【ネタバレ】キングダムハーツ3クリア後感想 ゆるく熱く

はじめに

キングダムハーツ3を、週10時間くらいのペースでゆったりプレイし、発売後一月程でクリアしました。終始楽しくプレイできて、製作に関わった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。その方々に届くことはないでしょうが、気持ちの整理・備忘録を兼ねて、プレイした感想をゆるく、たまに熱く語ります。3に限らずキングダムハーツシリーズのネタバレを大いに含むので、未クリアの方には、以下の感想を読むことはオススメできません。

参考情報

・キングダムハーツシリーズプレイ歴
1、COM、2、ReCOM、2FM、358、BBS、Recoded、BBSFM、3D、1.5、2.5、2.8
それぞれ最高難度をトロコンレベルでやりこみ(レベル1プレイは未経験)。携帯・ブラウザ・スマホ向けが手付かず。

・今作登場ワールドのディズニー映画視聴歴
レミー、ラプンツェル、アナ雪、パイレーツシリーズ

・キングダムハーツ以外で好きなゲーム
FF、ドラクエ、PS1時代のスクウェア作品全般、メダロット、Gジェネ、ぼくなつ

システム面の感想

・素晴らしかった点
グラフィックと音楽については、スクエニさん毎度同じく超ハイクオリティでしたね。特にラプンツェルとパイレーツのワールドのグラフィックは素晴らしく、かなり没入できました。オープニングムービーもPS4の電源入れる度にシアターで観賞するくらいハマりましたね。

バトル含む操作感については、選択肢が多くて飽きなかったし、ソラを長時間操作不能にするような攻撃が敵にも味方にも少なく、ストレスなくプレイできました。特に魔法の使い勝手が良くて、魔法連打⇒極大魔法⇒アトラクションフロー⇒通常攻撃⇒フォームチェンジをひたすらループするのが個人的にすごく楽しかったです。

また、各ワールドのマップは広すぎず狭すぎず、高低さも楽しめ、見えていて行きたい場所には大体行くことが出来たので、毎日本当に冒険しているみたいでした。

・残念だった点
自分だけかもしれませんが、一部シチュエーションに合わないBGMが気になりました。パイレーツのイベント時が特に顕著で、興奮すべき場面で思うようにノリ切れないことが多かったです。パイレーツのワールドは世界観が素晴らしかっただけに勿体なかったように感じます。

バトルの難易度が、シリーズをそれなりにプレイした人にとってはやや簡単過ぎたのは、仕方ない気もするけれど、せめて裏ボスはもう少し強めで良かったのでは?と感じました。今後アプデやDLCでクリティカルモード・13機関リミカが追加されることをとても期待して待っています。

シナリオ面の感想

・素晴らしかった点
各ディズニーワールドのシナリオは、ソラたちは自然に溶け込んでいて、13機関側の介入も良い塩梅だったので、各ワールドしっかり楽しめて大満足でした。

メインシナリオについては、シリーズ集大成として、これまで悲しい結末を迎えていたキャラ達がハッピーエンドを迎えられた点は素直にほっこりしました。特にテラ思念がテラノートを追い詰めるシーンと、テラノートのスタンドが活躍するシーン、ナミネを想うリクレプリカの行動には胸が熱くなりましたね。あとはドナグーとソラの掛け合いは終始ニヤニヤでき、クライマックスにおけるドナグーの存在感は個人的に大満足でした。

・残念だった点
中盤までの感想としては、トワイライトタウンのシナリオをもう少しだけ膨らませて欲しかったと感じました。トワイライトタウンもグラフィック・音楽が特に綺麗で、隠れミッキー・宝箱を探すために長時間過ごしても全然気にならず、もっと過ごしていたいと思った程なのですが。私は358プレイ時間より2の周回プレイで繰り返したロクサスの七日間の累計プレイ時間のほうが長いので、ハイネピンツオレットとロクサスの繋がりは、アクセルシオンロクサスと同等以上に大切に思っています。それも相まって、彼らの活躍への期待度が高すぎたのかもしれませんね。

ファイナルファンタジーからのゲストキャラがいなかったのも、個人的にはとても残念でした。見落としてませんよね?シリーズではキャラ設定や扱いに賛否あるものの、特にレオン、クラウド、アーロンは上手にシナリオに絡んでいたと思うので、FFキャラ参戦は個人的には外せない要素でした。ヴァン、ノクト、ライトニングあたりの新登場を期待していたのですが、どう挟むか決めるのが難しかったのか、工数見合いか、社内政治的理由か・・・。それでも、少なくともレオンユフィシドエアリスは顔見せしてくれたって良いじゃない!ソラの友達ですよ!せめてリンクで呼び出せるとか!

そして新13機関の人選も正直期待外れでした。いや、確かにマールーシャもラクシーヌもルクソードも1・2作品で使い捨てるのは勿体ないくらい良いキャラなのは認めます。けれど、新キャラ0で代わり映えしない面子は新鮮味がなさすぎます。個人的な妄想垂れ流すと、中尾隆聖さん演じるパンチの効いたクズキャラとか、田中敦子さん演じる妖艶な美女とか、物語を盛り上げてくれるニューカマーに是非参戦して欲しかった。過去作品では豪華声優陣を贅沢に使うと共に、とても個性の強いキャラクターを続々産み出してきたスクエニさんには大いに期待していたのです。期待し過ぎでしょうか。

特に、もう少し発売日伸ばしても良かったから丁寧に進めて欲しかったのが終盤ですね。いや、回収すべき伏線の八割方は回収され、結果的に(ほぼ)大団円になったのは確かですが、あまりにも詰め込み過ぎて、大味に感じる演出・脚本が多かったと感じました。これは、過去作品で設定した制約が厳しすぎたことが原因だと思います。

まず「7つの光と13の闇とが最後にぶつかる必要がある」制約です。これにより、物語終盤までどちらの陣営も欠けることができない為に、結果的に新13機関との戦いも光の守護者の活躍も最後に詰め込むことになってしまいました。確かにラストダンジョンで個別に13連戦とか、各守護者を操作させたりすると、テンポが悪くなるのは明白ですので、ああいった乱戦の形で片付けざるを得なかったのだと思います。けれど、ファンは敵全員とのタイマン、各守護者の操作を期待していたのです。序盤・中盤に、「決着はつがず途中撤退」の形をとってでも、これらの戦闘を散りばめたほうが良いと思いました。リアとカイリを修行させといて、全然活躍させられてないのはどうなんでしょうか。せめて、連携技やリンクを用意して欲しかった。これらについては、今後のDLCを待つしかないんですかね。

次に「光は闇に敗北するという予知」の制約。ゲーム的に、最後にはソラが13人抜きせざるを得ないので、それで闇側が弱く見えないように、一度ソラ達をピンチにする必要があったのかもしれません。過去のキーブレード戦争の展開と重ねる為にも必要な展開だったのかもしれません。けれど、敗北する相手が大量のハートレスってどーなん?直前に何故か大幅強化されたテラノートに痛手を喰らっていたのは確かですが、その展開はあまりに残念だなぁ。新13機関との戦闘の中でピンチを演出して欲しかったです。全員でサンダガン連発すれば、量だけのハートレスなんて一掃では?

過去作品で設定してしまったシナリオ展開への制約の中で、過去作品でばらまいてきた大量の伏線を綺麗に回収するのは、かなり辛いチャレンジであったことは理解できます。このシナリオ展開の難易度により、各キャラに感情移入するための十分な背景描写が不足してしまい、結果として新13機関のあっさりとした敗北に繋がってしまったのだと思います。何人もの人間の人生に大損害を与えてきたハゲが、親友に簡単に諭されて、綺麗な顔で成仏していく様には、不満が残るファンも多いのでは?同じ展開だとしても、エラクゥスとゼアノートの過去の描写を少し増やすなり、ゼアノートの夢・目的をより明確な理由をもって説明するなりで改善できたように思えます。しかし、個人的にはアンセムゼムナスサイクスの散り方は好きでした。サイクスは賛否あるかもしれませんが、友達の友達に対する嫉妬がただただ可愛かったですね。

その他感想

こまごまとしたコメントを列挙しときます。

闇落ちアクアは嫌でした。大量ハートレスに戦意喪失アクアも嫌でした。キーブレードマスターとして、リクと並ぶキーブレード使い最強クラスのキャラを貫いて欲しかった。10余年ぼっちで放置は絶望ものであることは確かですが、アクアファンとしては、あまり見たくなかった。

幸運のミッキーマーク探しは思ったよりも楽しかったです。バトルは得意でない家族と交互にコントローラーを交換しながらワイワイ探してました。

アナ雪のミュージカルシーンは圧巻でした。欲をいえばラプンツェルでもがっつり歌って欲しかった。けどラプンツェル序盤の躁鬱シーンは原作同等以上に笑えました。

フリーフローアクションは壁歩き込みでとても爽快感のあるものでした。3Dくらいの無限ジャンプやスーパースライドできるとなお楽しそう。

ピクサー作品にあまり馴染みがなかったので、今作のワールド選択は少し個人的にマッチしなかったのは残念です。ピクサー映画もしっかり見てから再度プレイしたいですね。ディズニーとしてはズートピアがあったら嬉しかったかも。

ユニオンクロスの話はだいぶおいてけぼりで、やっぱプレイすべきなのかなと迷っています。あまり長期間コツコツやるアプリゲームが合わないので、メインシナリオだけサクッとこなせる移植版が出ないかなぁ?

まとめ

振り替えると、不満点は主に、長い間待つなかで期待していたものに対して満たされなかった要件が占めましたね。つまり、それほど期待度がとても高いゲームシリーズなのです。ゲームとして駄作かと問われると全くそんなことはなく、傑作だと思います。自信をもって数十時間楽しくプレイできるゲームと言えます。

期待度の高さは、これまでのシリーズが高評価であることも勿論そうなのですが、主に長期間待たされ焦らされた点が大きく関係していると思います。シリーズ集大成として評価の高い例として、メダロット4や逆転裁判3がありますが、これらと比較すると、キングダムハーツ3は期間が空きすぎたと共に、ファンは多くの派生作品により期待をどんどん煽られてきたので、異常に期待度が高まってしまったのだと思います。

とは言うものの、雰囲気が全く異なる複数のディズニーワールドをあれほどのクオリティで構築し、ファンを楽しませる為のギミックをふんだんに用意する為には、これだけの開発期間がかかったとしても全く不思議に思いません。よくここまで作り込めたと感動しました。その分、メインシナリオの開発に割く工数が足らずに、やや竜頭蛇尾な印象を与えてしまっているように思えます。この竜頭蛇尾な感じは近年のスクエニゲームに共通した課題に見えます。FF12,13,15,零式, サードバースデイ、ブレイブリーセカンド、等、どの作品も道中は楽しいのですが、クリア後に少しだけモヤモヤします。

色々不満も述べてしまいましたが、10年以上シリーズをプレイし続けているとファンはやっぱり要求がエスカレートし過ぎてしまうのかもしれません。製作者の方々もやりたいことがたくさんあるなかで、限られた資源の中で取捨選択を迫られていたんだと思います。今回余計な要素はそこまで多くなかったと思いますので、取捨選択が失敗したのではなく、要求されている様々な期待に対して、キャパシティが追い付いていない印象を受けました。私が今回の感想で述べた不満・改善策なんて、作ってる方々は百も承知で、ただただ時間・人・金が足りなかったのかもしれません。

想定以上に長々と語ってしまいましたが、こんなに毎度期待させられてしまう、熱くなってしまう、面白く素晴らしいゲームを製作して頂いたこと、大いに感謝しております。キングダムハーツ3の今後の展開と、続編や派生作品の動向、私はあまり反省せずにこれまで通り大きな期待を持って待ち続けます!

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