イラスト・漫画はクリスタ一択。ただし将来を見据えてフォトショの学習も推奨
ここ数回にわたって検討してきたCLIP STUDIO PAINTとPhotoshopの比較と使い分けについて、一応の結論が出たのでそのまとめ。
(約 4,300文字の記事です。)
クリスタとPsの違いは明らか
今回の一連の実験はあえて先入観を持たない状態で自分の体験のみで両者を比較した。そしておよその手応えというか自分なりの結論を得たので、今度は客観的にネットでその違いを情報収集してみた。
上から順に5つほどサイトを眺めればその概要が分かる。そしてほとんどは自分が出した結論と同じ。
クリスタの強み
デジタル完結(RGB)の仕上げのイラスト
漫画(コマ割、複数ページの扱い)
線画が重要なイラスト(ベクターレイヤーの線の取り扱い)
3DCGオブジェクトを下絵に使える
黄色+青=緑の自然混合色にV2.0から対応
Psの強み
写真レタッチ全般(修正、加工、エフェクト追加)
デザインとレイアウト、文字入り表現
Web用の素材作り
CMYKなどの印刷前提の加工
色んな業界で標準的なPSD
ただし写真加工においてはPsは最高のツール。レタッチやエフェクト追加、文字のレイアウトデザインもこなせるのでチラシやWeb素材作りには必須のツール。また最近では写真をレタッチしてイラスト背景に使うためのノウハウ本もたくさん登場している。分かり易い例だと新海誠作品のような表現を実際の写真から加工するテクニック集だね。
なのでPsは原点回帰を貫いていて、写真加工に特化している。これは10年前の古い感覚でいると面食らう。
相手の強みが各自の弱点
そしてクリスタもPsも弱点はだいたい「相手側の強みの鏡映し」状態だ。
線画に特化したお絵描きツールとして進化したクリスタは、紙面デザインや文字を扱うレイアウトに弱いし、CMYKの印刷用途にも特化していない。むしろRGBのまま扱うメディアに適している。
そしてPsは写真レタッチ街道をひた走る。フォントとレイアウトの扱いに強く、PDFや印刷用途に向く。またかつてあった3DCG対応を切り捨て、自然混色には非対応を貫き、とにかくラスターデータの1ピクセル集団を効率よく取り扱うための「範囲選択、マスク、ブラシ」に特化している。
なのでクリエーターにとっては両者を使えることはかなりの強みになる。プロのイラストレーターであればこそなおさらPsも使えるようになっておきたいと思うのは必然だろう。仕事のカバー範囲が広がる上に、不足部分の学習も「何が足りていて何が足りないか」が分かりやすい。
知識のアップデート
3DCGのテクスチャと言えばPsというイメージでいたし、実際にサブスタンス3DペインターはAdobeに買収されたこともあってPsとの連携はばっちりだ。
だが線画を除いたとしても、塗りの1点を考えてみてもPsでブラシで塗るというのは、クリスタの塗りとどう違うかといえば、塗りにくさだと感じた。とにかくPsのブラシは「色塗り」用ではなくて範囲選択用なのだ。そしてどう変化させるかはAIを利用することを主としている印象。どんどん「人の作業やセンス」に依存しないブラシ開発を進めている印象。
3DCGのテクスチャ、塗り作業ならば?
ってことは3DCG分野でもテクスチャを「塗る」ならば、クリスタでいける「ことになる」のでは?と、最初の疑問に対して一周回ってスタート地点に戻ってきたのである。
確かに、もしサブスタンス3Dペインタースタートでテクスチャを塗ったならば、殆どの場合はリアル系素材なのでどちらかというと写真加工に近い。ランダムな錆びや汚れ、これを微調整するのはクリスタよりもPsなのは明らか。
だがアニメチックな塗りのテクスチャの場合、逆にクリスタでも塗れるし、グラデなどの表現だけならばPsである必要はないので、より直感的に塗れるクリスタで修正したほうが、というか「クリスタでもいける」のでは?と。
最初の疑問に対して一周回ってスタート地点に戻ってきた 2nd.
そして私が将来的に予定している一次創作ではリアル系モデルではなくてどちらかというとトゥーンシェーダー用のキャラになるので、ベタ塗り系がほとんどだ。となると、あれ?クリスタでよくね?
🤔
あれ?クリスタならば今の時点である程度使えるぢゃん?なので今から実務で使うならとりあえずクリスタで塗ればそれでおしまいでは?
Psは将来的に写真加工で遊びたいので
なのでPs狂想曲はここで終了。ただしPsについては1枚絵としてCGを仕上げる際にもエフェクトを追加する際に役に立ちそうだし、リアル背景からイラストチックに仕上げる学びも楽しそうなので将来の勉強材料として取っておきたい。
なのでPsについては今日からがむしゃらに集中学習するのではなくて、生涯学習の一環として毎日少しずつコツコツ勉強して触って遊んでいくという学習教材に変更することにした。
【結論】線でも色でも「塗るならクリスタ」
何かを塗るつもりなら、クリスタを主としていいと思った。逆に写真加工と文字を扱うレイアウトやデザイン、印刷ベースの何かならPsが必修。そして当然ながらクリスタオンリーよりもクリスタ+Psを使えるクリエーターのほうが色々と有利。Psを学ぶ上で身に付くCMYKやデータ入稿周りの業界常識、クリスタとPsを往復させる上での注意点などなど、クリスタオンリーだけでは知り得なかったたくさんの世界の広がりを感じられると思うので。
そして何よりも「2DCGの静止画1枚絵データの取り扱い」ではPsは業界標準の1つであることは疑いようのない事実なので、知らないよりは知っていたほうが「話が早いプロ」になれる。なのでよほどイラストレーションで突き抜けていける自信と実力がない限りは、どこかで時間を確保してPsをかじっておいた方がのちのち色んな役に立つだろう。
Ps狂想曲の終了
というわけで1週間近く続いたPs狂想曲は本日で終了。今後将来的にサブスタンス3Dペインターで色々やらなければならなくなったときにPsをサクッと使えるように知識のメンテを続けておく「ホットスタンバイ」状態にしておこうと思っている。
なのでボチボチ3DCG関連の執筆に戻る予定で~す。🍷
編集後記
今回のPsのnote日記を振り返って感じたこと。こういう試行錯誤中の日記は情報的価値が低い割に執筆時間が取られる。
なので今後はnoteの毎日更新はいったん終了にする予定。UpNoteに日々の感想や情報源をメモして、ある程度の成果や結論が出てから記事にまとめようと思う。
なのでもしnote更新をしても、恐らくは中身の薄い「書きたいように書くだけ日記」に戻る予定です。書き散らかすだけのnoteは30分もあれば十分だし満足できるが、検討内容が増えるとあっという間に1.5~2時間クラスになるので時間がもったいない。
なので普段の駄文日記に戻るか、あるいは数日おきの投稿に変更する予定で~す。
今回の創作活動は約1時間30分(累積 約3,769時間)
(1,027回目のnote更新)
読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊