「CUE!」の開発断念が決定してしまったので決算資料を振り返ってみる
はじめに
すでに発表から1ヶ月ほど経ってしまいましたが、先日CUE!からアプリの再開断念の告知がありました。アプリが復帰することを期待していた私も5/1の3rdライブ、アニメ「CUE!」の終了後に何も告知がなかった時点で概ね状況を悟りこのような結果になるだろうということは想定できていました。
想定はできていたのですがなぜ上手くいかなかったを知りたいと思い、何かヒントを探るために決算資料に目を通してみた次第です。結果として今まで知らなかった部分もたくさんあったことに気づけたので記録として残しています。
※決算資料の内容については事実ですが、推測・考察については私個人の意見であり実際の事実と異なる場合があります。ご了承下さい。
そもそも決算資料とは
めちゃくちゃざっくりいうと、企業が
・どれくらい売上/利益があったか
・何が良くて(悪くて)利益(損失)が出たのか
・資産、負債がどれくらいあるか
・これからの経営方針はどのようにするか
などを投資家向けに説明する資料になります。上場企業には決算を開示する義務が法律で定められており基本的に開示されている情報は誰でも見ることができます。(大体企業ホームページの「IR情報/IRリリース」といったページから参照できます)
決算資料を見てみる
アプリCUE!の配信元は 株式会社リベル・エンタテインメント という企業ですが、リベル・エンタテインメントは非上場企業のため決算資料が公開されていません。リベル・エンタテインメントの親会社 株式会社アエリア の決算資料に情報が載っているのでこちらを参照します。
今回はCUE!の運営について知りたいのでアプリ配信期間 2019/10/25 - 2021/4/30 周辺の決算資料を見ていきます。
2019年12月期 第2四半期 決算説明資料 ※アナリスト・機関投資家向け (2019/8/29)
2019年4-6月までの決算資料です。アプリ開始前ですが事前登録者数はそこそこあるのでこれからに期待という雰囲気です。
2019年12月期 決算説明会資料 (2020/3/18)
2019年1年分の決算資料です。アプリ配信開始直後に開催されたライブ「Nice to meet you!」のチケットが事前完売したことも言及されています。コンテンツ的には見るところ順調そうなのですが、残念なことに決算資料でCUE!が1ページ占めているのはこれが最初で最後…
通期連結業績予想と実績との差異に関するお知らせ (2020/02/14)
こちらは先の2つと違い文書のみの資料ですがCUE!のアプリについて言及されています。端的に言うと「売上があまり良くないので耐用年数(運営していける期間)の見込みを減らします」ということかと思います。
まだ配信して間もない頃ですがこのようなお知らせが出ています。
2020年12月期第2四半期 決算説明資料 (2020/08/28)
アエリアのコンテンツ事業はゲームだけでなく、ゲームを軸としたイベントなども収益の軸となっています。しかし、2020年初頭から流行し始めたコロナウイルスの影響を受けて例に漏れずコンテンツ事業の収益が減収減益となったとされています。
CUE!についてはシングルCD発売について記載されています…がアプリ自体に関しては何も記載がありません。1行空いてしまっている始末です…
決算資料の後ろの方に第3・第4四半期(今回の場合2020年7月-9月、10月-12月)の経営方針について記載されています。その中の「既存事業・既存タイトル・既存施策」の「選択と集中」という項目に積極的な損切りという文字が…。結果的に2021年に「CUE!」と「アイ★チュウ Étoile Stage」のサービスが停止しているので、この時点で既に決まっていたか7-12月の運営状況を見て停止することになったのではないでしょうか。
販売費及び一般管理費(貸倒引当金繰入額)及び特別損失の計上に関するお知らせ 2020/11/13
上記の積極的な損切りを裏付けるかのようなお知らせがリリースされていました。具体的にどのプロジェクトであるかは明記されていないものの、これまでの決算資料で察しはつきますよね…
2020年12月期 決算説明資料 (2021/03/10)
ついにアプリのメインビジュアルではなくアニメのイラストに差し替わり、アプリに関する文言が一切なくなってしまいました。。。
決算資料を見てみたまとめ
CUE!アプリの停止告知があった日は2021/2/27で、何も見ていなかった当時の自分にとっては唐突な知らせという印象がありました。しかしこうして資料を見てみると新たな気づきがあったとも言えますし、実はだいぶ前から危うい状況にはなっていたのだと知ることができました。
おわりに
コンテンツの1ファンとしてはこういう形として終わってしまうのは非常に残念ですが、ビジネスとして回らないと続かないのは仕方ないことではあります。
過去事例がないわけではないのでオフライン版なりで何かしらストーリーを振り返ることができるようになればなと思っています。