女の子

私のお腹に娘がいるとき、ある人が話していた。
「男の子は恋人、女の子は王子様、っていうよ」と。
どういう意味か聞くと、「男の子を産んだら母親にとっては永遠の恋人のように可愛いし、女の子を産んだら自分の夢を叶えてくれる存在になる、って意味」とのこと。
でも、ピンとこなかった。

子どもと親は、別の人間だし、各々の人生を歩くものだよなあ。
子どもには子どもの意志が、あるはずで。

子どもは親のものではないし、親と同一のものでもない。
当たり前なのだけど、そう思う。
娘には、娘の人生を歩んでほしい。私の夢なんて叶えてくれなくていい。

「男の子なんだから」「男の子らしく」
「女の子なんだから」「女の子らしく」
という言い方も、あまり好きになれない。
いや、性別が違えば、違っている部分はあるのかもしれないけど。
でも身体的な違いはあれど、本当にそんなに、性別だけで違いはあるのか。
それ以前の、個性ではないのか。

自分自身が、ある種の『呪い』をかけられて生きてきたんだと思う。
私は女で、「女の子らしく」とか「女の子なんだから」という周りの要求を感じて合わせてきたところが大いにある。
飲み会では「女が」気を回してお酌をしなきゃいけないのだと思っていた。
社員旅行の移動用のバスで、「女だから」えらいおじさんの隣に座るよう指示されても、まあそんなもんかと思っていた。
お茶だしするのも電話とるのも「女だけがやる」と説明されて、嫌だけどそういう会社もあるのかなと受け止めた。

私は、女の子の母親になった。
自分が「仕方ないよね、まだまだそういう世の中なんだし」と受け入れてきてしまったことは、そのまま、娘の生きていく世界に残り、引き継がれていく。
それは嫌だ、と思った。
女の子の母親として、この先を生きていく女の子のためにできることを、少しずつでもやらなくちゃと思う。

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