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それはある地方紙から始まった

わがかがわで 最も読まれている四国新聞

とは言え、四国全体で読まれているわけではなく、あくまで香川県のローカル新聞です。

この新聞社が2019年に行ったキャンペーンが

健康は子ども時代から
〜血液異常・ゲーム依存症対策への取り組み~

そして、この取り組みは
2019年度日本新聞協会賞(経営・業務部門)

え? 経営・業務部門?

授賞理由には

「(前略) 重層的な展開で教育現場に浸透し、家庭や親子に大きな反響を呼ぶとともに、児童の血液検査結果の改善、県議会による全国初のゲーム依存防止条例制定の動きなど具体的な成果にもつながった。それらの取り組みは、新聞の信頼性向上に貢献したとして高く評価され、新聞協会賞に値する」とあります。

リンク(※下の画像をクリックすると一般社団法人日本新聞協会 新聞協会賞受賞作のページへ)

どうやら新聞というマスメディアにとって
「具体的な成果」「信頼性の向上」は、とても重要視されているようです。

しかし、このキャンペーンの核のひとつである

わがかがわにおいて小学4年生を対象に毎年実施している血液検査で、脂質や肝機能の異常、生活習慣が大きな原因の2型糖尿病のリスクが高い、と判定される児童が見られること

そして生活習慣に問題のある児童ほど異常値が出る傾向にあること

また全国体力テストの全国平均を下回っており、運動不足が心配されること、などについては、徐々に話題に上らなくなりました。

もっぱら県内外のマスコミやネットニュースに取り上げられるのは依存性対策

それも依存性そのものではなく、依存性対策として考えられた条例案に、さらにはその条例案の中の制限時間に特に焦点が当てられました。

ゲームの利用時間が平日60分・休日90分という基準(可決された案では「目安」と修正)が妥当かどうか

さらには、それが果たして依存症抑止になるのか否か、そもそもゲーム依存症が問題視される現状なのかどうか、 条例案には「ネット・ゲーム依存症とは、ネット・ゲームにのめり込むことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう」とあるが、それは科学的に証明されているのか、などなど、様々な反論が寄せられました。

実は、この60分という数字の根拠について、香川県の関係者に尋ねたことがあります。

「なんで60分にしたんですか?短くないですか?」
「だって小学校が3時に終わってから下校して、宿題や習いごとや夕食や風呂や、今どきやから動画みたりして9時に寝るとしたら、ゲームは1時間位しかやる時間無いやろ?」
「・・・」

「中高生やったら、部活やら遊んだりで家帰るん、6時や7時やん? それから11時に寝るとしたら晩飯やら風呂やら、YouTube観たり予習復習や勉強したり言うたら、やっぱり1時間までなんちゃう?」
「・・・」

なるほど、就寝時間からの逆算だったんですね

どうやらこれは

睡眠時間も含めゲーム等の時間管理は
子ども達自身に委ねるべき派

VS

生活のリズムを作るのは親の役目
寝る時間やゲーム時間を決めてあげないと派

こんなに熱くなる、という事は意外とどちらの大人たちも、自分達が子どもの頃には、夜中にこっそり起きて昭和の大人向けのテレビ番組を観てたり、親が留守の間にファミコンやスーパーファミコンをやりまくってたんじゃないかな、と思います。

で、自分達も好きにやってきたんだから子ども達にも好きにやらせてあげようよ、大丈夫だよと言う側と

かつて、自分たちも親からはガミガミ言われていたように、親になったら(自分の事は棚に上げて)言うべき事を子ども達に言わないと、という側に分かれたのかな、と思います。

実はどちらの立場の方々も、子ども達はいろんな失敗をしながら学び成長する、というのは押さえているのかも知れません。

つづく

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