『22世紀の民主主義』成田悠輔
『22世紀の民主主義』成田悠輔 読了。
うん、面白い。後書きで本人が「とはいえ、この本はちょっとただのビジョンすぎる気もする。だが、そんな21世紀の人類っぽいことは言わないでほしい。」とある。ひろゆき氏と並べて売られてしまう傾向がある成田氏だけど、彼はいたってまともな研究者である。
ここ最近、どうして「民主主義」という言葉が取り上げられるのか?というか、民主主義ってなんだ?(これだ!などと言わない。何年前だよそれw)
成田は本書で「無意識民主主義」を提唱している。
直接は見えない民意を様々なセンサーから読み取ってその平均やアンサンブルを取る。だが、様々なチャンネルを融合して平均を取ることで、その歪みを打ち消せる。
成田が言うように、現状の政策を決めているのは後期高齢者である政治家。政策が目に見えて効果を出すかどうかわからないけど、それが反映された世の中になるのは数10年後。失敗だったとしても今政策決定をした政治家はその頃にはとっくに亡くなっている。
政治100年の計 など考えもせずに保身に走る政治家ばかりの世の中だ。そんな政治家に任せるのならアルゴリズムに頼った方がいい。正解はいつでも多数決の多数にあるのではなく、少数の中のほんの一握りの声にあるのだと、ずーっと前から思っている。
いろんなところでいろんな人が民主主義とかを語っている。選挙が民主主義を反映しているとはまったくおもえなくて、それでも選挙制度を変えたりとかなんだかんだ言っている。でもそれは議会で変えるしかなくて、そんな自分が失職してしまう方法を自分たちが採るわけがないことをどうしてわからないのだろうか?
金がなくなれば増税。防衛費を上げたければ増税。副業を推進しながらインボイス制度。車で走った分だけ課税。江戸時代かよ?
かつての民主党政権を失敗だというひとが多くいる。でも、考えてみたら?55年体制で末端まで腐りきった世の中をたかだか数年で軌道修正できるとおもうのか?2大政党制が日本に根付くとは思わないが、政権交代を定期的にしなければ軌道修正などできるはずがない。どれだけ民主主義を謳っても永田町の中ではその言葉はきっと禁句になっているんだろう。裏書きにもあるように革命が必要なのだ。
でも、おれはラテを選ぶかな。
今月末、ゲンロンカフェで成田さんと東さんの対談がある。
それがなければこの本を読むこともなかった。ものすごく楽しみにしている。
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