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なっぴばっでーい。

毎日、娘を保育園にお迎えに行く。娘は僕を見つけると、嬉しいことがあると笑いながら駆け寄ってくる。悲しいことがあると泣きながら寄ってくる。先生に怒られたりしたことがあるとどこかバツが悪そうに寄ってきたり、ずっとおもちゃや友だちと遊んでいて、なかなかこっちに来なかったりする。どの娘も、たまらなく愛おしい。


今日は僕の誕生日だった。娘は、保育園に迎えにきた僕を見つけると嬉しそうに駆け寄ってきた。朝、出勤するまえに「今日は保育園終わったらケーキを買いに行くからね」と言っていたからだ。今日ほどスムーズに帰れた日はないのではなかろうか。毎日帰りにケーキ買いに行ったら、毎日スムーズに帰れるのではなかろうか。スムージーなのではなかろうか。スムージストになれるのではなかろうか。


誕生日。自分が生まれた日。別に自分が生まれた日なんかに興味もなかったしどうでもいいと思っていたけど、最近はなかなか悪くないなと思っている。ツイッターでもたくさんの人がお祝いメッセージをくれて、照れくさいけど嬉しいなーって思っている。ありがとうございます。スムージー買ってください。


小さい頃からあんまり良いことがなくて、ぶさいくで、捻くれてて。小学生の頃から生まれてこなきゃよかったなーって思ってたし、中学生くらいの頃はなんで生まれてきたんだろうなーって思ってたし、高校生くらいの頃は死にてえなーって思ってたし、二十代前半の頃はやっぱり死にてえなーって思ってたし。ずーっと、どうせ誰も自分なんか分かってくれない、好きになってくれない、嫌われてたほうが楽だーなんて思ってたし。そっからもうどうにでもなれーって思ってたら好きな人ができて、なんとかかんとか結婚して、子どもができて。三十代。自分を見つけると喜んで駆け寄ってくる娘を見て。「生まれてきてくれてありがとう、生きててくれてありがとう」と心から思える存在ができて、なんかね、やっとね、ちょっと、生きてて良かったかなーなんて思えるようになったよ。まあ上がったり下がったりが激しいし、相変わらず捻くれてるけど。


多分ね、多分だけどね。自分がいることで安心してくれる人、喜んでくれる人、笑ってくれる人がいるんだと知った時、生きてて良かったなんて思えるんだろうね。どうせ誰も自分なんか分かってくれない、好きになってくれない、嫌われてたほうが楽だーなんて思ってた自分が思うんだから間違いないよこれは。うん。それがたまたま自分には子どもだっただけで、友だちでも、家族でも、ペットでも。オケラだって、ミミズだって、アメンボだって。自分がいることで安心してくれる、喜んでくれる、笑ってくれるような存在は必ずいると思う。それと出会えたら、それに気付けたら、生きるのも悪くないなーって思えるんじゃないかな。そしたらさ、あとはさ、そいつと一緒にスムージー飲みに行こう。

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娘がプレゼントでくれたパパ。かわいいでしょ?

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