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2023 12/1 スープに秘めたる魅惑〜こってりMAXに魅せられて〜

12月の初め。午後17時の外。冷たい風を浴びながら、あたしは、どうしようもなく天下一品に行きたい、と思った。



というのも、先日、水曜日のダウンタウンで「天下一品賭博」という、天下一品に来店するお客さんがどの味を頼むのかで賭博をする、という何とも下らない企画を見たからであった。「女だからってあっさり頼むと思うなよー!!」とテレビにヤジを飛ばす。ギャンブルの趣味は全くないのだが、ギャンブルの楽しさが少しわかった気がした、なんとも面白い企画であった。


それを見てから天下一品のことが実に頭から離れず、12月1日の夜にあたしは天下一品を食べに行く決心をした。

あたしは、専ら「こってり」派である。こってりの麺かためを頼むのがあたしのお馴染みであったのだが、最近は、「こってりMAX」というメニューがあるらしい。あのたまらんこってりがMAXになっただと…。これは実に興味深い。



最寄り駅の天下一品に来店。金晩だというのに、お客は誰もいなかった。
店員さんがお水を持ってきてくれたのと同時に、「こってりMAXの麺かためで」と言う。この時点で、私はどうしようもないエクスタシーを感じる。今から、この21歳の女体にドロッドロのスープが入るのだ。半端ない。


ものの5分程でラーメンが私のテーブル上に到着。


この赤い容器があたしの興奮を更に深める。
この世の食材に感謝する言葉「いただきます」をきちんと言い、一口目の麺を箸で取る。
その時点で思った事。
「あれ、思ったよりこってりはしてないな…。」
もっとレンゲが立つレベルのこってりを想像していた私は、少しだけ落胆する。そんな気分で一口目を啜る。



こ、これは…。美味い…。美味すぎる。


見た目ではあまりわからなかったが、通常のこってりより更にこってり感が増している。このスープが麻薬では無い、というのなら、他になんと捉えようか。こんなものを、全国チェーンのラーメン屋で販売していいものだろうか。
麻薬の固体感が強いあまり、麺に麻薬が絡みづらいように感じる。麺よ、この魅惑に恥ずかしがっては駄目だ。もっと積極的にならなければ。




そんなこんなで、スープを一滴も残さず完食。
代金を支払い、店を後にする。





再び、あの味を口にしたい。すれ違う人々は、あたしがさっきまでこってりMAXの魅惑に落ち、余韻に浸っているだなんて思ってもいないという、背徳感。
そんな事を思いながら、冷たい風と共に帰路についた。


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