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【SD】28 Games Later 投手編

さてさて打者より問題の根が深いパドレス投手の話だみんな寄っといで。

先発投手

7月29日までパドレスの先発投手fWARはナショナルリーグ15球団中7位、防御率4.03。シーズン開幕時の前評判からすれば既に期待を下回っている成績だが、7/30以降は10位、ERAは5.36ですよ。奥さんどうですか?

5.36なら毎日ブルペンデーでも良い気がしてきた。5.36って池袋東口かよそれは五差路だよ。池袋駅の東口にはサンシャイン五差路、東口五差路、西武五差路が有る五差路天国なんだよ信号待ち長いんだよしかも東池袋一丁目の北東には六つ又交差点まであるんだよ。

何故池袋東口に五差路が多いかというと、新宿方面から南北に走る環状道路の明治通りを北上すると、雑司ヶ谷鬼子母神と墓地を避けるために西に折れ、また東口の駅前から線路に沿うように東に折れたあと、環状を形成するためさらに東へカーブしていることで、駅前の区画が駅を頂点とした台形になっているからである。そのため明治通りまたそれに沿った道路と従来の南北の道路と交差する時に通常の十字路以外の角度から道路がすみません五差路の話はもう止めて良いですか?それとも中野五差路に話を移しますか?

あらためて先発投手

パドレスの先発イニング数は29試合131.0とNL最少。一試合当たりの平均は5回の半ば辺りで降板。確かに見覚えのあるタイミングだ。その低調ぶりの割に奪三振率はブリュワーズに次ぐ2位である。

低迷の理由は故障。まずダルビッシュ有の怪我による離脱とそれに伴う不調。トレード期限後5試合に登板し、0勝4敗防御率7.77。ダルビッシュについては日本語メディアで多く語られているので自分が説明するのも野暮だが、故障による早期降板時以外は実際には何が悪いのかが分かりづらい。インタビューを見てもダルビッシュ自身なぜ打たれるのかやや釈然としていない様子ではある。

12.21K/9は前半戦より高いし、1.85BB/9は文句なし。2.59HR/9がよろしくない。ただHRは奪三振と四球に比べてランダム性が高いので、.339という高BABIPと相まって不運が大きく作用しているのではという感が否めない。4シームの速度が前半戦より低下しているのは懸念材料だが、腰など故障部位を庇って投げている影響だろうか。いかんせんダルビッシュなのでこの辺りは本人が全部把握済みだろうから、何らかの改善策を講じて残りの登板に臨むことだろう。

ダルビッシュと同じく5試合に先発登板し、0勝4敗だったのがライアン・ウェザース。防御率13.50、HR/9は4.82。2イニングに1HR以上を献上しているペースである。凋落に映るかもしれないが、実際は前半戦も6.44K/9と三振が獲れず、防御率こそ2.91と良かったが4.52FIP、4.59xFIPと微妙だった。

4シームやスライダーに動きが乏しく空振りが取れる持ち球が無いので、コマンドが甘いと直ぐスタンドに持って行かれる。そしてコマンドはいつも甘い。四球で崩れる事が無いのがせめてもの救いだ。資質不足というより2年前のLow-Aからいきなりメジャーへの急ぎ過ぎた昇格による育成不足が低迷の原因だとは思うが、故障者続出の投手陣事情がマイナーでの再調整機会を許さなかった点は気の毒である。残りのシーズンはリリーフ起用が無難だとは思うが、若干21歳なので来期以降まだまだ伸びるチャンスはあるだろう。

ディネルソン・ラメットクリス・パダックの離脱も響いた。前者はリリーフ、後者は先発で復帰登板を済ませている。どちらも球速が回復傾向にあるのは光明だ。

パダックはトレード期限後数時間後に左鼠蹊部を痛め、約ひと月欠場した。ついていない話だが、今にして思えばマックス・シャーザーやホゼ・ベリオス等のエース級でなくても、ザック・デイビーズでも良いからイニングイーターが欲しかった。

一方好調だった先発投手は前半戦気が付いたら3ボールを与えて前半戦5.44だった防御率をトレード期限後1.72で過ごしているブレイク・スネル。そして今年のエース、ジョー・マスグローブだ。

スネルの問題点は期限前5.87BB/9の四球だったが、カーブやスライダーを積極的にストライクゾーンの際に放り2.95BB/9と改善し三振率も上昇。

マスグローブは前後半戦で最も好不調の波が小さく安定している先発投手である。今季先発ローテ投手で唯一故障者リストに入ったことが無く、防御率はトレード期限前3.07、期限後は2.53。直球のスピード以外ほぼすべての項目がトップクラスもしくは上位30%に属している。

マスグローブ自身もキャリア最高の投球が出来ていると自負している様で、負けられない残り試合については、中4日でもオフ日や他ローテ投手の順番を飛ばしても登板する準備が出来ていると監督やコーチに伝えているようだ。サンディエゴ近郊でパドレスファンとして育っており、チームへの忠誠心は随一だ。

リリーフ投手

トレード期限前fWAR3位、防御率3.22だったパドレスリリーフ陣のfWARはNL9位で防御率4.07とこちらも落ち込んでいる。

28試合で個々のリリーバーの出来を語るには投球イニングのサンプルサイズが小さすぎるので多少割愛するが、イニング数はドジャースとジャイアンツに次ぎ三番目に多かったため、全体的に疲労が蓄積している。特に前半戦の登板過多が祟りティム・ヒルがティム・疲労と化し制球が荒れ始めた。

8月にようやく膝の手術から復帰したマット・ストラム、肩の不具合を訴えたドリュー・ポメランツの両左腕は怪我が再発。今季残りの欠場が決まった。トレード期限前にナショナルズから獲得したダニエル・ハドソンはCOVID明けの調整不足か制球が今一つ。

マーク・マランソン、エミリオ・パガン、ピアース・ジョンソンらは試合ごとの波こそあれど安定はしている。明るい兆しは先のラメットがリリーフとして復帰したことか。リリーフについては休みが最大の補強策。

Game Changer

勿論先発4人衆。幸いダルビッシュ以外は調子が上向いている。そしてジェイク・アリエータマッケンジー・ゴアかという両極端な選択肢。カブスからリリースされパドレスに拾われた後に久しぶりに登板、94mphを放ったら初戦でハムストリングを痛めた。まるで子供の運動会で張り切りすぎて肉離れを起こした昔スポーツマンだったお父さんの様だが、今週末のアストロズ戦での先発が予想されている。

一方昨年からフォームを崩し制球力と球速が落ち込んでいたゴアは、AAAから離脱しアリゾナの練習場で2か月別調整後、8月にようやく新人向けのアリゾナ・コンプレックスリーグで実践復帰。3試合に先発し16.1IP、22三振4与四球、18歳相手とはいえ上々ではある。

先月までゴアを9月に昇格させるのではないかと思っていたが、ウェザースの若手早期抜擢で今年は一度コケているので、プロスペクト投手二人目の自信喪失を嫌い昇格を避ける可能性が高くなってきた。ローテ投手に故障者が現れなれない限り今季昇格は見送りか。ただもしゴアを起用しないままプレーオフを逃した場合、A.J.プレラーGMが糾弾される可能性はある。

28 Games to Date and to Go

ここまでトレード期限後から28 Games Later(28試合後)の現状(惨状)をお伝えしたが、これから28 Games Laterでレギュラーシーズン最終戦の162試合目を終える。

パドレス残り28試合で今後勝率5割以下のチームは、エンジェルス2連戦のみ。地区どころかMLB勝率トップのドジャースと2位ジャイアンツとの対戦が13試合残っている。

片やレッズは勝率5割以下のカブスやパイレーツ(今季レッズ10戦9勝)との対戦を残しており、勝率5割以上を残すチームとの対戦はドジャースとカーディナルスのみである。今後の2チームの対戦相手の戦力さが、ゲーム差僅か0.5ながらも30%ものプレーオフ進出確率の差に表れている。残り28試合中パドレスのホーム試合が12試合しか無いこともそうだろう。

しかしながら、パドレスは勝率5割以上のチームに32勝25敗と勝ち越しているチームである。勿論これまでの結果はこの先の勝率を高めるものではないが、少なくとも失望を抱くには程遠い。しかし今年のパドレスの命運の一部がアリエータに委ねられるとは、開幕時には思いもしなかった。

ちなみに今回blogのタイトル元ネタの"28 Games Later"の引用元"28 Days Later"(邦題:28日後...)は、私の記憶が正しければ田舎町に住む女子高生と都会の男子高生が夢の中で入れ替わり、互いを知り合いながら惹かれ合っていく胸キュンストーリー映画のタイトルである。もし万が一違っていたら申し訳ない。

五差路地図の拝借元
http://meganeculture.boo.jp/2019/04/19/%E3%80%90%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E6%95%A3%E6%AD%A9%E3%80%91%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E2%80%95%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF/

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