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卒業生対談vol.6 フリーランス対談


今回はフリーランス特集です!
聞いたことはあるけれど、周りにフリーランスの人がいなくてよく分からない…という方も多いのではないでしょうか?
 
対談者は、特定の企業に属さずフリーランスとして活躍されている、プロスノーボーダーの佐藤さん(3期生)とフォトグラファーの石澤さん(2期生)です。佐藤さんは津南、石澤さんはベルリンを拠点にそれぞれ活動されています。
 
フリーランスって憧れるけど実際どうなの?という方、必見です!




今の仕事のきっかけ 


佐藤:私は津南中等の3期生で、卒業後は早稲田大学のスポーツ科学部でスポーツを科学の面から勉強しました。小さい頃からスノーボードをしていて、12年間学生とスノーボードの両立をしてきました。

大学4年の時、目標としていた平昌オリンピックへの出場が叶わず、スノーボードを諦めて就職活動をしようと考え始めました。そこで自己分析をしていく中で、「スノーボードをしない自分」は何か違う気がする、と感じるようになって。それで就職活動はやめてスノーボードを仕事にできるようにしよう、ということで今に至ります。

(THE NORTH FACEのウェルカムムービーにてニュージーランドの山を滑る佐藤さん)


石澤:僕は大学進学は考えてなくて、パティシエになりたくて県内の専門学校に進学したんだよね。その後、東京のホテルに就職して3年間パティシエとして働いたんだ。もともと何かモノを作ることが好きで、特にチョコ細工や飴細工を作ることに興味があって、コンテストに出場したりもしてたんだ。

だけど、会社の規定で営業時間後にホテルの設備を使って試作品を作ることができなくなって、パティシエとして働くモチベーションがなくなっちゃったんだよね。

そんなときに、居酒屋で出会った男性がたまたまカメラマンのアシスタントをしている人で!写真を撮ることがもともと趣味だったこともあって、その人と話していくうちにカメラの道も楽しそうだなあ、と思うようになったんだよね。それでそのままその人に弟子入りすることになったのがカメラマンのきっかけなんだ。

佐藤:え〜!めちゃくちゃすごいですね!そんなことがあるんですね!

石澤:そうなんだよね(笑)その師匠のすすめで、写真の知識や技術をつけるために撮影スタジオに就職して、3年間働いたんだ。そこで海外の写真カルチャーに触れたことで興味を持って、今はベルリンでフォトグラファーをしているんだ。

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(撮影現場の石澤さん)


お仕事について


佐藤:私はスポンサーと契約をして活動しています。大体は1年契約で、シーズンを終えて活動内容を報告し、契約ブランド側が契約更新をするかしないか、契約内容をどう変えるかを判断する、という形になっています。次の活動報告が充実したものになるように、という点も考えながらシーズンを過ごしています。年に数回大会に出場し、勝つことができればその賞金も収入になりますが、スポンサーからの契約金が主な収入源です。


 (スポンサー契約をしているTHE NORTH FACEのプロフィールページ)



佐藤:カメラマンさんも同じだと思いますけど、自分で仕事を取りに行かないと仕事無くなってしまうので、フットワーク命みたいな(笑)

石澤:それは確かにあるね(笑)僕は2021年の2月にドイツでアーティストビザを取ったのはいいんだけど、仕事が安定しなくて。大きな仕事がまとめて6本入る月もあれば、全くない月もあるみたいな。フリーランスしてるな〜っていう実感がしてる。
写真だけで生活していくとなると難しくて、お小遣い稼ぎをしながらって感じだね。その他にも、営業みたいな感じでいろいろな人に会ったりもしてるかな。


(石澤さんのホームページ)


石澤:今年はコロナでロックダウンになって、仕事が仲間内でしか受けられなくなってしまったんだよね。特に僕は外国人で、ドイツに来て1、2年目なのでローカルな仕事を取りづらくなっているなあ。

佐藤:そうですよね、大変ですよね。

(ウェブメディアviceに掲載された石澤さんのフォトダイアリー)



石澤:今後の1番の目標は、自分の作品を売ってお金を稼ぐことかな。だから今は自分の名前を広めるために、コンペに作品を出したりしてるよ。
仕事として写真でお金を稼ぐことも大切だと思うけど、その中で大切にしているのは自分のブランディングかな。やった仕事が自分のイメージに直結してしまうところがあるというか。

佐藤:それはめちゃめちゃあります!(笑)自分で自分のブランディングができることは面白くもあり、難しいところでもありますよね。


(2019年に妙高市で開催されたSNOW BOARD MASTERSで優勝した際の佐藤さんの滑り)


中等で過ごしたことの影響



佐藤:高校生まで地元にいなかったら地元に貢献したいってここまで思わなかったかも。
 
石澤:確かに!津南恋しいなあ。
 
佐藤:ひなたさんに聞きたいんですけど、中等に行ってなかったら今どうしていると思いますか?
 
石澤:難しい質問だなあ(笑)世界に興味を持ったきっかけが中等のオーストラリア研修でホームステイしたことだから、それがなければ普通の会社員をしていたかな。
あと、地理の先生が、バックパッカーで世界を旅した写真を見せて授業してくれたのがすごく楽しくて!それがなかったらこんなに世界に興味持っていなかったと思うし、日本で生活していたかもしれない。

(中等のオーストラリア研修の際の石澤さん)



佐藤:確かに。中等に入ると海外研修があって、自動的に海外に行く機会がありますもんね。 

石澤:英語の授業にも力を入れていた印象があるよね。僕が入学した当時から、グローバルになる世界を見越していたのかな、という気がするなあ。あの時に英語をめちゃくちゃ頑張ったのが今も助かっているし。世界に対して広い入り口を用意してくれていたと思う。あやちゃんも海外に色々行っていると思うけど、中等でやった英語に助かってる部分ない? 

佐藤:超感謝してます!文法やっても意味ないっていう人もいるけれど、やったから分かる!文法やってよかった!と感じることがよくあります。それに、学生の時には想像していなかったタイミングで、勉強したことが役に立つ場面も結構多いです。 

石澤:学生時代の時には、こんなこと勉強して意味あるの?っていうことも多いし、実際僕もそう思ってた。だけど、この年になって社会に出る上での基礎的な知識っていうのは、簡単には身に付かないって感じるよね。

ベルリンの人たちと話すと、彼らは歴史だったり、社会の情勢だったりにとても関心が高いことをしみじみ感じるんだよね。
ベルリンのルームメイトと話した時に、日本の第二次世界大戦での振る舞いについて、日本の学校ではどのように教えられていたかについて聞かれて。でもそういったことは、なあなあで勉強していたら身につかないし、知らなかったらちょっと恥ずかしいよね。

中等でやれって言われてやったことかもしれないけど、きちんとやったからこそ今でも頭に残っているということは大きいよね。やっているときには苦しいかもしれないけど、後でちゃんと返ってくるよね。
 
佐藤:確かに、当時は泣きそうになりながらみんなで勉強しなきゃいけないこともありました(笑)だけど、中等で頑張ったからこそ、頑張った先に成果があることが分かるようになったというか。その経験があるから、今やらなきゃいけないことが出てきた時も先を見越して頑張れる気がします。
 
石澤:人間としての忍耐力がついたよね。制限も結構多くて、他の学校に行ったらもっとエンターテインメントな部分があったかもしれないけど、あの時期に忍耐強く頑張ったからこそベースができている気がする。今となっては頑張ってよかったと思える、みたいな。
まあでも在校生はまだなかなか実感できないかもしれないけどね(笑)
 
佐藤:本当にそうですよね!同級生とよく言っているんですが、「中等入るのって努力の前借りだよね」って。他の人よりも先に努力しているだけなんですよね。
 
石澤:そうそう!いい言葉だね!間違いない。在校生には、頑張っていればいいことあるよって伝えたいよね。
 
佐藤:こういった企画を通じてうまく伝わるといいなと思います。


(Japan Freeride Open 2022にて優勝した佐藤さん)


もっと広い世界を見てほしい!


石澤:もう1つ在校生に伝えたいのは、中等卒業後に1回は東京に出てみるといいよ、ということ。もちろん地元に残って、その中で貢献する道もすごくいいとは思うけれど、19歳とか20歳ぐらいのタイミングで、いろんな人が集まる東京でそういう人たちと友達になるとすごく自分の世界が広がると思う。
やっぱり日本の中心は東京だから、どうしてもそこに多くのものが集まる訳で。それを知った上で地元に還元するってことが大切だと思うな。


(石澤さん撮影の写真が使用されているForbes Japanのインタビュー記事)



石澤:今の津南っていい場所ではあるけれど、ローカルな側面は否めなくて。もっと広い世界を見てほしいって思うな。
東京での経験を通じて津南を発展させるってことも当然できるだろうしね。
 
佐藤:確かにいろんな人に会うというのは大きいですね。でも中等に入るのもそんな感じかも。
入学した時点で既に将来やりたいことがあったり、普通のことじゃ満足できないって考えて入学する人が多いから、地元の中学校よりも出会える人の幅が広い気がします。
後々何か一緒にできるかも!という人と出会う場面が多いのも中等のいいところかもしれません。
 
石澤:確かに!中等って中学に進学する時点で何か選択している訳だから、ある意味”変わってる”人たちが集まっているもんね。
そういう面では、普段生活している中では出会えない人と中等でなら出会えるってことはすごくラッキーだよね。
今同級生とか後輩とかにも面白いことしている人はいっぱいいるし。
いろいろな人たちと出会える場っていう側面もあるかも。


地元を盛り上げたい!


石澤:この間、新潟で撮影をしてたよね??
 
佐藤:してました!あれはフリーペーパーの撮影で、完成したものは中等にも持っていきました!
 
石澤:そうやってあやちゃんがフリーランサーとして地元を盛り上げてくれてるのがすごく嬉しくて。僕も将来的には有名になって地元に還元したい、恩返ししたいって思ってて。大地の芸術祭に呼ばれるようなアーティストになりたいなあって!
 
佐藤:いいですね!ひなたさんが津南で何かしてくれるのをとても楽しみにしています!
 

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その後もフリーランサーならではの津南をより良くするアイデアなどなど、話は尽きず…!今後のお二人がどんなご活躍をされていくのか、楽しみですね。貴重なお話ありがとうございました!

おふたりのInstagramアカウントはこちら↓



石澤さんInstagram


佐藤さんInstagram



文:関口美輝(7期生)


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