好きな漫画の話『P2!-let’s Play Pingpong!-』編

無題

『P2!-let’s Play Pingpong!-』とは、だいぶ前に打ち切られてしまった卓球を題材にしたジャンプの漫画のことです。
なんで今P2の話? となると思います。マジで何の時事性もないです。でもなんか最近思い出すので筆を執りました。

特に根拠はないですが、当時ジャンプを読んでいた空気的に、この漫画は
3巻くらいで一度打ち切りの危機を迎えています(と僕は思い込んでいます)。表題的には『Yes I will』から『パラダイム・シフト』のあたり。
いかにも王華戦と同時に終了しそうな気配が漂っており、あーこりゃ切られてしまう~と思いながら読んでいました。
結局その3巻時点での打ち切りはなんとか回避して、当事は胸をなでおろしたものでした。

しかしまあジャンプ空間で戦うには地味すぎて、結局7巻であえなくそのときを迎えてしまいました。正直4巻からそれ以後のことはそこまで覚えておらず、僕の中でのP2の面影は『Yes I will』から『パラダイム・シフト』しかありません。

しかし、その数少ない記憶が、十数年の時を超えた今になってフラッシュバックするのです。今になって、あのシーンの解釈が変わったというか、それこそパラダイムシフトが起こってしまったのです。


現物が実家にしかないのでページ数が出せないし、引用も正確ではありませんが、この漫画一番のシーンは、

「あの人が求めているのは覚悟じゃない。意志だけ」
「ちょっと、やって、みたい、です」

に他ならないと思うのです。
スポーツ音痴の主人公が、明らかな差がありながら、恥をかくと知りながら「やってみたい」を表明するシーン。今思い返すと、歳のせいか印象がかなり変わります。

技術がある人間ではなく意思表明し行動する人間がチャンスを掴み、気がつけば技術やセンスすらも伴っていくのは、どこか心当たりのある話。ガキだった当時、少なくとも僕はそれには気付いていませんでした。

「ひとつ知る。覚悟というものは行動した後についてくるものだってこと」

ここにきてダメ押し。福本伸行風に言うなら「行動なんだよ…! 人生は…!」というところだろうか。

そして、主人公がその才覚を発揮して一矢報いるシーン。

「いつか、ギフトにめぐり合う」

当時は、主人公補正としか思っていなかったし、まあ実際主人公補正なのだけど、ギフトが「得る」ではなく「降る」でもなく「めぐり合う」という表現に、試行錯誤し、行動し続けたその先にあるものだ、というニュアンスが窺がえる。
意志をもって行動したその先に、今更ながら主人公は卓球の才覚に出合った、とたぶんそういう話だったんじゃないかなと思える。

いやぁ、地味だなぁ。しかし、なんかこの歳になるとそういうのが効いてくる。僕には才能がないといえるだけの行動をしてきたのだろうかとか、そういう反省をしそうになる。


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