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Udemyでの学習者目線で、講師を目指す人へのアドバイス

私の最近の学習媒体として有料動画教材のUdemyが増えてきた。以前は主に書籍だったが、PhotoshopやPython+PyCharmなど、ソフトウェアを使う学習では動画の方が情報量が多く学びやすいことに気が付いた。もちろん書籍には書籍なりのメリットはあるのだが、今回はそんなUdemyで色々学んでいて気がついたことのメモ。

最近ではUdemy講師を目指す人も増えてきたようなので、一人の受講者としての感想や意見をここに残しておこうと思う。

特定の講師への意見ではありません。この記事は恐らくは普遍的な「受講者としての講師への要求」になると思います😊参考になれば幸いです。

(約 4,200文字の記事です。)



Udemy講師はレッドオーシャンになりつつある

そもそも「動画で何かを学ぼう」として、YouTubeではなくてお金を払ってでも情報を買いたい人が受講者なわけなので、受講者の「情報に対する要求の高さとシビアさ」これは結構きつめだと思った方がいい。受講者は身銭を切って情報を買うのだから、ダメだと思ったら容赦ない評価が下される。

また本当に30日以内ならばサクッと返金してもらえる。特にUdemyで次回使えるポイント「Udemyクレジット」返金なら1分以内に返金される。そしてこれはたまたまかも知れないが、9割以上視聴済みであってもなぜか返金対応してもらえた場合もあった。(毎晩寝落ちでiPhoneアプリがどんどん自動再生されていて視聴が進んでしまった。だがガチで視聴すると全然だめだったので恐る恐るUdemyクレジット返金を申請したら通った。)


受講者は容赦なく返金申請というカードを切ってくる

受講者の私も、Udemyクレジット返金(ポイント返金)ならば緩い?ということが分かったので、セールで買うだけ買って視聴してみて、どうしてもダメだと思ったら返金申請することにした。以前は迷っていたが、今は迷わないことにした。

返金ポイントで次回のセール時に同じカテゴリの「よりよい講師の講座」を受け直した方が時間効率、エネルギー効率がいいからだ。タイパ、コスパがいい。

これを書くきっかけになった、Gitの教材、半分くらい学習したがどうにも「ムダに冗長、ムダに繰り返し、ムダにファイルの中身をターミナル上で確認」に時間が取られていて、学習時間に対する中身の薄さが我慢できずに返金した。内容が辞書的すぎて、確かに網羅しているかもしれないが「実際の現場ではどうなの?」が分からず、これは完走しても何も手元に成果が残らないな、と判断したため返金処理。


受講生の時間はタダじゃない。

もちろん講師も、内容を練り、動画撮影し、編集し、たくさんの時間とエネルギーを費やして1つのコースを作っていると思う。そこに値段を付けて売ったら何本売れてトントンなのか?利益が出るのか?を考えると、本当にUdemy講師で利益を出していくことは厳しい道のりだと思う。

コースには値段がある。そりゃまぁ当たり前。だが忘れないで欲しい。

受講生もまた「視聴時間」を費やして動画を視聴している。学習終了までの総時間数、これを時給1,000円だとすると、多くの受講生がそのコースの学習終了までに数万円相当の時間的投資をしていることになるだろう。

例えば10時間のコースを10時間の視聴で終えられる人はほとんどいないだろう。仮に1.5倍速視聴などの効率化を進めても、動画を止めて自分の手で作業をして内容をかみ砕いて吸収する時間も必要だ。だから倍の20時間は必要だろう。例えコースを1,500円で買っても、実際に支払うコストは2万円相当になる。

となると受講者にとって重要なのは「効率的な学習ができるか否か」なのだ。巻き戻しややり直しが必要なく、一発で事象を理解できて次に生かせる知識、これが欲しい。なので丁寧で分かりやすいこともそうだが、ムダが少ないこと、冗長でないことなども重要。

コース内の情報の質と量、分かりやすさ、必要十分か?

また情報の質も重要になる。YouTubeやWeb検索、はてはChatGPTで数分で手に入る薄っぺらい情報はUdemyに期待していない。(あっても困らないがそこがメインじゃない。)当然ながらコースを視聴しているときに手を止めてWeb検索が必要になるようなコースは、返金候補にになっていくだろう。そこも含めて丸ごとコース内に含まれていないと「上から下に一発で理解」ができないのだ。


動画をある程度進めてみないと分からない

私も今まで十数本のコースを受講してみたが、これらのバランスがいい講師のコースは「別のコースでも受けたい」と思う。

だが逆も多い。購入前のプレビュー動画では「丁寧な解説で分かりやすい」と思っていたが、実際に受講するとムダに繰り返しが多くて冗長だった、というパターンもある。

プレビュー動画では核心を突く解説だったが、実際に受講すると与太話が多すぎて肝心の中身が薄っぺら、といパターンもある。

あるいはコースの内容が1つずつはよく分かるのだが、最終的に後半戦に入っても「結局なんなんだ?」が分からないパターン。辞書的な、網羅的な解説コースはこれが多い。実際の使い方や運用方法パターンが見えないので、ソフトウェアの取説を読んでいるイメージ。要するに受講者の血肉にならないパターン。受講後の満足度が低いのは間違いないし、返金候補に入る。

結局、受講者にとってみれば、セールで買って受講してみて、ある程度の満足感が得られればそのまま購入済みとし、1ヶ月以内で不満が出てきたら即返金して別の講師のコースを買う、あるいは別ジャンルの教材の購入費に充てる、ということができる。だから講師からすれば利益確定までは、売上本数だけでは安心できないということだ。


めっちゃ売れる講師か、低空飛行かの二択

Udemyを見ていて分かったのだが、受講生が数万人もいて、評価人数が数千人、評価4.5以上というコースは、はっきり言って強い。私もコース選択時にそれらをまず検討する。

とはいえ、今回返金したコースはそういう条件は満たしていたのだが、合わなかったのだ。

逆に受講生はそんなに多くないものの、評価が4.8以上だったりすれば、これも「次の候補」として検討する。今回再購入予定のコースは日本語講師なので英語講師よりも受講生の数は少なくなるが、評価が4.9だった上にプレビューでもよさそうだと思ったから。

次のセールにて。今はまだ積みゲーならぬ積みUdemyがあるので。Tkinterの学習も進めないと。


確実な評価を長年積み重ねないと厳しい=振り向かれない?

やっつけ仕事で公開した動画に「長年、高評価」が付き続けるとは思わない方がいい。受講者は自分の時間を費やして受講するのだから、それ以上のリターンがないと振り向いてもらえない。まして講師がやっつけ仕事で作った動画など「それはYouTubeで無料なのが相場でしょ?」となる。そうなると娯楽として視聴する動画ならばいいが、自分の時間を費やして自分の血肉にしたいと思っている受講者からすれば、魅力の低い動画ということになってしまう。

そういう新人講師が何千、何万人といた所で、受講者が選ぶ講師には入ってこない。上記の「長年の高評価の積み重ね」のある、安定した鉄板講師、鉄板コースをまず選ぶことになる。そこに食い込むことは、かなりのレッドオーシャンだろう。

レッドオーシャンを生き抜くためには、ずば抜けた「何か」がないとだめだろう。ただしここで問題になるのはYouTubeのようなエンターテイメントではない、つまり娯楽目的ではない人の方が多いだろう、という点。なので「面白さ」という軸は不要だろう。

むしろ、コスパ、タイパ、専門性、簡単には手に入らないノウハウなどなど、実用性がどれだけ高いかにかかってくる。そうなるとこれまた「やっつけ仕事で仕上げた動画」は、どれにも引っかからない。まして素人講師が「やってみました系動画」など、相手にされないだろう。それは無料でYouTubeでどうぞ、ってことになる。

繰り返しになるが、受講生は身銭を切って自分の時間とエネルギーという資源を消費した上で受講している以上、コースの評価に妥協はない。シビアな結果しか返ってこない。


【結論】「受講者が視聴に費やしたコスト」以上の何かを与えられる動画になっているか?

つまりは受講者は、コース代金+受講時間1時間あたり1,000円という資源を消費しながら、そのコースを受講している。この視点を講師は忘れないでほしい。

例えば3時間のコースで1,500円販売だとして、4,500円以上の価値を受講者に提供できているならば、それは返金もなく利益確定になるだろう。だがそうでなければ容赦なく返金申請され得る。

講師がその3時間の動画にどれだけの情報的価値を詰め込めるかが鍵になる。3時間の動画に仕上げるまでの仕込みは、6時間で足りるか?多分足りないと思う。3倍以上の準備は必要だと思う。

高い専門性が第一の難関かも

あるいは既に過去の実務経験として何十年も積み重ねたノウハウが既に身に付いている講師の場合は、即撮影と編集に入れるから有利だろうが、そうでない人はそのバックグラウンド部分の調査や検証に時間がさらに必要だ。そうしないと質の高い情報にならない。質の低い動画では受講者に振り向いてもらえないか、返金候補に入ってしまう。

なのでもしかしたらUdemy講師を目指すなら、自分を支える高い専門性の構築、まずはそちらが先かもしれない。動画編集と解説テクニックは平行して高めればいい。

そうしないといつまで経っても「薄っぺらい動画」のままだと、抜きん出られないか返金ループから抜け出せないかもしれない。なお返金申請する受講者が講師を「高く評価する」とは思えないので、結局は「低い評価を返金ループで集めるだけ」という負のスパイラルすら有り得る。


これからUdemy講師を目指す人は、作戦をよく考えた方がいい。抜きん出られる要素よりも、埋もれる要素のほうが遥かに多いという問題。


受講生によって取捨選択されるのがUdemy講師。選ばれるか、選ばれないかは講師次第。シビアに競争社会だと思う。Udemy。受講生から見れば色んな良質なコースが手ごろな価格で手に入るので嬉しい限りだが、講師を目指す人にはなかなか厳しい世界。レッドオーシャンと言ったのはそういう理由。

これからUdemy講師を目指す人は、頑張って下さい。

私は受講生の側でいいや。😱


今回の創作活動は約1時間(累積 約3,885時間)
(1,132回目のnote更新)


読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊