【SD】2022年パドレス開幕戦力分析
ハァー誠也も無ェ クリス(ブライアント)も無ェ 予算もそれほど残って無ェ
外野も無ェ 抑えも無ェ タティスはバイクでごーろごろ
当note執筆で毎回もっとも時間と労力がつぎ込まれているのは実はこのあっても無くても良い枕の部分で、しょうもない冗談やダジャレやホズマーをおちょくる新たなアイデア捻出に毎度苦労するわけだが、開幕も差し迫っておりすっかり手垢のついた「おら東京さ行くだ」の替え歌フルコーラス作詞には時間を割けない。スキボタンを押してくれる20‐30人/記事という微妙に生々しい数の読者諸氏には申し訳ないが早速本題に入ろう。詳細はnoteのやり取りだけだと細かいニュアンスが抜け落ちるから電話で説明させていただきたい(何か見た)。
先発投手
以下成績はFangraphsのZiPS DC2022年予測。☆は今季新加入。
ダルビッシュ有(右)10勝8敗, 3.87ERA,184IP, 10.16K/9
ジョー・マスグローブ(右) 11勝9敗, 3.51ERA,175IP, 9.96K/9
ブレイク・スネル (左)9勝7敗, 3.67ERA, 145IP, 11.45K/9
☆ショーン・マナイア(左)12勝9敗, 3.68ERA, 179IP, 9.04K/9
☆ニック・マルティネス(右) 8勝6敗, 3.79ERA,131IP, 8.86K/9
怪我人リスト入り先発投手
15日IL見込み
マイク・クレビンジャー(右)10勝6敗, 3.45ERA, 144IP, 9.85K/9 (ひざ痛)
60日IL
エイドリアン・モレホン(左) 2勝2敗, 3.72ERA, 16IP, 11.17K/9(2021年4月トミージョン手術)
今季パドレス最大の強みは先発投手である。昨年も同じ様な話を書いて現実にはけが人続出で後半戦コマ不足に陥り出涸らしベテランFA(ジェイク・アリエータ、ビンス・ベラスケス)を起用し防御率のインフレを招いたが今季の方が層は厚く、DCでMLB30球団中5位である。昨年マスグローブ以外の投手はそれぞれの故障により一年を通してローテを守る事が出来なかったので、元ソフトバンクホークスのマルティネスとアメリカンリーグ最多タイ32試合先発登板のマナイア加入は心強い。
5番手はクリス・パダック(4勝3敗, 4.05ERA,50IP, 8.95K/9)の可能性も十分あり得るが、彼にはトレード放出の可能性とマイナーオプションが残っているためマルティネスを置いた。先発ローテ6人制も考えられるが、どちらかが調整遅れによりシーズン序盤に長いイニングを投げそうにないスネルの後を継ぐロングリリーフを務める選択肢もある。
(4/8追記。パダックはエミリオ・パガンと後日発表選手と共にミネソタへトレードされた。詳細は後日別途)
もし上記のローテーション投手が欠場を余儀なくされた場合の代役はマッケンジー・ゴア(2勝2敗, 4.76ERA,34IP, 8.28K/9)とライアン・ウェザース(1勝1敗, 5.06ERA, 17IP, 6.59K/9)二人の若手左腕だ。
過去2年フォームを崩した元MLBトップ左腕プロスペクトだが、チームを離れアリゾナで調整後は肘を畳んだテイクバックに変更し復調の兆し。またシーズン終了後はルーベン・ニエブラ新投手コーチと集中トレーニングを行い、今春キャンプでは自己最速の99mphを記録。マナイアの加入により開幕ロースター入りは難しそうだが、そう遠くない時期に末はハメルズかカーショウかと噂されていた大器は満を持してメジャーでマウンドの土を踏むだろう。(4/7追記: ゴアはAAAへ配属)
ウェザースは既にAAAに送られている。昨年後半にコマンドが見ているこっちの血糖値が高くなりそうなほど甘くなり、大谷翔平の球宴ホームランダービーの打撃投手にウェザースを推薦すべきだったのではとすら思えたほどだった。しかしまだ22歳と若くロングリリーフ起用で騙し騙しメジャー登板させるより、少なくとも今季序盤はマイナーでしっかり先発として育成した方が本人とひいてはチームの為になるだろう。
リリーフ投手
☆ ︎テイラー・ロジャース(左)67Game, 2.59ERA, 13Hold, 24Save, 67IP, 11.28K/9(MIN前提)
クレイグ・スタメン(右)64, 3.47ERA, 13Hld, 0Sv, 64IP, 8.16K/9
ティム・ヒル(左)61G, 3.51ERA, 12Hld, 0Sv, 61IP, 8.95K/9
ピアース・ジョンソン(右)64G, 3.74ERA, 13Hld, 3Sv, 64IP, 11.39K/9
☆ロベルト・スアレス(右)60G, 3.48ERA, 8Hld, 10Sv, 60IP, 9.44K/9エミリオ・パガン(右)62G, 3.51ERA, 13Hld, 3Sv, 62IP, 10.77K/9 ツインズへトレード
オースティン・アダムズ(右)56G, 3.53ERA, 6Hld, 2Sv, 56IP, 12.36K/9
ディネルソン・ラメット(右)58G, 3.79ERA, 7Hld, 9Sv, 58IP, 11.09K/9
スティーブン・ウィルソン(右)14G, 3.57ERA, 1Hld, 0Sv, 14IP, 11.91K/9
怪我人リスト入りリリーフ投手
15日IL見込み
☆ルイス・ガルシア(右)(わき腹痛)54G, 4.70ERA, 4Hld, 1Sv, 54IP, 9.59K/9
60日IL
ドリュー・ポメランツ(左)(屈筋腱手術)58G, 3.51ERA, 1Hld, 5Sv, 58IP, 11.31K/9
ミチェル・バエズ(右)(2021年3月トミージョン手術)予測なし
先発とは対照的にリリーフは若干層が薄い。DCでMLB30球団中10位。昨年NLセーブ王のマーク・マランソンがアリゾナにFA移籍し、ポメランツの復帰は6月下旬頃と見込まれるため、現時点でクローザーが決まっていない。新加入のガルシアも開幕はIL。候補は昨季一発病に苛まれるも新球種スプリットを習得したパガン、昨年阪神タイガースで絶対的な抑えだったスアレス、その次に同じく元阪神のジョンソンというところか。(4/8追記: ツインズから外野手ブレント・ルーカーと現金と共に獲得した左腕テイラー・ロジャースが抑え候補の筆頭に)
昨年上腕の炎症等で4度のIL入りを余儀なくされたラメットは開幕をブルペンで迎える。被打率.158のスライダーは抑えの武器に有効そうだが、リリーフ転向でいきなり抑えを任せるのは若干荷が重いか。ST戦での登板は4回とも1イニングのみ。
今季自身初の40人枠入りを果たしたウィルソンの代わりナビル・クリスマット(22G, 4.41ERA, 1Hld, 0Sv, 54IP, 8.64K/9)とハビー・ゲラ(16G, 4.36ERA, 1Hld, 0Sv, 16IP, 8.05K/9)あたり。ロングリリーフを任せられるクリスマットは監督にとって有り難いが、マイナーオプション切れのゲラがパドレスのユニフォームを着ている日々はそう長くないかもしれない。昨年UCL挫傷を患いトミージョン手術は回避したものの、100mphシンカーとスライダーの制球が未だに覚束ない。ただオープン戦で4登板中3試合は無失点に抑えている。
トミージョン手術上がりの左腕ホゼ・カスティーヨ(予測なし)は「パドレスには借りがある」とマイナー再契約。今月中にライブ打者相手に投球を始める予定。
捕手
オースティン・ノラ(右)104G, .256AVG, 9HR, .721OPS, 1Stolen Baseビクター・カラティニ(両)ブリュワーズにトレード(後述追記あり)
☆ホルヘ・アルファーロ(右)78G, .239AVG, 8HR, .660OPS, 6SB
ルイス・キャンプサーノ(右)16G, .242AVG, 2HR, .709OPS, 0SB
今週末レギュラーシーズンを迎えるのにまだ外野手より多い(4/7追記: カラティニ放出、キャンプサーノはAAAへ)。そして誰も突出していないので、Depth Chart予測はMLB30球団中20位だ。捕手3人の時点でどうしたものかとファンは物議を醸していたが、ニック・マルティネスやプロファー同様A.J.プレラーGM総合プロデュースアイドルグループ元TEXプロスペクト坂46のメンバーであるアルファーロ(自らを外野手ではなく捕手と主張)をトレードで加入した際には、アダムズの暴力スライダーを後逸しないために捕手二人制シフトを敷くのではなかろうかと邪推させられた。
おそらくはキャンプサーノかカラティニを放出し外野手補強トレード要員の足しにしようと試みたのだろうが実現には至らず現在に至る。このままなら正捕手はノラ、キャンプサーノはAAAで開幕だろう。脅威的なパワーでオープン戦打率409、OPS1,458と大活躍のアルファーロだが、レギュラーシーズン通算33.8K%、4.3BB%のボール変化球追っかけマンに過度な期待は禁物。
4/7追記: カラティニは金銭と共にブリュワーズにトレード。 獲得した選手はAAA捕手ブレット・サリバン(Fangraphsプロスペクトランク#26)と内野も守れるA+-AA中堅手コリー・ハウエル(#19)。サリバンはAAAエルパソ、ハウエルはAAサンアントニオに配属済み。昨季ダルビッシュの相棒として共にカブスからトレードでやってきたカラティニはノラの故障を受け、序盤にレギュラー捕手として出場。マスグローブのパドレス史上初ノーヒッター達成試合でもマスクを被り球団史に名を残した。
内野手
一塁手:エリック・ホズマー(左)122G, .257AVG, 13HR, .703OPS, 4SB
二塁手:ジェイク・クローネンワース(左)144G, .276AVG, 18HR, .797OPS, 7SB
遊撃手:キム・ハソン(右)92G, .234AVG, 12HR, .700OPS, 9SB
三塁手:マニー・マチャド(右)156G, .275AVG, 29HR, .825OPS, 12SB
控え:C.J.エイブラムス(左)76G, .241AVG, 6HR, .653OPS, 17SB
怪我人リスト入り確実内野手
フェルナンド・タティス・ジュニア(右)(右手首舟状骨亀裂骨折)73G, .297AVG, 25HR, 1.017OPS, 18SB
ご存知の通り打撃の柱タティスがバイク事故で全治三か月、復帰は早くて6月中旬ごろと見込まれ、前半戦の得点力低下は避けられない。
主砲不在の留守を務めるのはキム。昨年アジア人では珍しく二塁、遊撃や三塁で好守備を披露したが、打撃が.202/.270/.352と全く通用しなかった。アメリカ初年度は食事が合わず体重が20lbs.落ちたが、シーズンオフに兵役免除要件の野球教室コーチを週6も行いながらバルクアップに成功したので期待したい。
残るホズマー、クローネンワース、マチャドの三人に変わりはない。プレラーは隙あらば8年$144MMを結ぶも過去4年中WARプラスのシーズンが一季のみというホズマーの放出を試みるので、この記事を書いている段階でも居なくなってはいないか5秒ごとにTwitterをチェックしている。…そうか、まだ居るのか。バットスイングをコンパクトにしようとオフに試みた点は評価できるが、いっそのこと何も考えずマイケル・バダー新打撃コーチに身を委ねた方が良さそうな気もする。
昨年初球宴選出クローネンワースは二年目のジンクスをものともしない堅実な活躍を見せてくれた。FAまであと4年もあるのが申し訳ない気もする。昨季序盤スライディングで肩を痛めたままプレーしていたマチャドには1年無事で過ごしてもらえれば、より活躍が期待できるだろう。
タティス不在により手薄になった内野手の控えを誰が務めるかという疑問に答えるのは、マイナー試合僅か76試合出場のパドレストッププロスペクトのエイブラムスか。MLB全体9位のプロスペクトをレギュラーポジションの空きがないまま昇格させて良いものかは議論の余地があるが、いかんせん人手不足。かつ新労使協約はトッププロスペクトの早期昇格に対し、将来のドラフトピックを与えるインセンティブを与えているのでキムとのプラトーン起用もあり得る。
開幕ロースターからトッププロスペクトを年間を通して登録し、調停権取得前に十分な年俸を与えた球団には、ドラフトまた実現したなら国際ドラフトでの追加指名権が与えられる。ゆえに今年は各球団でトッププロスペクトの昇格が多く見受けられるが、ドラフトピックに目が無いプレラーがこの波に乗り遅れるとは思えない。エイブラムスには外野守備も試すとのコメントをメルビン監督が残していたが、実際オープン戦でその様な動きは最終戦まで無かった。もしかしたらあと48時間以内にお手頃価格な内野控えを獲得するかもしれないが、優先順位としては外野手補強だろう。
Depth Chart予測はMLB30球団中一塁27位/二塁8位/遊撃5位/三塁4位。…そうか、まだ居るのか。
外野手・指名打者
左翼手:ジュリクソン・プロファー(両)113G, .241AVG, 11HR, .708OPS, 11SB
中堅手:トレント・グリシャム(左)139G, .246AVG, 19HR, .767OPS, 15SB
右翼手:ウィル・マイヤーズ(右)146G, .242AVG, 22HR, .742OPS, 12SB
指名打者:☆ルーク・ボイト(右)126G, .243AVG, 25HR, .779OPS, 0SB
控え:
☆マット・ベイティ(左)60G, .251AVG, 6HR, .709OPS, 2SB
センターのグリシャムとマイヤーズに変わりはない。メジャー2年目で低調だったグリシャムはまだ若いので、昨年後半失速の原因が足の挫傷であれば、快復次第期待が出来よう。6年$83MM契約最終年放出も噂されたマイヤーズだが、ぜいたく税上の評価(かつてはトレードに堕した選手でも年俸総額平均が各年の年俸に計上されたが、新しい労使契約上では残額を残りの年数で均等割り)の変更も影響しているだろう。今までの年平均$13.8Mが、トレード先では今年の年俸$22.5Mに上昇してしまうため、引き取り手探しが難しくなってしまった。
最優先補強ポジションだった外野手で、旧姓畠山愛理さんのご主人やクリス・ブライアント、ニック・カステヤノス等大物外野手獲得の噂がまことしやかに報じられたが、蓋を開ければ各々他球団の移籍と相成った。パドレスは伊良部秀樹の時代から大物選手の通過待ち駅そう西武池袋線東長崎駅、ホットストーブ上のかませ犬マイケル・スピンクスやタノムサク・シスボーベーなのだ。その結果、トミー・ファムが去ったパドレスの左翼には古のトッププロスペクト、プロファーが残された。
ところで読者諸氏はキーホルダーサイズのやたらと小さいアーミーナイフを見たことがあるだろうか。ノーブランド品で折り畳みナイフに加えドライバーやハサミや缶切りや栓抜き等が付いていて一見便利そうだが、小さすぎるため結局本分のナイフも含めどの機能も使い勝手が悪い。
プロファーに対する印象はそういう変なサイズの十徳ナイフに似ている。プロスペクト時代は攻走守三拍子のオールラウンダーと見込まれたが、今は外野守備も二塁守備もパワーヒッティングも送球も頭脳プレーもほんのりまんべんなく苦手だ。能力のレーダーチャートは丸いままだが直径が近年の不二家カントリーマアム並に縮小している。プロファーは定位置を持つべき選手ではなく、どこでも最低限守れるという緊急時のユーティリティ性自体が笑顔とコンタクト率に次ぐ大きな魅力なのだ。
控えのベイティは左投手と守備が得意ではない。センターをそつなく守れる選手がグリシャムしか居らず、マイナーにも即戦力中堅手プロスペクトは居ない。MLBプロスペクトランク42位の外野手ロバート・ハッセル三世も今季はまだマイナーHigh-Aで開幕を迎える。
パドレス史上初のフルタイム指名打者はヤンキースからトレードで獲得したボイトだ。故障しがちで故障しながらでもそこそこ打つのだが、できれば故障せず、2年前56試合でAL本塁打王に輝く22HRを放った打棒を披露して欲しい。
Depth Chart予測はMLB30球団中左翼29位/中堅8位/DH11位/右翼26位。一塁同様、本来打撃の主力となるべきポジションで火力が鍋物でお世話になった晩冬のカセットボンベ並に低い。
開幕戦の打順予想は以下の通り
1. CF グリシャム
2. 3B マチャド
3. 2B クローネンワース
4. DH ボイト
5. RF マイヤーズ
6. 1B ホズマー
7. C ノラ
8. SS キム
9. LF プロファー
P. ダルビッシュ
優勝へのX-Factor
例年通り追ってみたポジションの戦力を合わせると、今季パドレスのDepth Chart勝敗予測は89勝73敗。NL4位、NL西地区はドジャースの94勝に次ぐ2位である。Baseball ProspectusのPECOTAでは90.4勝だがドジャースは100.5勝。悪くはないが5-10勝の開きがある。
しかしここはアナリストではなくいちファンによる記事なので私はパドレスのNL西地区優勝を予想したい。そのためパドレスに必要なX-Factorは以下の通りだ。
タティスが早期復帰し、患部周囲の筋肉量増加という千代の富士方式で固めた脱臼癖の左肩があら不思議ガッチリずれない
そのタティスの留守をキムとエイブラムスが予測モデル以上の活躍でしっかり埋める
ダルビッシュやスネル等ベテラン投手陣が故障から復帰し本来の力を発揮
それでももし既存のローテーション投手に故障が起きた場合、覚醒したマッケンジー・ゴアが世界を救う
捕手4人がフュージョンしノラの守備、アルファーロの肩と走力、キャンプサーノのバットコントロール、
カラティニのジョークセンスがうまい具合に合体したパーフェクト捕手が誕生するもしくは誰かしらトレードで外野手補強
(4/7追記: カラティニ放出により、スネル開催のアマチュア向け投球レッスン募集インスタに「ウェザースどうよ?」とタグ付けコメントする様なドライなユーモアセンスの喪失は球団にとって小さくはない)ホズマーとマイヤーズは新打撃コーチの元で打球角度と打球速度がそれぞれ復活
優勝を迎えたプロファーは$100MM級の笑顔を見せる。成績は予想通りfWAR0.8
私事ではあるが今年でパドレスに関する駄文を書き始めてから20年目の年だ。その中では今年とおそらく来年が最も優勝に近い戦力を保有する。これ位のことはそろそろ起こってくれても良いだろう。Keep the Faith.
…そうか、まだ居るのか。
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