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博物館学

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博物館学に関する記事を纏めています。
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#日本酒

「國稀」「北海鬼ころし」「初代泰蔵」: 國稀酒造株式会社 國稀酒造資料室

館の所在地域 國稀酒造資料室は、北海道留萌振興局管内の増毛郡増毛町に位置します。  増毛町は、ほぼ一年中積雪のある暑寒別山系に三方を囲まれており、良質な醸造水を得るのに適した地理的環境を有しています。また、江戸時代より海運の要衝として発展した増毛港からは、「北のウォール街」とも呼ばれた小樽市への日帰りが可能である他、鉄道網の発展により、札幌圏・旭川圏という北海道二大都市圏へのアクセスが容易であるという交通条件により、開拓期を通じて國稀酒造を始めとする諸産業が発展しました。  

「男山」「木綿屋」「哥麿之名取酒」: 男山株式会社 男山酒造り資料舘

館の所在地域 男山酒造り資料舘は、北海道上川総合振興局管内の旭川市に位置します。  旭川市は、大雪山地麓の扇状地末端に位置し、冬季寒冷な気候の為、大雪山地からの雪解け水が豊富である事に加え、主要河川沿岸の砂礫が堆積する地域は地下水に鉄分がほぼ含まれていないことから、上質な醸造水を確保するのに適した条件を有します。一般的に、明治期の北海道産米は品質が極めて粗悪で評判が悪かったものの、旭川では、稲作技術の改良や新品種の育成が積極的に行われた他、石狩川・忠別川等大小の河川を活用した