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2020.11.15 つぼくさ製茶〜紅茶の製法で作ってみる④

つぼくさ茶を紅茶の製法で作ってみた…の、結果を報告せねばなるまい。
結論から言いますと、美味しくなかったです。いや、美味しく作れませんでした。と言うべきか。
この機会にもう一度、紅茶や烏龍茶の製茶について復習しよう。ざっくりと。(Hojo tea さんのサイトを参照しました。)
茶葉に含まれるカテキン(ポリフェノール)が、同じく含まれているポリフェノールオキシダーゼ(酸化酵素)によって、酸化発酵することによって、ポリキノンと呼ばれる揮発性の高い物質を生成する。これが紅茶や烏龍茶の華やかな香り。
カテキンを酸化発酵していくと、テアフラビンという紅い色の紅茶ポリフェノールになる。発酵が進みすぎると、テアルビジンとなり、色も悪く、蒸れたような酸臭も発生する。
と言うわけで、この過程をつぼくさにも当てはめてみよう…という試みであります。
つぼくさにはカテキンは無いだろうから、同じような香りが期待できるわけでは無い。何かしらつぼくさに含まれるタンニン、ポリフェノール類が酸化酵素の働きで香り成分を生成し、色の変化も出てくるかもしれない…何か発見出来るかもしれない。
で、仕上げてみたものの、蒸れて腐ったような変な匂いが付いただけの結果となりました。美味しくない!
萎凋、発酵の過程で、酸化発酵によった生まれたであろうと思われる香りが少し感じられはしたが、最終的にそれを生かすように残すことはできなかった。
そもそも、そのわずかに感じられた香りは、わざわざ作り出して残したいほど魅力的なものなのか?…と、引っかかる。
「すっごく良い香り!」でなくても良いが、つぼくさ独特の個性が感じられて、なおかつ味わいは、グリーン(つぼくさ生葉をただ乾燥させただけのもの)のまま煎じて飲むよりも飲みやすく美味しいものになるのであれば、追求して見る価値はある。
カメリアシネンシスの場合に戻って…
紅茶にしろ烏龍茶にしろ、萎凋、発酵、殺青、乾燥、火入れ、焙煎…あらゆる製茶工程で絶妙なコントロールをしてやる事で、美味しいお茶が出来る。
長い歴史の中で培われた技術である。
そもそも、酸化発酵とは言うが、ようは酸化して腐っていく…と言う事と実は変わらないもの。
人にとって有益なものになるよう、人が絶妙にコントロールする事で得られるのが酸化発酵。コントロール出来なければ、ただの酸化劣化もしくは腐敗。(今回のつぼくさ発酵茶は腐ったような臭いの野草茶…と言っても良い)
紅茶、烏龍茶の酸化発酵のコントロール技術はすごい。
つぼくさの場合にも、つぼくさ独特の制御方法が存在するわけだ。カメリアシネンシスと同様にすればうまくいく…とは簡単にはいかない。
誰もやった事ないので、自ら試し考察を続け、コントロール技術を確立していくしかない訳だ。
酸化発酵させるつぼくさ発酵茶は魅力的なものとなりうるのか?そこも探りつつ、他の活用法についても試して行かねば。さてさてどうなることやら。

今回は、酸化酵素による酸化発酵を施した実験でした。
次は、乳酸菌や酵母といった、微生物たちに働いてもらう発酵についても検討してみよう。

先ずは、つぼくさ生葉を糠床に入れて食べてみようかな…

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