【易競馬#22】ジャックルマロワ賞 2022
東京は下町。
隅田川のほとりにある、カウンター数席の小さな居酒屋。
絶品の酒と肴に吸い寄せられるよう、今日も今日とて常連が集う。
「はい。というわけで、フランスで行われるGIレース、ジャックルマロワ賞についてもお願いしたいのですが。。」
「はいはい、全然大丈夫ですよ。ところでどんなレースなのですか?」
ジャックルマロワ賞はフランス・ドーヴィル競馬場で行われるマイルのGIレース。
ドーヴィル競馬協会の会長ジャック・ル・マロワ伯爵に由来し、創設されたのは1921年という由緒正しいレースだ。
「ジャックルマロワ賞といえばタイキシャトルじゃねぇか。懐かしいな」
「今年は日本のバスラットレオンが挑戦するので馬券も発売するようなんですよ」
「で、ですね、マイルのレースなんですけど、なんと、直線競馬なんだそうです」
「マイル=1600mを直線??」
先日のアイビスSDもそうだったのだが、なぜか直線競馬に反応する占い師なのであった。
「承知しました。海外の直線レースということもあり、今回は変爻なしで行きましょう」
占い師は二つのサイコロを手に取り、静かに目を瞑った。
ふぅ。。と大きく息を吐く。
チンチロリン!占い師の手から放たれた賽の内、二つが小皿の上で小気味の良い音を立て、止まった。
「内卦・兌、外卦・兌、兌為沢。が出ました。兌為沢という卦はですね。。。」
一陰が二つの陽に乗る八卦「兌」はで沢を表す
上も下もどちらも「兌」であるこの卦は「兌為沢」と呼ばれる
「兌」は喜び、喜悦。二つの沢が互いに潤しあう卦象
また、兌には口や言葉、若い女性という意味合いもある
卦辞は「兌は亨る。貞しきに利ろし」
「。。。と、先ほどの山風蠱や天水訟と比較すると、軽やかというか明るい意味合いを持つ卦ですね」
「ダイタク!? あれ?ダイタクなんとかって馬、昔、結構活躍してませんでした??」
「ああ、個性派のダイタクヘリオスや最低人気でスプリンターズSを勝ったダイタクヤマト、皐月賞2着のダイタクリーヴァなんてのもいたなぁ。。青地に黄色の勝負服の色合いも好きでな。もうしばらくダイタク冠の馬は見かけねぇが。。。ダイタクヘリオス。。。個性的で大好きな馬だったなぁ。。」
「へぇ。。どれどれ。。ってうわ!! 検索したら馬娘ばっかり出てきます!!」
「そういやバスラットレオンの勝負服も青地じゃなかったか?ここでダイタクってのが出たのも何かの縁だ。単勝買って応援するか」
「名馬タイキシャトルしか勝ってないような由緒あるGIですよ? 日本での実績がNZTくらいの馬が勝てるわけがないです!」
「走ってみなきゃわからんだろ。とはいえ確かにタイキシャトル級ではないな。。他のメンバーはどうなんだい?」
「イギリスの二千ギニーの勝ち馬とか、聞いたことのある英国GIレースの勝ち馬たちがいますね。ジョッキーもムーアやデットーリ、ビュイックあたりの日本でもおなじみの一流ジョッキーが乗ってますよ」
「そうか。。まぁ俺はパスしよう。厳しいかもしれねぇが、バスラットレオンを応援する気持ちに変わりはねぇ」
「ボクは素直に兌=若い女性が2つってことで、3歳牝馬2頭を買います!馬連08-09で!」
「お前さん、懲りずにまたデットーリ買うのかい」
「別の馬ですしね。覆面つけてないでしょ? たぶん」
「当たるも八卦当たらぬも八卦」
下町の夜はこうして今日も更けていくのであった。
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