脈絡なく、福井のこと

都道府県別の幸福度ランキングというのが存在する。
東洋経済新報社が発表しているもので、この調査で3回連続1位に輝いたのは、福井県だ。
俄然、興味が湧く。福井県に対して。

ちなみに、私は今は東京都に住んでいるのだけど、東京都は2位である。

5分野(健康、文化、仕事、生活、教育)でのランキングと、総合的なランキングが出されているのだが、当たり前のように東京都の『文化』分野は1位。
でも、『生活』は42位。
……なんか、わかる気がするわー、と思う、いち東京都民である。

そして気になる福井県は、『仕事』『教育』で1位。
『文化』は33位だけど、大都市圏ではないので、これは仕方ない気もする。

そんな福井県、一度だけ行ったことがある。
20代の頃、SUPER BUTTER DOGというバンドの解散ライブのために遠征したのだ。
福井県での開催があったのは、福井県出身メンバーがいるから、ということのようだった。
すでに社会人にはなっていて、東京で暮らしていた。
解散ライブ、ということは、これを見逃せば一生、生で見られない、聴けないバンドだ。
福井県で開催されるライブのチケットがなんとかとれて、私は夜行バスで弾丸福井ツアーへ行った。

覚えているのは、おいしいものを食べたこと、温泉施設に行ったこと、東尋坊には行かなかったこと。
事前に、大学時代の福井県出身の友人に「福井行くんだけど、おすすめの場所とかものとかない?」とメールしたら、一言「福井、なんもないよ」と返信があった。
それで、自分で色々調べて、あとは一人旅なので行き当たりばったりで楽しんだのだった。

羽二重餅という柔らかいお餅が名物らしいのだが、その羽二重餅をのせたかき氷を出すお店があった。食べた。
それまでかき氷といえば、屋台で出されるガリガリ硬いやつか、父親が実家で夏休みになると張り切って作っていたすぐ溶けてしまうやつしか食べたことがなかった。
「かき氷、こんなおいしいの?」と感動したのを覚えている。羽二重餅入りなのも、もちろんよかった。
それから、ソースカツ丼も食べた。これもおいしかった。カツにソースかけないでもいいと思うタイプだったけど、福井のソースカツ丼はめちゃくちゃおいしいと思った。
バスを調べて乗り込んだ温泉施設は、ひなびていて、たぶん地元のおじいさんおばあさんが楽しみに来てるんだな、ってかんじの場所だった。
私の一人旅のテーマには「ここに暮らしているつもりで歩いてみる」というのがあるので、福井の川沿いをただ歩いてみたりもした。

ライブも楽しんで、また夜行バスに乗って、東京へ戻った。…若かったのでできたんだと思う。

それ以来、福井県を訪れる機会はまだない。
でも、また行く機会があったら、間違いなくソースカツ丼を食べる。季節が合えば、羽二重餅の入ったかき氷も食べたい。

幸福度が高い理由を探りに、また遊びに行きたいものだな。
鯖江に行ったら素敵な眼鏡も買えるのかな…。

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