ジェラート屋さん

今年のGWは2週間もお休みがもらえた。活動量が減るのは健康的じゃないし、家に長時間引きこもって気持ちが下がるのも嫌だし、暇すぎて食べ物のことばかり考え冷蔵庫を開けては口に入れ、というのを繰り返すのも嫌だった。だから、たった3日だったがジェラート屋さんで短期のアルバイトをした。ずっと働いてみたかった場所だ。ジェラートも大好きだし。飲食店の忙しない時間が好きだ。レジで喉が枯れるまで、唇が乾燥してピキッとなってくるまで「いらっしゃいませ」「ご注文をお伺いします」を言い続けた。暑かったGW、気温が30度あった日日はお店の外まで行列ができてジェラートは閉店時間前に売り切れた。大きな窓で日がよく入るお店だったからか、退院後に鏡を見ると頬は少し赤くなり、家で化粧を落とすと余計に赤ら顔が目立った。少しばかり焼けた肌、心地の良い肉体の疲労を感じながら、そこで働く従業員の方々と「お疲れさま」を言い合った。とても清々しかった。日が長くなった夕方17時過ぎの家までの40分のドライブも気持ちが良かった。お客さんの声をよく聞き、レジを打ちながら注文をメモに書き、そのメモをジェラートの盛り付け係に渡す。ひたすらにその単調な作業をこなしている最中のゾーンに入った感覚がたまらなく好きだ。今、目の前にあることだけを考えられる。しかも相手は人だ、性別、年齢、服装、人数、一緒に来ている人との関係性、各々の声、表情、すべて違う。単調な作業の中でも、多様な人間の変化を観察できたあの時間は、すごく楽しかった。

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