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私はこう生きる

「君たちはどう生きるか」という作品は、「私はこう生きた」ということが言いたいのだ、と以前書いたことがある。それは吉野源三郎さんの本であろうと、宮崎駿監督の映画であろうと同じことだと思う。

私自身そのことに共鳴して、同名のタイトルで作詞(替え歌)を試みたり、エッセイを書いたりした。(エッセイの方は倉敷市文学賞に応募。落選が判明すればnoteに公開予定)だから、その作品の出来栄えがどうあろうと、作者の気持ちがわかるのだ。

ところで、「君たちはどう生きるか」という質問に対する答えは、「私はこう生きた」ではない。厳密には「私はこう生きる」である。「こう」という指示語がどう意味なのかは、人によって違う。答えがないのではなくて、今生きているすべての人によって答えが違うのだ。

もちろん、まとめてしまえばかなり大勢の人が共通するかもしれない。自分の答えはどうだろう?上田内科クリニックの待合室に貼ってあったこの言葉だろうな、と思う。母親を連れて行ったときに見かけたものだ。併設の介護施設の入所者の作品だと思われるのだが、それに以下の詞書(ことばがき)が添えられていた。

頭は低く 目は高く 心は広く

※「頭は低く 目は高く 口謹んで 心広く 孝を原点として他を益す」という大山倍達氏(極真会館創始者)の名言の一部と思われる。省かれた部分からは儒教的な印象を受けるので、病院の待合室で見つけたこの言葉だけの方が個人的には気に入っている。この言葉を見つけた時は、「現代民主主義の精神三原則」かなんかだと思っていた。
                    
 

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