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KAOSSILATOR PROの枠を緑色に塗ろうとして失敗した話

数年前に中古のKAOSSILATOR PROを手に入れた。たまに触って遊んでいたのだが、気になることが一つある。

画面の発光は緑色なのに、画面周りのワクが黄色であることだ。

カオスパッドはどちらも赤色に揃っていて、美しい。カオシレーター単体で見ると気にならないが、カオスパッドと比べると、統一感のなさが気になってしまう。「PRO以前からカオスパッドは赤色、カオシレーターは黄色だから」というのは分かるが、何とかなりませんか?

それで、自分で塗ることにした。

上から塗れたら簡単だが、タッチパネルに接しているし、金属カバーとの間に微妙な隙間があって、マスキングが難しそうだ。なので、分解してワクを外せないか見てみることにした。

以下、同じようなことを試みる人のために記録する。当たり前だが、分解は自己責任で。

分解

裏のカバーを開けるとこのようになっている。ネジを外して慎重に基盤を外していく。

1枚目の大きな基盤を外すと、2枚目の基盤が出てくる。これも外そうとしたが、上部に茶色いテープのようなケーブルが繋がっているので、外れない。下のパーツと一体になってるのかな?と思って、丸ごと持ち上げようとするも、この下のパーツはさらに下にネジ止めされていて、持ちあがらない。

ケーブルをコネクタから外せばいいのだが、外し方を知らなかった

どうすればいいのか、あちこち持ち上げて観察しているうちに……

ケーブルが切れた。

GAME OVER

そんな簡単に切れるもんなの?とびっくりしたが後の祭。このケーブル、側面が基盤のフチに接触しやすい形になっているので、いじっているうちに引っかかって切れた感じだろう。

ケーブルの先はタッチパネルに埋め込まれており、ケーブルだけ交換することは不可能なようだ。

困る。

フレキ断線の修理

ググって調べると、このケーブルはフレキシブルプリント基板(FPC)というものらしい。はんだ付けで修理する方法がいくつかヒットする。

難しそうだが、不可能ではないようだ。材料を揃えて挑戦してみることにする。

一応できた。

ケーブルは幅6mm、ピッチ1.2mm。はんだ初心者の私には厳しく、はんだが隣の線にくっついてしまって悪戦苦闘した。ケーブルをななめに切ればもっと簡単かもしれないが、コネクタ側の長さに余裕がなく、無理だった。余裕がないどころか補強板ギリギリで、コネクタにちゃんと差し込めるかどうか不安だ。

すったんもんだの末、正しく通電している状態にはできた。テスター必須。

セメダインで絶縁し、一日おく。

ワクの塗装

ワクは金属のカバーにがっちりくっついていて、ちょっと押したくらいでは剥がれない。

接着剤なら熱で取れるかも、と思って大鍋で煮ることにする。が、火にかける前に、水道のお湯に漬けた時点で剥がすことができた。

両面テープのようなものでくっついていたようだ。

タミヤのスプレー(パークグリーン)とクレオスのプレミアムトップコート(つや消し)で塗装する。

つや消しが強くて、成形色とは微妙に違う質感になったが、まあそういうものだろう。

ボタンの漂白

ボタンの黄ばみが気になったので、漂白できないか調べてみる。たぶんシリコンなので、この記事が参考になりそうだ。

ワイドハイターEXパワーを買ってきて、アルミホイルを敷いて漬ける。

日光の当たる場所で2日おく。

かなり白くなった。すごい!

ボタン上部は完全にきれいにはならず、黄色みが残った。

表面の黒い塗装まで剥がれたらどうしよう、という心配もあったが、大丈夫だったようだ。ただし芳香剤の匂いがかなり付く。

修理失敗

セメダインが固まったので、修理箇所が正しく動作するか確認した。

結論としてはだめだった

最初は4本中3本通電していたが、コネクタに抜き差ししているうちに通電しなくなった。やはり修理箇所がコネクタに近すぎて、差し込む時に力がかかって曲がり、接続が切れてしまうようだ。曲げ耐性のない修理方法なので、やり直しても同じだろう。

ジャンク品を待つ

方針を変え、ジャンク品のカオシレーターからパーツを取ることにした。

コネクタを外して銅線を直接はんだ付けすることも考えたが、それをすると、分解する度にはんだを外さないといけない。また、失敗したら、ジャンク品路線に切り替えることができない。

コネクタを生かしておけば、パーツさえあればはんだ付けなしで直せる。ヤフオクとかに張り付いて、安いジャンク品を待つのがいいだろう。

待てなかった

落ち着かなくて、ジャンクではなく完動品を買ってしまった。安めだったので。

持ってたやつより綺麗な個体が届いたので、それにカバーとワクを移植することにした。

ちなみに、ケーブルの外し方。矢印部分の出っ張りを両手で押すと、半外れ状態になる。そうしたらケーブルを抜く。全外れにする必要はない。これを知ってさえいれば……。

届いたやつのほうがボタンが綺麗だったので、漂白は無駄になった。

イェイ。

やりたいことはできたが、お金を失ったのと、完動品をこの世から一つ減らしてしまったことは失敗といえる。

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