穏やか優先

ドラマを見なくなった。
「今日は○時からだ」と今日見るドラマを確認し、テレビの前に座らなくてはいけない時間になる前に、夕飯と入浴を済ませていた。高校生まではほぼ毎日、それが夜のルーティンだった。
高校を卒業してから3年が経つ。好きが講じて俳優の養成所まで入り、演技を学んだこともあったのに、今では、テレビドラマを自ら進んで見ることは無くなった。リビングで妹がテレビでドラマを見始めたときに、少し見る程度になった。
ドラマを嫌いになったわけじゃない。学生の頃は、今自分が生きている世界とは別の世界に別の人間の視点でのめり込んで行くのが楽しかった。ドラマの世界に入り込んでいる間は現実を忘れられるのが私のメンタルケアにも繫がっていた。でもその、のめり込むことが、少しきつくなった。感情を揺さぶられたくなくてドラマを見ることが減った。どうしても見たいドラマや映画があるときは、気持ちの準備をして、「よし」と身構えて見始める。ただ楽しくてハッピーとか、笑えるコメディとかなら、そこまで身構える必要もないけれど。感動とか、悲しいとか、苦しいとか、感情を大ゆすりしてくる作品は本当に体力が必要だ。1話で、1作品で心のHPはだいぶすり減る。それは、本当に疲れる。なるべく感情の波は穏やかにしておきたい、なんて思うようになった。


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