USレジデンシーマッチとMPH同時合格までの道のり

自分のレジデンシーマッチング、またMPHの同時合格までにどのような期間とプロセスをかけてきたかを時系列で紹介したいと思います。同時進行で動いていますのでごちゃごちゃしており長いですがご容赦ください。

2016年:

(大学4年生)ポリクリの開始と共にUSMLE step1 first aidをローテ科に合わせて読み始めるも医学英語が難解すぎて全く進まない&挫折

2017年:

1月:(大学5年生)自分を追い込むためにUsmle step1申し込みと支払いを完了。USMLE step1 本格学習を開始 (Rx1-4月、Uworld5-7月)

7月:(大学6年生)USMLE step1受験(期間7ヶ月、Rx 1周、Uworld 1.5周)

2018年:

4月:地元国立大学を卒業し、そのまま県内私立病院で初期臨床研修開始

10月:USMLE step2CKのUworldをぼちぼちと開始始める

12月:野口医学研究所のエクスターンシップ選考試験を受験

2019年:

1月:選考試験に合格→ハワイ大学1ヶ月オブザーバーシップを決定

Nprogram(米国レジデンシーをサポートしてくださる機関)に連絡をして予備面接

4-5月:海軍エクスターンシップ(横須賀、沖縄)の応募書類を提出

6月:沖縄米海軍病院エクスターンシップ

7月:横須賀米海軍病院エクスターンシップ。フェローシッププログラムの応募書類の提出完了

7-8月:横須賀、沖縄、横田、三沢全てのフェローシップ選考試験を受験

9月:横須賀米海軍病院への就職が決定。医学部学務と連絡を取り合いながらMSPE(レジデンシーに必要な大学長のレター)の作成を開始

11月:USMLE step2CSの勉強をCKと同時並行で開始

2020年:

1月末:USMLE step2CK受験(期間1年3ヶ月、Uworld約3周)

2月:ハワイ大学で1ヶ月のオブザーバーシップ

4月:横須賀米海軍病院フェローシップ開始(医師3年目)。Personal Statementの作成を開始

5月:USMLE step2CS受験予定だったがコロナの影響で完全中止となり途方に暮れる。TOEFLがstep2CSの代替試験になると予想して勉強開始

6月:TOEFL(Home edition)1回目受験 

今年度レジデンシーに応募できない可能性を加味しアメリカ公衆衛生大学院(MPH)受験を決意 ①MPH必要書類となる大学成績の変換をWESに依頼 ②大学院は700-800万円程度かかるため、奨学金プログラム応募書類作成を開始(中島、平和中島、伊藤、ロータリー財団)

7月:TOEFL(Home edition)2回目受験し目標スコア(100)をクリア 

このタイミングで USMLE step2CSの代替としてOETが発表される。当時は月に一度しか開催されておらず(大阪会場)、最短の予約が8月でありこれに一発で合格しないとレジデンシーのアプライ開始日(10月21日)までにECFMG certificate pathwayを介したCertificateが間に合わないことを知る。絶望しつつOET猛勉強開始

8月上旬:MPH奨学金プログラムの書類を各財団に提出

レジデンシーの履歴書作成を開始

ECFMG certificate pathway 1のために厚生労働省に英語の医師証明書類作成とECFMGへの送付を依頼する必要があるため(書類発行には通常1ヶ月程度かかる)、担当者に連絡を取る

8月下旬:OET受験。Nprogram選考試験(9月下旬)の為の応募書類提出と試験勉強を開始

9月上旬:幸いOET一発合格→ECFMG pathway1の手続き開始

手続きが滞っていたため確認したら、ECFMG pathwayは英訳の医師免許書のみでなく行政処分証明が必要であったことを知り、期限に間に合わないかもと絶望する。厚生労働省に頼み込んだところ通常1ヶ月かかるプロセスを3日で書類発行+ECFMGへの送付を完了していただくというMiracle プレーをしていただく

9月下旬:N programの選考試験を受験。直後よりGREの勉強開始(MPH応募の際に必要な試験の一つ)

10月上旬:2日にECFMG certificate pathway完了通知とCertificateの発行

6日GRE受験

21日(レジデンシープログラム開示日)までに履歴書とPSの最終確認を行い、プログラム選択と手続き完了

10月下旬:レジデンシー面接対策を開始

USMLE step3の勉強を開始 (使用教材はUworldのみ)

MPH応募履歴書とPSの作成開始(レジデンシー応募書類とは形式が全く異なるため別で作り直す必要があります。有名大学院プログラムの応募期限は12月1日)

11月上旬:レジデントプログラムよりinvitationが届き始める

11月下旬:レジデンシー面接シーズンの開始

MPHの応募(Johns Hopkins、Harvard、Emory、Boston、Columbia)完了

12月:レジデンシー面接シーズン

MPH奨学金の為の面接後、ロータリー財団より合格通知をいただく

Johns Hopkins大学院からMPH 合格通知をいただく

2021年:

1月:レジデンシー面接シーズン

Step3 CCSの勉強も開始(Uworld CCS+ CCScases)

EmoryからMPH合格通知をいただく

2月:レジデンシー面接シーズン終了

Columbia、BostonからMPH合格通知をいただく

ハワイでUSMLE step3受験 (勉強期間3ヶ月、Uworld+CCScases 共に1.3周程度)

3月:ハーバードMPHから残念ながら不合格通知

15日マッチング結果発表で無事Match。MPH part-time online course入学決定

19日Match Day 小児科プログラムにマッチ


感想:

医学英語の学習を始めてからマッチングまでに合計で5-6年間かかりました。本当に辛く永遠にも思える険しい旅で何度も挫けかけました。レジデントとしてアメリカにいる人達が眩しくて眩しくて仕方ありませんでしたが、彼らが辿り着いた世界との自分との間にある壁は、超えられないほどそれはそれは高く厚く思いました。しかし、自分の可能性を諦めずに一歩ずつ着実に上り続ければその壁はいつか登りきれるのだということを身をもって感じました。全ての努力を認められたような、それは言葉では言い表せない喜びと達成感です。皆さん仰っておりますが、いかにどれだけ先を見据えて、早くから準備、行動に移すかが大事かと思います。

2020年に関しては海軍病院で勤務しながらレジデンシーマッチ全集中の予定でした。しかし序盤からCSの中止など予期せぬ事態であっけなく計画が崩れ、アプライが間に合わないことも考慮して途中からMPHへの応募も同時に行ったため、海軍勤務に加えて目が眩むような量の書類や試験等に追われ続け、毎日が休みのない修行のようでした。最終的には両方合格出来て満足のいく結果ではありましたが、同時戦法はお勧めしません。一歩間違えれば全てが中途半端になり両方失敗する危険性もありますし何より辛いです。ただ、MPHは準備と合格は比較的容易ですし、MPH書類のいくつかはレジデンシーマッチの書類作成にも生きてきます。その為、公衆衛生に興味がある、私のような専門医を持っていない若手医師で働き先に悩んでいる、とりあえず早く渡米したい、ような方には一つの選択肢になるかと思います。

それではまた!


    



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