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【読書記録】medium 霊媒探偵 城塚翡翠「霊視と論理と大どんでん返し」

基本情報

タイトル:medium(メディウム) 霊媒探偵 城塚翡翠
著者:相沢沙呼
刊行:2019年9月
出版社:講談社
カテゴリー:ミステリー
■読んだ月:2021年8月

読み始めたきっかけ「なんたって5冠!!」

 ①「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位
 ②「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位
 ③「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー
 ④「第20回本格ミステリ大賞」小説部門受賞
 ⑤「SRの会ミステリベスト10」第1位

こんなの絶対面白いと思いながら、手に取りました。

物語要約「論理と霊視のコラボレーション」

・推理作家の香月史郎は、作家でありながら、論理的な思考力や洞察力を買われて、警察に協力して刑事事件を解決してきた。香月の友人が女性の霊が見える不安に怯えており、友人の女性に連れられて、霊媒師の城塚翡翠と出会う。翡翠は、霊媒体質で死者を身体に下ろすイタコのような力や、亡くなった場所に行くことで亡くなる当時の状況を感じることが出来るが、「自分は近いうちに悲惨な死を遂げる」と自分自身に大きな不安を抱えている。
・翡翠の論理性が無いが真実に近づく霊媒体質と、香月の論理性を持って、難事件に立ち向かっていく。女性の不審な死、奇妙な洋館で行われた殺人、最後に何も殺人に証拠を残さないシリアルキラーに立ち向かっていく。

感想「最高!まさにどんでん返し」

ネタバレ注意
・最初からずーーっと面白かった。香月は頭がキレて、洞察力がある。事件が起きた際の周囲の状況や相手の心情をくみ取り、正しい方向に持っていく力がある。対して、翡翠は結論に直結する霊視によって、香月の推理をアシストしていく。正に名コンビだった。

ガラスが割れている理由、鏡に着いた血が拭き取られた理由など、些細な点から、犯人の特定に繋げるのが、無理のない範囲で書かれているので、分かりやすく、スッキリした。

・ただ序盤から翡翠側の主観での感情表現がなく、無駄にエロ描写があるのが違和感だった。ついこの前まで友達がおらず、男性にも疎かったにも関わらず、ここまで親しくなるのが、”香月が翡翠を好きになるように”意図的に動いているのか?と。

・そして最後のシリアルキラーとの闘い。(ネタバレと自分の言語能力では書ききれないのですが…)全てを見抜く洞察力と論理的思考の展開力が怒濤のように披露されて、もうゾクゾクしました!

・ちなみにmediumは中間・中庸という意味のほかに、
音声や文字などの媒体であるメディア(media)、それが派生し、人間と神の媒体者である霊媒メディアム(medium)という意味もある。←ミディアムじゃなくて、メディウムなのも意味があったのか!

・すでに次作のinvertも買いました!

最高に面白いので是非皆さんも手に取ってみてください。


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