えるはずがないと思っていても人間は他人と繋がりたがるし、他人に興味がある。

20代前半の芸能事務所という場所が悪いのだろうか?

そういえば、こっちの体は23歳だが、向こうの体は25歳だ。
生まれてからの数年間、我々は一つの身体しか持たない。
それがいつの間にか入れ物が二つになっている。

自分とは僕の方なのか?後に生まれた私は補欠なのか?
「何者か」とはつまりはタグを貼る行為である。

〜〜〜だから、誰々は偉い
〜〜〜で優勝したから、すごい

タグ付けされたものでしか我々(私と僕)は判断されない。
いくらタグを集めても固有名には還元できない。
そもそも幼少期を除けば固有名なんてものはない。
親でさえ、僕である自分を知らないし、僕の親も私である自分を知らない。

自分には「佃♂♂」と「後藤♀♀」という固有名詞が二つある。
これは分けて考えることもできるけど、私だけは繋がっていることを認識している。

そういえば、今朝も夢を見た。
孤独感を感じている男の子の夢。
小学生くらいだったと思うんだけれど、彼には周りの空気に合わせ過ぎて道化そのものになっちゃった。
本当に彼を理解してくれる人がいなかった。
ピエロになっちゃった彼は本当の気持ちがわかんなくなって壊れていっちゃう。

そんな内容だった気がする。
夢は深層心理を表すっていうけれども、私もやっぱりどこかで寂しさを感じているのかしら?
二番煎じだし、、、

でも、他人に理解してほしいとかそういうことではない気がする。
シンデレラ症候群って言うの?
ここではないどこかにいってしまいたい感じ。

そろそろ3時だし、寝ようかしら。
明日はどっちの体だろう、、、まあどっちでもいいか
おやすみ

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