【SD】納涼2021年トレードデッドライン総括

清水白桃

はい今年も食べてきましたよ、夏の定番目白志むらのかき氷!

定番の宇治金時、黒蜜きなこに加え、初めて注文したのは清水白桃!若干溶けているのは私がビールを目白田中屋に買い付けに行ったうちにテーブルに届いてしまったからで、出来立てはもっとシャキっとした見た目でボリューム満点。舌触りの軽い氷に添えられた岡山産の白桃の上品な甘みに練乳のクリーミーさがマッチしてタマランチ会長!(TOKYO2020五輪時事ネタ)

今年はコロナ禍の影響か電話か店頭で一週間前の予約が必要ですが、どの味も外れなしなのでぜひお試しください!

続いてお届けするカキ氷に負けない冷えっ冷えの話題といえばもちろん!

パドレスの期限前トレード

だ。

近年例のないほど大物選手のトレードが乱発し過熱した今夏のトレード市場、いつもその騒乱の中心に居たA.J.プレラーGM率いるパドレスは凍り付いたかのように大きな動きを見せなかった。

オールスター休み前に、パドレスの補強ポイントとして挙げられていたポジションは以下の通りだ。

1. 先発投手
2. 外野手(センター守れれば尚良し)
3. リリーフ投手

特に先発投手は獲るか獲らないかではなく、何人必要かという問いが5回以上先発投手が持つ試合数MLB29位(最下位オリオールズ)のパドレスに向けられていた。

この状況を受け、パドレスが7/30の期限前に締結したトレードはこちら。

#1 ピッツバーグ・パイレーツとのトレード
加入
アダム・フレイジャー(二塁&たまに両翼外野)+$1.4MM


放出
トゥクピタ・マルカーノ(遊撃&ユーティリティ。MLB Pipelineプロスペクトランク5位)
ジャック・スウィンスキー(AA右翼手)
ミチェル・ミリアーノ(High-A右腕リリーフ)

#2 ワシントン・ナショナルズとのトレード
加入
ダニエル・ハドソン(セットアッパー)


放出
メイソン・トンプソン(7月メジャーデビューの速球右腕リリーフ。MLB Pipelineプロスペクトランク9位)
ジョーディ・バーリー(Low-A遊撃手)

#3 シカゴ・カブスとのトレード
加入
ジェイク・マリスニック(右打外野手)


放出
アンダーソン・エスピノーザ(High-A先発右腕。元トッププロスペクト)

#1はパドレスに妙に有利、#2と#3はほぼイーブンと呼んで良い取引だ。ただ個々のトレードの是非以前に問題がある。パドレスが獲得したのはパワーは少ないがコンタクト率が高い巧打の二塁手、抑え経験のあるセットアッパー、センターが守れる第4外野手で、肝心の先発投手が補強されていない。主力級の外野手も来なかった。エリック・ホズマーはまだパドレスに居る。

先発投手が来なかった理由

プレラーGMはトレード期限後初のインタビューで以下のコメントを残した。

「今のローテ投手が資質通りに投げられない限り、我々の目標には辿り着かない。先発投手を補強したとしても他の4-5人が実力を発揮しなかったら意味がない」

ブレイク・スネルやクリス・パダックについては、この発言は的確だ。3年前のサイヤング賞投手と2年前のエースが防御率5点台。FIPは4.58と3.72とERAほど悪くはないが、特にスネルは四球で球数が嵩みイニングを稼げず、ブルペンに負担を掛けている一面もある。5回終了前後でベンチに下がる防御率5点台の先発投手がローテーションの2/5を占めている優勝チームは想像できない。

しかし補強が必要だった理由は彼等ではなく、5人目の先発ライアン・ウェザースとディネルソン・ラメットだ。新人投手のウェザースは上腕疲労を時々抱え期待できる投球数は80球程度、ラメットはILの常連と化しており、今季は良くてオープナーかリリーフしか任せられない。彼ら二人の継投でクオリティスタートは可能かもしれないが、この場合投手の出場枠を余計に割く為、前半戦で登板過多を強いられたリリーフ陣から投手が一人減ってしまう。

という状況からするとパドレスに先発投手が必要で、獲得を模索していた事は間違いない。しかし獲得には至らなかった。主な理由は3つ。

①大物選手売却の過熱化
②パドレスのトレードチップ不足
③地区優勝確率

①大物選手売却の過熱化は競争チームと白旗チームの両極化がもたらした。プレーオフ到達確率20%台程度のブルージェイズやフィリーズが、それこそパドレスが食指を伸ばしそうな元ツインズのホゼ・べリオスや元レンジャースのカイル・ギブソンを獲得するためにトッププロスペクトを放出した。その積極性の背景には、昨年コロナ禍の影響で無観客60試合の興行で落ち込んだ収益を改善したい意図もあるだろう。片や優勝が2-3年見込めない売り手球団には、好成績を残されても高額年俸を負担するインセンティブが無い。そのため、今年はベテラン⇔プロスペクトのトレードが殆どで、互いの即戦力をレギュラー級選手同士で埋めあうことはない。

また今年限りでFAになる選手の放出、獲得も目立った。サンフランシスコ・ジャイアンツが獲得したクリス・ブライアントや、ドジャースが獲得したマックス・シャーザーらも例外ではない。

②パドレスのトレードチップ不足は、プロスペクトしかトレードチップに成り得ない市場動向の影響もある。しかしそれ以前に、パドレスが放出できる選手の数は少ない。

受け取り手さえ現れれば、高額契約のホズマーやウィル・マイヤーズを引き取ってもらいたいだろうが、これから主力を売り払い再び日が昇る時への蓄財として経費削減を目論むどこの球団が彼らの契約を欲しがるだろうか。彼らの契約がトレードされるケースは魅力あるチップへの抱き合わせでしか成立しない。またプレーオフ出場を狙っているパドレスに余剰戦力はない。強いて挙げればブルペンくらいだ。

となるとやはり他球団と同じくプロスペクトがトレードチップとなるが、パドレスはトップ4プロスペクトであるマッケンジー・ゴア、C.J.エイブラムス、ルイス・キャンプサーノ、ロバート・ハッセル3世の放出は無いと明言している。特にトップ3は遅くとも来季メジャーデビューや再昇格が見込まれるAAAかAAまで来ているので、放出は一年後の戦力放棄を意味する。

しかし他球団が先の大物先発投手獲得に要したプロスペクトはキャンプサーノやハッセル級である。彼らの放出は今年だけでなく、少なくとも2020年前半中は優勝争いに加わっていたいパドレスの中期プランと一致しない。また過去1年の補強連発でプロスペクトを大量放出していることも影響しており、ハッセル以降5位以下のプロスペクト評価はガクっと落ちる。

③地区優勝確率はシビアな話だ。Fangraphsの試算によると、首位ジャイアンツから5.5ゲーム、シャーザーに加えトレイ・ターナーを補強した2位ドジャースまで2.5G差を追いかけるパドレスがこの2球団を追い抜いてNL西地区首位に立つ確率は僅か8%だ。

8%、シンシナティ・レッズがプレーオフ出場する確率の方がまだ高い。この8%に賭け、残り60試合程度の為に今年から手薄になった即戦力候補を放出する意味はどれほどあるだろうか。もちろんパドレスは優勝確率0%か100%になるまでベストを尽くすはずだが、こと戦力編成に関しては現実的な対応を選んだとみてよいだろう。

先のトレードに話を戻すと、フレイジャーの最適な起用法は手探りだろう。外野守備は左翼以外厳しいので、二塁での起用が主になるはずだが、その際ジェイク・クローネンワースはホズマーを押しのけ一塁に回る。クローネンワースの一塁守備は文句のつけようがないが、優勝をあきらめないチームの一塁手として見ると打撃が物足りなく映る。右翼守備に難のあるマイヤーズを一塁に戻し、空いたライトを守れる強打者を獲得した方が総合的な戦力アップに繋がった筈だが、おそらく先発投手と同じ理由で獲得には至らなかった。

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