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Godot C#でのゲーム開発:1.1 はじめに

Godot(バージョン4)とC#を使ったゲーム開発のチュートリアルシリーズを始めることにしました。この記事はその最初のステップです。オープンソースのゲームエンジンGodotと人気のプログラミング言語C#を使って、皆さん自分だけのゲームを作るきっかけになれたら嬉しいです。

なぜGodot?

ゲーム開発といえば、普通はUnityやUnreal Engineのような商用エンジンがよく使われます。しかし、Godotはオープンソース且つ完全無料で使える軽量なエンジンで、商用エンジンとは違った魅力があります。さらに、GDScript、C#、C++という3つの言語から選べるので、プロジェクトの需要、自分の得意なスキルや好みに合わせて開発できます。

なぜC#?

第一の理由として、筆者自身は長年Unityのゲーム開発者としてC#を使ってきたからです。Godotでのゲーム開発でも、C#なら今まで通りの感覚でスムーズに移行でき、経験を活かせると思ったのです。
もちろん、Godotでは確かにGDScriptがメインの言語として使われています。ただ、Unityの経験がない方にとってもC#にはメリットがあります。C#はあらゆる開発分野で人気があるので、豊富な資料がそろっており、問題解決の手助けになるでしょう。さらに、C#を使うと.NETライブラリをGodotで活用できるので、開発効率が上がり、できることが広がります。

ゲームエンジンとは?

車のエンジンを想像してみてください。車のエンジンは、タイヤやトランスミッションなどの部品を連携させて車を動かします。ゲームエンジンも同じように、グラフィックス、アニメーション、音声、コントローラーの入力など、様々な要素を連携させて、ゲームに命を吹き込んで動かします。

車のエンジンとゲームエンジン

一方、ゲームエンジンの役割はそれだけではなく、車の組立工場のような役割も果たします。、タイヤ、シャーシ、ハンドルなどの車の部品が別々に作られて工場で組み立てられるように、ゲームの素材も同じです。絵はPhotoshopで、3DモデルはMayaのような専用ソフトで作って、それらをゲームエンジンで一つにまとめます。
車の工場が、作業を自動化して効率化してくれるように、ゲームエンジンも、開発者がゲームを作るための便利な機能をたくさん提供してくれます。物理演算とか、衝突判定とか、シーン遷移とか、ゲームに必須の機能を、わざわざゼロから作らなくて済みます。そのおかげで、開発者はゲームの面白さであるゲームプレイやストーリーに、集中して取り組むことができます。

車の製造ラインとゲームエンジン

ちなみに、ゲームを動かす部分を「ランタイム」、開発するための画面を「エディタ」と呼びます。

Godotとは?

ここまでで、ゲームエンジンはゲーム開発の基盤となる技術であり、効率的なゲーム開発を可能にする強力なツールであることを理解してもらえたかと思います。Godotはその中でも特に人気のある2Dと3Dゲーム開発用の無料のオープンソースエンジンです。2024年12月執筆時点で、OSS Insightによるオープンソースゲームエンジンのトレンドに、Godotは1位にあり、2位に大きな差を付けています。2014年に初めてリリースされて以来、MITライセンスの元で、誰でも(個人も商用も)無料で自由に使えるようになっています。

OSS Insightによる2024年12月オープンソースゲームエンジンのトレンド
OSS Insightによる2024年12月オープンソースゲームエンジンのトレンド

Godotの特徴として、独自のノードベースのアーキテクチャがあります。ノードというのは、ゲーム内のキャラクター、アイテム、背景といった要素を表す、いわばレゴブロックみたいなものです。このノードを組み合わせて「シーン」を作ることで、ゲーム全体の構造を作っていきます。Unityと違って「プレハブ」という概念はなく、すべてシーンで管理するのがGodot流です

GodotではGDScriptとC#の両方でプログラミングでき、開発の自由度が高いです。Windows、macOS、Android、iOSといった様々なプラットフォーム向けのゲームを作ることができるので、Godotはゲーム開発の強力なツールです。(ただ、2024年12月執筆時点で、最新版のGodot 4.3 C#はまだWebプラットフォームに対応していません。)

次回に続く…

次回は、GodotとC#の開発環境のインストールを紹介します。

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GodotとC#でのゲーム開発を入門記事をまとめています。記事は随時追加更新され、内容が充実するにつれて価格も上昇する予定です。

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