アナリストのつぶやき〜資産運用の話

私は若い頃から機関投資家で資産運用の仕事をしてきました。扱う商品はいろいろで、企業融資、国内債券、いろんなファンド、JREITなどです。メインのキャリアはクレジットアナリストとなります。

今回はざっくり、資産運用の「ルール」の話をしたいと思います。

資産運用の目的は収益を上げることですが、機関投資家同士の世界、いわゆるプロの世界も、全てのプレイヤーが平等ではありません。ただそれはそれで当然で、純粋に運用の世界で営業している証券会社や運用会社に一定の「手数料」が落ちないと金融市場がなりたたないからです。ただ、この「手数料」的なものの中には微妙なもの、もしくはぶっちゃけアウトなものもあったりですが、概ね世の中はまぁフェア、もしくはフェアな方向に向かっています。

個人の世界も今は基本同じようなものですが、個人の場合、この「手数料」がプロの世界よりべらぼうに高いので、気をつけないと銀行や証券会社のカモになるばかりだったりします。ここで、個人(とは限らないけど)の世界で資産運用する場合の最低限かつ必須のルールと思うこと書きますね。

1. 長くやったら、絶対にコストには勝てない。とりあえずコストの低い方法で。

2. 運用対象からのリターンは「誰が負担してるか」を考えて!

まず、1のコストの話。例えば信託報酬2%の投資信託とかたまにありますが、こんなの10年運用してたらえらいことになります。どんなに運用成績が良くても個人的にはあり得ません。長期投資ならコストが最も重要な要素になります。また、普通に生きてたら最も高いコストは税金です。よって運用の目的や金額によりますが、税制メリットのある運用、NISAやIDECOはまず考えるべきでしょう。

次に2ですが、まぁ何言ってるかわかんないと思います。でも考えてみて下さい。資産運用はリターンを期待してするものですが、そのリターン、どこから来てると思いますか?短期的には相場観が当たったとかかもしれませんが、そんなの長くは続きません。資産運用のリターンの基本は「誰が稼いだお金の一部を貰うもの」です。例えば株式。これは企業が儲けたお金が株価上昇となったり、配当になったりするわけです。その企業にお金を預けたから儲けの一部を貰うんです。債券や貸付も、企業が儲けたお金の一部を利息となる。賃貸不動産もそうですね、誰が稼いだお金の一部が家賃となる訳です。一方でFXってどこからリターンが来るのでしょう?実はここには深い論議があるのですが、とりあえずその国の税金の一部を直接的に貰えたりする訳ではありません。そういう意味ではガソリンや大豆みたいな商品や、今だと仮想通貨とかもそう。そういう資産を正当化することも違ったアプローチでは可能なので、保有が絶対がいけないとはいいませんが、そういう考え方は大切と思っています。

うわっ、長くなったな。またよろしくお願いしますー。

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