レモンとチョコレート
女︎︎ ♀:空想がすきな彼女
男♂:彼女の空想が好きな彼氏
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女「お疲れ様ーっ」
男「おつかれ」
女「今週もお互い、頑張りましたね」
男「ん、よく乗り切ったよ。はー、ホットチョコレートが沁みるわ」
女「私の蜂蜜レモンも…、あ。ねえ、思いついたかも」
男「お、いつものやつだなー?聞かせて」
女「...チョコレートさん、やっとまた逢えましたね」
女「私たちのご主人様は、お菓子作りがとても好きな人だったわね。特別な日には欠かせない私たち。私は、貴方のその優しくて甘い香りにとても惹かれていたの」
男「レモンの香りだって、爽やかでいいじゃんか」
女「そう。チョコレートも、自分にはない溌剌とした元気なレモンの香りに惹かれていたの。だからね、レモンとチョコレートは両片想いだったわけよ」
男「お菓子でレモンとチョコが直接出会う機会ってそんなにないしな、オランジェットになったりはしてるけど」
女「おっしゃる通り。レモンはオレンジちゃんに嫉妬したりしたんじゃないかなあ」
男「健気じゃん、レモン。...あ、オチ見えたかも」
女「あは、わかっちゃった?いつか出会えなかったレモンとチョコレートは、ちゃんと仲良しできるのです。こうやってね。はい、乾杯っ」
男「はは、乾杯。なるほどな。レモンは果汁で。チョコはとろけて出逢うと。…でもマグカップ越しだぞ?」
女「あーあー!そういう細かいことはいーのー。まあつまり?私たちが恋のキューピッドってね、話よ。だからね、」
男「うんうん、キューピッドになった俺らも仲良しだもんなー?ってそーいう事ーみたいな?」
女「…そこまで読まれるとつまらないですう」
男「まあまあ、そうおっしゃらず。良いじゃん、今の話」
女「ふふ、毎回ちゃんと聞いてくれる、チョコレートさんが、私は大好きなんです」
男「ありがと、レモン。俺も好き。さ、熱いうちに飲んじゃお。レモンとチョコの恋が冷めないうちに、なんてな」
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Best Script Awardに応募した台本です。
タイトルはレモンとチョコレート、
テーマは恋愛、という条件でした。
レモンとチョコレートの恋と、仲良しカップルを書きたかったのです。
空想好きな女の子でも、君は優しくしてくれますか?なななななーんて、ね。
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