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サティスファクション


昔オーケンの本で読んだ
シナロケ鮎川さんの話が大好きだ。


会場は池袋西武デパートの屋上。
色んなバンドが出演するLIVEイベント。

ただ近所から騒音のクレームが入り
主催者側の判断で中止せざるを得ない状況。

トリはシーナ&ロケッツ。

客側が許す訳がない。
客と主催者の攻防が続く。

客 [ふざけんな!続行だ!続行!(*`Д´)ノ!]

主 [俺だって続けたいんだぁ!。・゚・(ノД`)・゚・。]

そこにフラリと鮎川さん登場。

[仕方なかばい。
1曲だけ演るけん。楽しんでくれんね。]

大炎上を鎮静化させた久留米弁。

[1曲だけ!]と演奏されたのは
ローリング・ストーンズの
"サティスファクション"

和訳すると
"こんなんじゃ満足できねえ"

正に会場の空気とも同化し
客席も大ノリで大合唱。

そこからが更に凄かったらしい。

レコードなら3分で終わる
"サティスファクション"を
爆音のまま30分演奏したのだ。

痛快極まりないとはこの事だ。

3分でも30分でも
1曲には変わりない。


こんな反抗の仕方も在るのだ。

ロックンロールに必要なのは
性急なビートとシリアスだけでは無い。

そこにユーモアが加わるだけで
世界は変えられるのだ。


壮大な[1曲]を終えて
シナロケは颯爽とステージから
去って行ったという。

引き際まで粋な
ロックンロール・バンド。


清志郎みたいに分かりやすく
権力に反抗するのもカッコいいけど

鮎川さんみたいに
クールな反抗のやり方も
最高に素敵だと思う。








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