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卒業生対談 vol.3 先生対談


第3回目は、先生対談です!
今回は現・津南中等教諭の小山先生をスペシャルゲストとしてお招きしました!参加してくださったのは、この方々です!

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はじめに...皆さんが先生になろうと思ったきっかけは?

 

藤ノ木:小学校の頃の担任の先生が、海外青年協力隊でネパールに行ったことがある方で、私たちに色々なネパールの話をしてくれたり、ビデオを見せてくれたりしました。知らないことをたくさん教えてもらって、先生ってすごいなあ、って漠然と思ったことがきっかけです。今、やっとその夢がかないました!

新井:僕のきっかけは、中学時代の数学の授業でした。隣の席のクラスメイトが、数学が全然ダメなタイプで。僕は数学が得意だったので、先生から、「翼はもう授業聞いてなくていいから、そいつにマンツーマンで教えてやってくれ!」って言われました。教え始めて1週間くらい経ったあるとき、「わかった!おもしろい!」ってその子に言ってもらえたのがうれしくて。数学は嫌われる教科になりがちなので、先生になった今、数学はおもしろいっていうことをもっと伝えられたらいいなって思っています。

小山:私も新井先生と一緒です。大学時代、たまたま半分以上の同級生が教職課程をとっていまして、私も教育実習に行ったのです。それまでは先生になりたいという思いはそれほどなかったのですが、生徒たちに「先生の授業いいね!」って言ってもらえたことが教師を目指すきっかけになりました。


先生のやりがいって…?


藤ノ木:初めて担任したクラスが、学級崩壊まではいかなかったのですけど、ギャングエイジというか(笑) 結構大変で…。

新井:その危機、どうやって乗り越えたのですか?

藤ノ木:周りの先生からアドバイスをもらって、自分の思いを子どもたちに本気でぶつけてみたのです。そしたら、子どもたちも本気で応えてくれてたんです。本気でぶつかったからこそ、子どもと一緒に成長することができたなぁと思いました。それが思い出でもありますし、教師のやりがいだなって思います。小学校教諭は全教科を教えるので、1日中子どもと親密に過ごすことができるのもやりがいですね!

新井:小学校の先生はほんとに大変そうだなって思います。

藤ノ木:中高校生と違って小学生は「子ども」ですけど、1人1人「自分はこうしたいんだ」という意思を持っているので、先生が決めてしまうのは違うし、かといって子どもに全てを任せることもできないので…日々どう接したらいいか悩んでいます。でも、何があっても子どもたちはかわいいです(笑)

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(藤ノ木さん:小学生に授業を行っている様子。)



新井:僕の場合は中高生ですが、生徒から嫌われてもいいから、だめだと思ったところは正直に怒り倒すようにしています。納得いかないときは生徒も体当たりでぶつかってくるので、対等なやりとりができていますし、結果的に信頼してもらえているなと感じます。生徒とそういう関係性を作れるのは、教師にしかないやりがいですね。

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(新井さん:文化祭でクラスが大賞を取ったご褒美に、自作のティラミスを振舞っている時の1コマ。)


小山:そうですよね。自分が本気でぶつかった生徒ほど、卒業した後に感謝をしに来てくれます。不思議なんですよねえ。僕が初めての担任を持ったときの生徒なのですが、超~ワルだったんですよ(笑) ガングロ、ミニスカート、ルーズソックスの(笑) ものすごいケンカしたのに、その生徒の結婚式に呼ばれて!その時は、「あ~教師をやってて良かったな〜」って思いましたね。

「教育」ってすぐには成果が分からないのですが、卒業して何年か経ってから教え子から感謝されたりすることがあるんですよね。お二人も必ずそういう時がやってくると思います。人の温かさやありがたみを感じられるのは、教師のやりがいだなって思います。


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(小山先生:卒業式。顧問をしている津南中等野球部のメンバーと。)


先生になった今、中等の教育をどう思いますか?

                   

新井:今、僕は40人くらいの授業を教えていますが、やっぱり学力の差がすごく大きいんですよね。どの生徒のレベルに合わせて授業を進めていくかがすごく難しくて。中等の英語と数学の少人数授業は、1人1人のレベルにきめ細やかに対応してくれたので、贅沢だったなと思います。

藤ノ木:小学校の現場でも、どうしても勉強についてこられない子たちがいて、すくってあげたいけども、なかなか難しくて…。そう考えると中等の少人数授業は本当に良かったなあと思います。


津南中等が力を入れている「探究学習」って、何ですか?

                                 

藤ノ木:津南中等ができた初期の頃と違って、今は小山先生が導入した「探究学習」に取り組んでいると聞きました。

小山:僕が津南中等に来た5年前は、従来通りのいわゆる「受験勉強学校」だったので、このままだとこれから世の中の教育に太刀打ちできないという危機感を感じました。「人間力」というか、「生きる力」を育みたいなと思ったのですね。

そこで、課題解決型の「探究学習」を導入することにしました。「探究学習」では、正解が分からないお題に対して、自分たちで調べ、考え、意見をぶつけ合い、自分たちの考えをアウトプットする取り組みを行っています。

現在、津南中等では、総合的な学習の時間を使って「津南妻有学」と称した6年間のカリキュラムを組んでいます。3年生では「探究学習」の導入として、「教育と探求社」という企業が手掛けている「クエストデュケーションプログラム(以下、クエスト)に取り組んでいます。「クエスト」がどういうものかというと...まず、大企業にインターンシップをしながらその会社について調べます。その後、仮社員になり、企業から与えられたお題に対して、自分たちの考えをプレゼンテーションします。ビジネスコンテストのようなものですね。「クエスト」には「クエストカップ」と呼ばれる全国大会があり、この大会を目指して取り組んでいます。

4年生では日本政策金融公庫主催のビジネスコンテストなどにエントリーし、これまた全国大会への出場を目指します。

5年生になると、あらかじめ与えられたお題ではなく、自分たちで課題を見つけてコンテストに出る、というようにレベルを上げています。大地の芸術祭や震災学習、地域課題の解決など様々なテーマのグループがあります。特に5年生では、英語の論文を読ませたり、SDGs(国連が掲げる国際目標)と絡めながら取り組んでいます。最後は集大成の意味も込め、「論文」という形で提出させたりもしています。

「探究学習」では、生徒は外の世界と関わらないといけないですし、自分からアクションを起こさないといけない。それが生徒を大きく成長させてくれます。


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(クエストの様子。タブレットを活用しながら、皆でアイディアを出し合っている。)


新井:「クエスト」では、どんなお題が与えられるんですか?

小山:お題は超~ざっくりしてるんですよ。例えば、「富士通がこれからの時代に必要だと思われる新商品を提案せよ」とか。それもう富士通が欲しいやつじゃん!って(笑)

新井:企画開発部がやる仕事ですね(笑)

小山:そうそう(笑) でも実際に、企画開発部の社員さんとZoomでやり取りしたりもするのです!あとは、朝日新聞、博報堂、大正製薬、三菱地所、クレディセゾン、カルビー、メニコン、吉野家、テレビ東京、大和ハウス、パナソニックなど、10社以上あります。年々増えています。


津南中等、全国大会に出場したとか…

                                 

小山:「クエスト」には全国大会(クエストカップ)があって、全国の中高生約3万人の中から、各企業それぞれより数チームが選ばれるのですが、ここ3年連続で津南中等が選ばれました!

藤ノ木:3万人から!!

 

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(2018年にクエストカップに出場したときの写真。)


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(2018年クエストカップ。大和ハウスからのお題に対してのプレゼン。)


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(2018年クエストカップ。大会終了後の記念写真。)


小山:昨年(10期生)の1チームは、コンタクトで有名な企業のメニコンに選ばれて、名古屋にある本社まで行ってきました。社長や役員などの前でプレゼンしたのです!

藤ノ木:すごい!どんな提案をしたんですか?

小山:使い終わったコンタクトの洗浄液を集めて、スライム状にして、そこから電池を作るというプレゼンでした。使い終わった洗浄液を再利用しようなんて、普通は思いつかないですよね(笑) しかもスライム状にするのか!みたいな(笑)

新井:でもそれって、科学の知識をちゃんと持ってないとできないことですよね!

小山:そうですね。子どもたちは探究学習を通して、科学の勉強をしたり、電池の勉強をしたりします。その会社の企業理念とか事業内容も調べたりするので、生徒が実社会に出たときにかなり役立つと思います。

今春(12期生)は全国大会(クエストカップ)で4チーム選ばれるという快挙を達成しました!コロナの影響でZOOMでのオンライン開催となってしまいましたが、生徒たちは本当に良いプレゼンをしてくれたと思います。



最後に、これからの津南中等についてひと言お願いします。

                                  

小山:都会と違って学校の選択肢が少ないので、選択肢を子どもたちから奪ってほしくないですね。子どもたちのために、地域のために、津南町や十日町市の小中学校などとも一緒に手を組んで頑張っていけたらいいですよね。

新井:なくしてしまうのは本当にもったいないと思います。中等に入ることで伸びる子が絶対いますし、そういう可能性の芽をつむことがないように、中等は残しておくべきだと思います。

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(新井さん:中等時代の思い出の1枚。所属していた野球部の顧問と。)


藤ノ木:社会人になってみて、津南中等での6年間は本当に貴重な経験ができたなって改めて感じます。そんな中等の魅力をたくさん発信できたらいいなと思います。母校存続のために協力するので、できることがあれば何でも言ってください!

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(藤ノ木さん:中等時代の思い出の1枚。1期生から6期生までの全学年が初めてそろった年の体育祭。)


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子どもと真剣に向き合う姿が目に浮かぶ、素晴らしい対談でした。

皆さんのご活躍を応援しています!! ありがとうございました。


今後もどんどん記事をアップしていきますので、お楽しみに♪


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