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八段を目指す方へ高段者会の誘い

皆さんこんにちは
八段塾塾長のつかさです。

1月から、ネット碁五段〜七段格の方がさらにステップアップし八段格を目指すための会を開講します。
そこで、ネット碁五段〜七段格の皆さんへ向けたメッセージをお伝えします。

好きなだけでは、これ以上強くなれない
そんな高段者の皆様へ

高段者の皆様、こんにちは。アマチュア八段格、ひだまり副店長の高橋司です。
今回、今よりも強くなりたい、でも強くなるための方法が分からない!という皆様の声にお応えして、五段~七段の「高段者」のみを対象とした企画を打ち出すこととしました。

なぜ高段者に対象を絞った企画を打ち立てたのか?
それは、八段格の私(高橋)から見たところ、高段者の皆様が、「収穫逓減のワナ」に見事にハマってしまっているのではないかと考えたからです。

一般的に高段者というのは、かなりの時間と労力を囲碁に費やしてきた方々です。
囲碁を「好き」なだけでたどり着ける最高峰に、皆様は立っていると言っても良いでしょう。
碁会所に行けばほぼ必ず「あの人は強いんだよね」と噂される実力者であり、多くの人に対して、置石を置く立場にある。
それが高段者です。

しかしどうでしょう?
最近、上達のスピードが落ちていると感じたりしませんか?
勉強はしている、対局もしている、詰碁や手筋などの筋トレも忘れていない。
しかしこの数年、段位が変わっていない。
そんな高段者の方が世の中にはとても多いのですが、皆さまにおかれましても心当たりが少しはある現象なのではないでしょうか?

努力はしているのに上達しない。
これを、「才能」や「センス」が足りないせいだと思っている方もいます。
しかしそれは間違いです。
勉強時間を倍に増やせば、今より強くなれるはずだと思っている方もいます。
しかし方向性としては正しい面があるものの、それ以前の段階で大きな軌道修正を必要とする考え方です。前述した通り、「高段者」というのは囲碁が好きなだけでたどり着ける最高峰であり、おそらくこれを読んでいる皆様は囲碁の「才能」にも「センス」にも恵まれていたから、今日ここまで来れているのでしょう。

一般的に、努力と上達が正比例するのは、低段者の段階までです。
強くなればなるほど、努力に比して上達が遅くなります。
これを「収穫逓減の法則」と呼びます。
まだ伸びしろがあるはずなのに数年間段位が現状維持で止まってしまっている。
そんな悩みを持つ方がハマってしまっているのは、ほぼ間違いなくこれです。
「収穫逓減の法則」にハマると、多くの人はそれを努力で解決しようと思います。
もっと勉強しないと、もっと対局しないと、もっと、もっと・・・。
そうして徐々に疲弊し、いつしか自分は囲碁に向いていなかったんだと諦める。
もしくは、ここが自分の限界であると勝手に悟った気になる。
そういう人を、今まで何百人と見てきました。

違います。違うんです。
努力には、量と質の2つの側面があります。
低段者までは、努力の量だけを追いかけていれば何の問題もありません。
囲碁のやり方云々の前に、囲碁に触れる時間自体をそもそも増やす。
これで99%の問題は解決します。
碁石を触ってさえいれば、ぐんぐん強くなり、そうした期間はとても楽しいものです。

しかし、高段者になったならば、そして多くの人がそうであるように皆様が囲碁以外に仕事をお持ちの方ならば、「正しい質の努力」をせねば強くなるのは難しくなってしまいます。
無限に時間があるはずもなく、仕事があり、家庭があり、制約条件がたくさんあるなかで、それでも愛する囲碁においてさらなる上達を見せたい。
そう考えるならば、「正しい質の努力」を取り入れる以外にありません。

八段格を名乗っている私、高橋司にも、五段の時期がありました。また、七段の時もありました。
そして現在は八段です。
お気づきの通り、なんと六段の時期がないのです。
自分でも全く気付かぬうちに、あっというまに通り過ぎてしまいました。
客観的な視点で言うならば、一番棋力が急激に伸びた時期がこれにあたります。
通常、早い方でも五段から六段になるまでに数年、七段を目指すのであればさらにそれより長い時間をかけねばならないと言われるなか、私にはその時期の記憶すらないのです。

高橋はその時、何をやっていたのか?
大量の詰碁でしょうか?
常軌を逸したペースでの対局でしょうか?
それとも、一日十数時間にも及ぶ勉強でしょうか?
タネ明かしをしてしまうと、実は棋力向上の最も有力な要因となったのは、「強者との検討」でした。
この時期、私はとあるプロの方に弟子入りしており、師匠や同門の人間との対局、および検討に明け暮れていました。
五段から六段、六段から七段、七段から八段になるのに最も伸ばさねばならない能力は「大局観」ですが、そのほとんどがこの時期に培われました。

自分と同格、もしくはそれ以上の人間と打った碁を、ひたすら因数分解して、ありとあらゆる角度から検討していく。
こう打ったらどうなる?いやこんな手はどう?あーそれは気づかなかった。じゃあこうしてみよう。
対局のときに張り巡らせた思考の糸を、一本一本たどっていく。
盤面には決して現れなかったいくつもの選択肢を俎上に載せ、喧々諤々の議論を繰り返していく。
「大局観」とは、そうやって培われていくものです。

高段者研究会では、「強くなりたい『けど...』」と感じている方を求めています。
・強くなりたいけど、もうそろそろ頭打ちかなと感じている方。
・どうしても今まで通りではこれ以上強くなれないなと感じている方。
・ここから先はどう勉強したら良いか分からないと感じている方。
・学ぶ場がないと感じている方。
・どうしてもどうしてももっと強くなりたい方。

ひだまりでその思いを解消しませんか?
高段者研究会では、3つの強くなるための試みを実施します。
1、 八段格の高橋による30分〜1時間程度の講座:五段、六段、七段を超えて八段格にたどり着くために必要な要素について、講義を行います。
2、 五段〜七段までの混合リーグ戦:全局棋譜を付けて共有します。
3、 検討、検討、また検討:前述の通り、それらを徹底的に因数分解します。
高段者に必要なのは、高段者。互いに切磋琢磨し、全力でぶつかり合い、さらなる高みをめざしましょう!

研究会情報
日時:毎月第2土曜日
場所:カフェと囲碁 ひだまり
参加費:5000円
参加方法:店舗またはつかさまでご連絡ください!

高橋司プロフィール
2005年 中学3年で囲碁を始める、1カ月で初段になる
2006年 アマチュア五段になる
2007年 アマチュア六段を飛ばしてアマチュア七段
2009年 全国高校囲碁選手権団体戦優勝・個人東京都代表
2018年 アマチュア八段 アマチュア本因坊戦東京都代表
2019年 ネット碁野狐九段

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