[掌編]「ものかきさんにちょうせんじょう」
ならざきさんが何やら面白いことをはじめたようなので挑戦!
企画詳細 「ものかきさんにちょうせんじょう」
「じいちゃん、会った、会ったよ!」
手首に巻いたダイヤルで数値を確認した私に、モニターの中からつまらなそうにダイヤの指輪を手で弄んでいたはずの孫の隼人が、突然元気良く声をかけてきた。
「お?どれどれ――」
私がモニターを覗き込むと、若い男性がポケットをまさぐりえらく慌てた様子が見える。
「お、懐かしいな」
「懐かしいって!――なぜ?」
不思議そうに私を見つめる隼人に、私は笑う。
「あ、あちらの時代が、ということだがな」
「ということは?!うそ?!やった!」
私の応えに、隼人は指輪を握りしめながらバンザイした。勢いが良すぎてふらついている。
「おいおい、転ぶなよ」
「うん!僕、あのお兄さんに渡してくる!」
隼人がそう言って駆け去っていくのを見送った私は、改めてモニター越しに見守る。
その向こうにいたのは、確かに当時の、若い頃の私だった。
「さて、どうなることか」
私は一人つぶやくと、再び手首に巻いたダイヤルで今日の日付を設定した。
ちょっと遊びすぎましたかね?
文字数、改行とかスペースとかの換算がよくわかりませんが、こちらの環境では(432文字)ということでした!
よろしくどうぞです!
私信:マガジンの方の企画もそろそろですか?首をながーくしてお待ちしておりますよー笑
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