Adobe ExpressとCanvaを比べた(2024年5月版)
私はAdobeのコンプリートプランサブスク中なのでAdobe Expressを使うことが確定している。だがAdobe Expressを調べるうちに先駆者たるCanvaが出てきた。気になったので無料アカウントで触ってみて両者を比較した。
Canvaは無料アカウントを使ってみた
Adobe Expressは有料アカウント(コンプリートプランに付属)
というのもCanvaとAdobe Expressを比べた他者のブログ記事は2023年以前の記事が多く、Adobe不利の記事が多かったため。2024年に入ってベータ版からリリース版になったAdobe Expressでは、以前できていなかったことができるようになっていて、Canvaに近づいているという印象。追い上げてきている。
(約 4,400文字の記事です。)
細かい違いはWebで調べてね。
サブスク金額とかストレージ容量とかの細かい条件はウェブを調べればすぐに出てくるのでそちらをご覧下さい。なので割愛。使い勝手とその感想について描いていきます。
編集機能はCanvaが少し上かも
先駆者の地位がCanvaにある。一日の長がある分、Canvaのほうが少しだけ使いやすい。全体的には両者に違いはほぼない。個性の違い程度。強いていえば、
Canvaのレイヤー構造を常時表示できないので一手間かかる
Adobe Expressの画面にはズーム調整のバーがない分だけスッキリ
両者とも業界標準のホットキーは普通に使える
ほとんどそっくりといっていい。Canvaを模倣してAdobe Expressが追い上げてきたという印象だ。
両者でできる同じことがほとんどかぶる
背景の自動切り抜きだとか、整列だとか、ほとんど両者で違いがない。どっちを使ってもほぼ同じという印象だ。だから好きなほうを使えばいいと思う。
それで終わってはつまらないので、ここからは両者の違いを私なりの視点で斬っていこうと思う。
Canvaのいいところ
日本語フォントが充実している
スペック上ではAdobe Expressのフォント数が圧倒的に多いはずだが、日本語フォントに関してはCanvaのほうが充実していると感じた。(というよりもAdobe Expressの日本語対応フォントの数のほうがかなり少ないと感じた。)手描き風の日本語フォントが充実している。素朴な味わいのフォントも多い。
フォントは初めて読み込むフォントの場合のみ10秒ほど待たされるが過去にロードしたフォントは即座に切り替わる。
縦書きできる
Adobe Expressは現時点では縦書きができないが、Canvaならば縦書きボタンがある。クリック一発。
曲率を変えた円に沿って文字を配列可能
真円だけでなくて楕円のような横長、縦長のカーブに沿って文字を配置できる。Adobe Expressは真円のみ。
お絵描きができる
蛍光ペンやマジックペンなどで落書き、手描きが可能。これもAdobe Expressにはない機能。
部分的なぼかしを入れられる
エフェクトでぼかしを使うとブラシで部分的なぼかしを入れられる。画像全体にも適用可能。Adobe Expressでは画像全体のみ。
Canvaのイマイチなところ
袋文字+影を同時に使えない
袋文字はアプデで使えるようになったらしいが、ドロップシャドウを同時に使えない。袋文字 or ドロップシャドウ付きの普通の文字の二択だ、現状。対してAdobe Expressでは普通に両方を混在可能。
1行内の一部のフォントのサイズや種類を変えられない
Canvaではフォント情報は1ブロック内の文字の全てに共通で適用される。なので1行中の途中のフォントの種類や大きさを変えられない。Adobe Expressでは普通にできる。
Canvaがアプデでこれができるようになるかどうかは不明。
画像の色調整範囲がやや狭い
まぁ微調整程度なので実用上は問題ないだろうが、意外と大きな調整ができない。弱点という程ではないが、一応。
画像のフィルターはあまり役に立たない
数が多い割には思ったほど実用的じゃない。
【Canva】非クリエーターならば第1候補
あまりこだわらずにサクッと作って終わらせたい、という非クリエーターであって、本業が別にあって忙しい初心者クリエーターはCanvaでいいと思う。特にデメリットを感じない。
Adobe Expressの場合
いいところ
英語フォントが充実(日本語フォントは、う~ん今は微妙)
PhotoshopやIllustratorと連携できる
Adobe Stockの写真が使い放題【後述1】
打ち込んだテキストでフォントのプレビューが見られる
1行目と2行目をワンブロックに押し込む「ダイナミック」というテキストレイアウトが優秀
AI技術を盛り込んでいる【後述2】
イマイチなところ
日本語対応フォントが少な目
円形に沿わせる場合は真円しか使えない
画像加工は写真全体に対する操作しかない(例外は背景削除くらい?)
お絵描き機能などもない
【Adobe】プロは使い分ける
アドビコンプリートプランやPhotoshopまたやIllustratorのサブスクしている人は皆まで言わずとももう答えを出しているだろう。そういう人はプロまたはハイアマチュアなクリエーターなので、Adobe Expressを既に使っているか、あるいはAdobe ExpressとCanvaを両方使っているか、場合によって使い分けているかだろう。
クリエーターならば「道具」を状況に応じて使い分けるのが当たり前なので、ま、これを読まずとも答えを各自で出していると思う。
結論はここまで。ここからは私のAdobe Expressの強みだと思う点を解説。
Adobe Stockの写真品質が圧倒的!
まぁ当たり前といえば当たり前。Adobe Stockの写真素材がAdobe Express有料版では使い放題。その写真品質はずば抜けて凄い。質も量も半端ない。ここはAdobe Expressの強みだ。商用で使う前提の写真素材ばかりなので、品質が高い。これを使いたいがためにAdobe Expressを選ぶ価値は十分ある。
とにかく写真品質が凄い。無料アカウントで試しに色々と検索してみれば分かる。どの写真もすぐに使える品質、ライティング、レイアウト、センス抜群。
AI機能の実装中、将来的にも拡張される
現時点でもAdobe FireflyというAI画像生成機能がAdobe Expressにはある。またPhotoshopで培われた画像認識機能の品質の向上も十分有り得る。写真レタッチなどの技術はずば抜けているのでそういう機能がどんどんとAdobe Expressに実装されることは有り得る話。
そして今日現在の新機能として、テキストボックスの言語を指定言語に一括して変換してくれる「マルチリンガル」に対応した絵を複数出力できる機能。
これは日本語から英語とフランス語に一発で出力させた例だ。翻訳ボタンワンクリック、あとは英語と仏語を2回クリックして、翻訳ボタンをクリックでど~ん。これは例えば飲食店などで画像付きメニューを作る上ではかなり時短できる機能だと思う。
将来的に色々やりたいならAdobe Express
なんといっても後ろにはPhotoshopやIllustratorが控えている。なのでAdobe Expressでできないような細かいことはPsやAiに任せられるという、将来的な伸びしろをきちんと確保できるのがAdobe Expressの強みだ。
対してCanvaはサクッと気楽に絵を作って終わらせたいというライトユーザーに訴求するスタイルだ。両者は少しずつ進路が違っている。なのでどちらが上かという議論よりも「あなたは将来的にクリエーターになりたいのか否か」で決まると思う。今作りたい絵が何かの目的のための「手段でしかない人」にとってはCanvaは魅力的なツールだろう。
それに対して将来的にクリエーターになりたいならばPhotoshopやIllustratorのAdobe CCをサブスクするだろうから、そのサブスクではAdobe Expressの有料版が含まれるので自然とAdobe Express「にも」手を出すことになるだろう。それで不満ならばCanva有料版も検討するだろう。
Adobeのサブスク者でAdobe Express有料版が使えるならば、例えばPs+Adobe ExpressでCanvaでできることは全て網羅できてしまう(まぁ当たり前)。なのでCanvaを検討するよりもAdobe Express+Psの連携スキルを高めたほうが市場価値が上がるので、プロは理由がなければCanva有料版をサブスクしないかも知れない。予算次第。
【結論】Adobeサブスク者はAdobe Express
というわけで色々とCanvaとAdobe Expressを比較しましたが、Adobeコンプリートプランサブスク中の身としては、Adobe Expressで行きたいわけです。Adobe Expressの限界と、不足部分をPsで補うスキルのほうが長期的に見て自分のプラスになるという判断。
またAdobe Stockの良質な写真の多さ。これだけでもAdobe Expressを使う価値があると思います。
今回はこれで終了。
今回の創作活動は約1時間45分(累積 約3,810時間)
(1,065回目のnote更新)
読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊