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【つばさ文庫小説賞『一般部門』へ応募する人、必見!】おもしろい物語をつくりたい!

 今年も、角川つばさ文庫小説賞一般部門の作品を募集中です。
 これから書く人、もう書いた! という熱意ある人、「いつか書いてみたい」という人、書いているけどうまくいかない……という人、いろいろな方がいらっしゃるはず。
 つばさ文庫編集部は、物語を生み出すそんなあなたといっしょに、これからもずっと、おもしろい作品をつくっていきたいです!

 この記事では、作品を応募する方に向けて、「こういった点を意識して、児童文庫書いてみてほしい」という、6つのポイントをまとめてみました。
 あなたの物語をもっと輝かせるヒントになればうれしいです!


ポイント1. 「読者」の顔を思いうかべてみる

 小説を書くって、すごく難しくて大変なこと。
 だからこそ、どうしても「自分が書けるもので、最後まで書き通そう!」と、がんばってしまいがちかもしれません。

 でも、作品には「読者」がいることを忘れないでください。
  ――つばさ文庫の読者は、どんな作品を読みたいんだろう?
  ――どんな子が、どんなふうに自分の作品を読んでくれるんだろう?
 
 アイデアを練るときも、作品を書いているあいだも、ずっと考えていてください。
「自分が書けるもの」「書きたいもの」は、もちろん大切です。その上で「読者が読んでみたいもの」も意識すれば、もっとワクワクする作品が書けるはずです!
 
「でも身近に小中学生はいないし、つばさ文庫読者をリアルにはイメージできないよ……」というあなたも、大丈夫です。
そんなときは、【自分の心の中にいる子ども】を、思いだしてみてください。
 「10歳のときの自分は、どんな子だっただろう?」
 「どんな作品が好きだったっけ?」
 「あのキャラクター、大好きだったな」
 「あのとき、こんな言葉をかけてほしかったのに」
 「こんなことをしてみたかったな」
 「こんな出来事があって、うれしかった/かなしかったなあ」
などなど……。

「昔のことなんて忘れちゃった」「恥ずかしい」なんて思わずに、じっくり心の中を掘り返してみましょう。思いだした「その子」をワクワクさせるために、物語を書いてみるとよいかもしれません。

ポイント2. 「起承転結」を意識してみる

「起承転結」――文章を書く上で、よく耳にする言葉。
 ではそもそも、「起承転結のある物語」にするには、どうすればよいのでしょうか?
 今回は「事件によって、登場人物の心や状況が変化する物語」と考えてみましょう。

 小説の中では、いろいろな事件や出来事が起こりますよね。
「事件」は物語の展開にも変化を与えますが、登場人物の「気持ち」を変えるものでもあります。
 別に「がっくりと落ちこむ」とか、「超幸せな気分になる!」といった大きな変化ではなくても、「これをしなくちゃ!」とやる気になるとか、逆にやる気をなくすとか、の変化もあります。

「事件が、登場人物の気持ちに変化を起こし、感情の起伏によって物語をつくる」ことによって、登場人物により多面的な魅力が生まれ、作品のおもしろさが加速します。
 起承転結のつけ方がわからない……と思ったら、こういった方法を試してみるのもよいかもしれません。
 もちろん、これは一例にすぎません。作品やそのジャンルによって、起承転結のつけ方は色々あります。あなたの作品に合う方法を探してみてください。

ポイント3. キャラクターの描きかたを見直してみる

「魅力的な登場人物を生みだす」というのも、小説を書くときに難しく感じることのひとつかもしれません。
 でも「読者にウケるキャラを書こう!」と思いすぎて「テンプレート」すぎるキャラクターになっていないでしょうか。

 「こういう主人公が共感されるんだよね?」
 「だれもがキャーッとなる転校生って、こう」
 「クラスの優等生って、こんな雰囲気で、こんな言葉づかい」
 「いじわるなキャラなら、こんな行動をする」など。

 テンプレートなキャラクターは、とても伝わりやすい「記号」です。でも、読者が読みたいのは「記号的な登場人物」とはかぎりません。
 読者は、あなただからこそ書けるその登場人物のことを、「好きになりたい」と思っているのではないでしょうか。

 そのためには、その登場人物がどんな人なのか、書き手のあなた自身が、そのキャラクターをしっかりつかむことが必要です。時にはテンプレートを外す勇気を持ってみてもよいかもしれません。そして、「この子はこんなところが魅力なんだぞ!」と、どんどん読者に伝えましょう!

ポイント4. あらすじはていねいに書く

 応募原稿に添付する「あらすじ」をしっかり書くこと、応募前に何度も読みなおしてみることをおすすめします。
 もちろん選考では、あらすじだけで判断することはありません。絶対に中身を読んで判断します(絶対に、です!)。

 では、なぜあらすじが大事なのでしょうか?
 それは、400字のあらすじだけでも「作品のおもしろさ」を十分に伝えることができるからです。
 限られた文字数のあらすじでも、物語の起承転結を簡潔にまとめ(結末まで書いてください)、「この作品のどこがおもしろいのか?」を考えてみてください。
 そしてあらすじのおもしろさを、本文でも伝えられているか? 応募前にぜひ確認してみてくださいね。

ポイント5. 「あたらしいこと」にどんどん挑戦してみる

 小説を書く上では、あなたのすべての経験や感情が「ネタ」になります。  
 好きな趣味やアクティビティにどっぷり浸かることも楽しいけれど、ぜひ「まだやったことがないこと」にチャレンジし続けてほしいです。
 そして、「自分が書けること」をもっともっと増やしてもらえるとうれしいな、と思います!
 
 たとえば、行ったことのない場所に行く、ニガテなことでもがんばってチャレンジしてみる、ふだん読まないジャンルの本を読む、いつも食べないものを食べる、あまり話したことのない人としゃべってみる……。

 挑戦する中で、「嫌だな」「つらいな」「悲しいな」と思うことがあるかもしれません。でもきっと、どんな経験もぜんぶ、あなたが未来に生みだす物語の種になるはずです(もちろん、無理や無茶は禁物ですよ!)

おわりに

 小説の書き方に正解はありません。ここまで紹介してきたヒントにこだわりすぎる必要は決してなく、参考になりそうな部分は取り入れつつ、自分だけの物語を自由に生みだしてほしいです。
 熱意あふれるあなたの作品を読めることを、編集部一同楽しみにしています。 ぜひいっしょに、おもしろい作品をつくりましょう!