五常・アンド・カンパニーの共同創業を退任した

本日9月13日、SeparationAgreementを含む各種契約書に署名をして、五常・アンド・カンパニーの共同創業者の地位を退任し、一切の業務から離れました。CAがあるので経済実態について何も記載することはできませんが、予想された合理的かつ論理的な結論であり、私への敬意に溢れた取り扱いであり、したがってとても感謝しています。

私と五常の関係は、2014年5月に、私の仕事場を訪れた慎泰俊が「カンボジアのマイクロファイナンス機関の社長をやってみないか」と誘った時点がスタートでした。それも楽しそうだなと思いつつ話を聞いてみると、メンバは慎・サンジェイガンディー(インド人)・そして私の3名だけ、法人登記などもまだされていない状況。残念ながら私がやるべきことは決まっていました。以降、ヤマオカとナカムラに手伝ってもらいながら、経営管理に包含される一切の財務管理・経理・法務・税務・労務実務を処理してきました。設立年度から有限責任監査法人トーマツによる会計監査を受け、(登記簿を見ればわかりますが)断続的に増資をし続け、国内会社法法務書面を含む全ての契約書を日英併記し、カンボジア法・ミャンマー法・スリランカ法と格闘し、もちろんグループ財務管理を統合したり、様々な局面で私の実務能力を試していただきました。

事業の特性を考慮して、とにかく地雷を踏まないように、大きな問題を起こさないように、先を読み問題を潰す、リスクを回避する。これを強く意識しました。ほぼ設立時のまま4,5名で運営していた五常(ここでは親会社という意味)は、2018年の中盤頃からやっと様々な意味で安定し、人がどんどん入ってくれるようになりました。2019年8月現在はもう、5カ国6社、従業員2500名、累計調達71億円の規模まで大きくなりました。渡った危ない橋、避けた弓矢を思い出すと、素直にああ良かったな、と感じます。五常時代にあった様々なことは、書ける範囲内で、のんびりと連載している経歴シリーズに書いていこうと思います。

私はフリーの公認会計士であり、五常は私のクライアントです。五常への業務提供の対価として、フローでの報酬ではなく、共同創業者としてのエクイティインセンティブをもらっていた、というものです。他にも沢山のクライアントがいます。親しい方はご存知の通り私はとてもドライで、クライアントに対して感情を持ちません。ただ、今回、抜けるに際して、G SuiteやMFアカウント等の各種管理アカウントから自分と自分の事務所のメンバを削除し、自分のオーナー権限を移譲する作業をしていると、若干、少々、感傷的な気持ちになりました。

ま、これぐらいでいいか。

五常の事業はこれからもうまくいくでしょうし、私の人生もまたうまくいくでしょう。五常・子会社・投資家・各関連当事者の皆様、とても感謝しております。ありがとうございました。終わり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?